みなさんに共感してもらえるかはわかりませんが、「アーティストと健康」というテーマにおいては、私には何よりも喉が重要です。
私はHONEBONEというフォークデュオで歌を歌っていて、公開中の映画『リスタート』では歌手役で演技にも初挑戦しています。
歌以外にもトークライブをしたりするので、喉が不調だと仕事が成り立たない。極端なことを言うと、喉が使えなくなったらその日からご飯が食べられなくなってしまうのです。
目覚めたときに喉にピリつきを感じると、不安のあまり一瞬で飛び起き、試しに声を出してみます。単に乾燥ならいいけれど、そうでないとなると、そこからの1日は憂鬱になります。
そう、喉の不調はメンタルにも影響するのです。実は、喉自体よりもメンタルの問題の方がめんどくさいともいえます。ライブ本番1分前までお湯を飲んだり、喉が枯れていても成功した過去の仕事のことを思い出したり、ボイストレーナーの先生に「今日喉枯れてるんだけどどうしよう」とLINEして気持ちを落ち着けなければならなくなります。
アーティストの私が実践しているおすすめ喉ケア3選
もちろん、そんな情けないことにならないように日々できるだけの対策はしています。
私の場合は仕事柄かなり極端だと思いますが、誰しも喉が痛いと日々の生活が不便になることはあると思います。そんな人に私が実践している方法が少しでも参考になればうれしいです。
対策①:飲み会で大声を出さない
大昔、一度ハデに喉をつぶしたときに病院で「エミリさん飲み会によく行くでしょ?」と指摘されたことがあります。先生いわく、うるさいところで声を張り上げて喋るのが一番喉によくないとのこと。確かにその当時は失恋のショックでよく飲み会に行っては大声で泣きわめいていました…。
その後はまず飲み会の店選びに気をつかい、なるべく個室でガヤガヤしていないところを選ぶようになりました。また、極力声を張らないように喋るよう気をつけています。寂しいことにコロナ以降はそういう機会自体がないわけですが。
対策②:湿度調整
家では加湿器をセッティングしていて、特に冬場は常につけっぱなしです。困るのはツアーなどで泊まることになるホテルの部屋。ホテルは乾燥していることが多いので、必ずフロントで加湿器を借り、事前に調べて加湿器がなさそうな場所には持参することも。それでも乾燥がひどいときには、熱湯に浸したタオルを干して、室内の湿度が低くならないようにしています。
対策③:なによりも睡眠
喉にかぎらず、全ての不調の原因はいい睡眠がとれていないことだと私は思っているので、夜更かしはNG!特に用事がなければ23時までにはベッドに入るように心がけています。
ただ、もちろん仕事柄、夜遅くまで動いていないといけないこともあります。そんなときには熱いお風呂につかってから「今から寝るぞ!」と寝る準備を整えて寝ます。
疲れた身体を癒さないままベッドに倒れこむのは確かに気持ちいいんですが、翌朝に倦怠感が残ってしまう気がするからです。朝の自分のために夜ちょっとだけ頑張ること。つらいけれど、結果的にはこれが1番いいと思っています。
ちなみにこれも旅先での話ですが、私は体温調節が苦手なので、どんな素材かわからないホテルの寝巻きは使わず、必ず自前のパジャマを持っていくようにしています。
腰痛対策もバッチリ
これは「アーティストとして」というよりは年齢の問題だと思うのですが、30歳をすぎてから腰痛が出てしまうことが多くなりました。特に雨季の時期はひどくなります。
ツアーに行くときの移動は車で、最近では映画のプロモーションで飛行機や電車に乗る機会も多くあります。雨季と長時間移動のダブルパンチで、特に今年の5~6月は腰痛に悩まされました。
踊ったり激しく動いたりするタイプのアーティストではない私でも、腰はやはり体の中心。腰が痛いと力も入らないし、喉ほどではないにせよ当然パフォーマンスに影響が出てしまいます。
この腰痛を軽減させるために、まずコルセットを買ってみました。ツアーの車で長距離移動するときにつけると、割と腰痛は軽減されています。
さらに、先月ちょっとお高いマットレスを買いました。今のところめちゃくちゃ効果を感じているので、しばらくは家ではマットレス、移動中はコルセットの2段構えで対策しようと思っています。
もし腰痛でお悩みの人がいたら、寝床を見直すことがおすすめです。睡眠環境はやっぱり大事。
すぐに病院に行くことがいちばん
昔から私は体の不調をそのままにできない癖があり、「なんかダルいけど寝てれば治るかな…」ができません。今回は「アーティストとして生きる上での身体の悩み」というテーマで喉と腰についての悩みと私なりの対処法をあげましたが、私が行っている最大最強の対処法はすぐに病院に行くことです。
少しでも不調だと感じたら、最優先で病院の予約をとるようにしています。長距離移動をした日は、そのときは疲れていなくても翌日身体が重くなることがわかっているので、必ず整体に行っています。
ライブ1本1本や撮影ひとつひとつが真剣勝負で、ミスをしたらお客さんが減ったり、次に呼んでもらえないかもしれない環境で働いているので、常に100%の自分を出せるようにいろいろと手を打っています。
正直、必要経費と割り切ってはいますが、お金は結構かかります。特にマットレスは高かったです…。実はこの出費の多さがアーティストとして生きる上での一番の悩みだったりして…。