【お悩み】

おなかが弱い体質なのか、すぐに下してしまいます。特に通勤電車などでトイレに行きたくなると困ってしまいます。

体質を少しでもよくする養生方法はありますか?

湿度を嫌う胃腸。海に囲まれた日本では胃腸が弱りやすい

中医学では胃腸のことを「脾(ひ)」と呼びますが、日本人は胃腸が弱い人が特に多い民族と言われています。

*以降、わかりやすく「脾」を「胃腸」とします

胃腸を弱らせる大きな原因として

①湿気(外湿)

②飲食物(内湿)

があると言われます。

外湿と内湿についてくわしく解説します。

①外湿

中医学では胃腸は湿度を嫌う性質があるとされます。

日本は国土の周りを海に囲まれているので、ほかの国に比べて湿度が高くなります。

その結果、湿度を嫌う胃腸が弱りやすい環境にあります。

特に梅雨や雨の日など湿度の高い日、海や川の近くに住んでいる人はより胃腸の調子を崩しやすくなります。

ただ、日本で生活していく上ではある程度避けては通れない環境でもあります。

②内湿

胃腸を弱らせる食べ物としては肥甘厚味(ひかんこうみ)+冷たい飲食物があるとされます。例えば、次のようなものがあげられます。

肥甘厚味とは

肥:脂っこい

甘:人工的な甘み

厚:濃い味付け

そう、唐揚げや焼肉、揚げ物、ピザなど、多くの人が好きな美味しい食べ物のことです。

さらにビールやジュース、アイスコーヒー、アイスティーなど暑い季節により美味しく感じる冷たい飲み物も胃腸を弱らせる一因になります。

つまり、夏の冷たいビールに唐揚げは…気分的には最高ですが、胃腸としては最悪の組み合わせになります。

③気滞

さらにご相談者は通勤電車に乗るとおなかの調子が悪くなるということなので、ストレスによる影響(気滞)も受けやすい状態にあります。

3つのタイプの主な症状

それでは、上記の①~③それぞれの影響を受けている症状も見ていきましょう。

①外湿でよくみられる症状

□頭や体が重だるい

□むくみやすい

□ジュクジュクした皮膚トラブル

□おりものが増える

□雨の日や梅雨になると体調不良の日が増える

内湿によくみられる症状

□肥満もしくは水太り

□雨の日や梅雨の時期に体調が悪化しやすい

□大便が便器にこびりつく

□睡眠の質が悪く、夢が多い

□ニキビや吹き出物が多い

また、内湿が溜まりやすい人の特徴は下記があげられます。

□美味しいもの、冷たいもの物が大好き

□飲み会が大好き

□運動はあまりしない、苦手

□夕食の時間が遅くてもがっつり食べる

□無理して多くの水を飲んでる

③気滞でよくみられる症状

□イライラしやすい、ストレスが多い

□頭痛(特に頭の横)が多い

□のどのつまりを感じる

□胸や脇、お腹が張る

□気分にムラがある

胃腸の弱りを改善するおすすめ養生法

では、それぞれの症状を改善していく養生法をご紹介します。

①外湿の養生法

写真=本人提供

・紫蘇、もやし、春雨、冬瓜、小豆、はと麦、緑茶、コーヒーなど利水作用のある食材を意識して摂る

・ストレッチやヨガ、ウォーキング、ランニングなどで体を動かし、軽く汗をかくようにする

・半身浴や岩盤浴、温かいお風呂などにゆっくりつかって汗をかいて、湿邪を外に追い出す

・換気や除湿器を活用して、室内に湿気を溜めないようにする

≪おすすめのツボ≫

陰陵泉(いんりょうせん)

イラスト=本人提供

ふくらはぎの内側、指で内くるぶしから骨の際に沿って上がっていき、膝の下あたりで指が止まる場所にあります。

親指で痛みを気持ち良く感じる強さで1日2~3回、1回につき5回程度呼吸と共に押しましょう。

②内湿の養生法

写真=本人提供

・かぼちゃやトウモロコシ、豆類、大豆製品、山芋など胃腸を元気にする食材を意識する

・ストレッチやヨガ、ウォーキング、ランニングなどで体を動かし、軽く汗をかくようにする

・冷たい飲食物は控えめに、水も必要以上に摂り過ぎない

・服装などで身体を冷やさないようにする

≪おすすめのツボ≫

足三里(あしさんり)

イラスト=本人提供

膝のお皿の下から指4本下、スネのすぐ外側にあります。

親指で痛みを気持ち良く感じる強さで1日2~3回、1回につき5回程度呼吸と共に押しましょう。

③気滞の養生法

写真=本人提供

・みかんやレモンなどの柑橘系、パクチー、ミント、紫蘇、ジャスミン茶、ハーブティーなど自分の好きな香りのよいものをとる

・ストレスは溜め過ぎず、こまめに発散する

・予定はギュウギュウに詰め込まず、ゆとりのある生活を心がける

・頭を揉んで、気を巡らせる

・体の横側を伸ばして、ストレッチする

≪おすすめのツボ≫

太衝(たいしょう)

イラスト=本人提供

足の甲、足の親指と人差し指の骨が交差するところの少し前の凹んだところにあります。

少しツンとする強さで1回につき5回、それを1日2〜3回、呼吸と共に押しましょう。

日本で生活していくうえで胃腸は弱りやすい環境にあります。

胃腸の弱さを改善していくにはコツコツと養生を続けることが大切です。

まずは湿度の調整と、食べ物、飲み物の見直しからはじめましょう。

飲食物に気を付けるだけでも胃腸の調子は大きく変わってきます。

たまには自分を甘やかす日もいいと思いますが、普段はあっさりした味の温かいものを意識してとるようにしましょう。日本人には和食もすごくおすすめです。

よく噛んで、美味しく食事をして、元気な胃腸を手に入れましょう。

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