生理用ナプキン「エリス」を展開する大王製紙が、世界中の女の子の自立を目指し、2018年から実施している「ハートサポート」プロジェクト。

4回目を迎える2022年度は、これまで実施してきたSNSでのアクションで支援できるキャンペーンに加え、「オリジナル支援販売機」を設置して寄付を募っている。

この自動販売機から集められた寄付金はアフリカ・ザンビアに住む女性たちの布ナプキンの材料費として届けられる。

東京・渋谷にあるMIYASHITA PARKの屋上に設置されたハートサポートの寄付用の自動販売機

生理を理由に夢を諦めない社会を

日本でもコロナ禍をきっかけに表面化した「生理の貧困」。経済的な理由で生理用品が買えなかったり、生理に関する知識が不足していたりと、さまざまな問題がこの状況を引き起こしている。

サポートの輪が広がってはいるものの、世界では生理用品を必要としている人へ十分に行き届いているとは言えない。

アフリカ・ザンビア共和国には、生理用品を購入できずに不衛生な布切れや紙をナプキン代わりに使用し、においや経血の漏れが心配で学校に通えない女の子たちがいる。

「生理を理由に、夢を諦めない世界の実現」をコンセプトとするハートサポートが目指すのは、女性が自立して生活できる環境を整え、生理に対する意識を変えていくこと。

一時的な支援ではなく、繰り返し使用できる布ナプキンの作製支援や生理の情報提供、カウンセリングなどを行い、現地に寄り添ったサポートをしてきた。

2021年度は、支援の拠点として「コミュニティースペース」を現地に開設。ここでつくられた布ナプキンの配布や販売を行うことで、布ナプキンを普及しながら、収入が得られる機会を生み出している。

2021年の取り組み:ザンビアの女の子に、「生理の貧困」から脱けだすきっかけを。SNSで参加できるSDGs支援「#ハートサポート 2021」

ハートサポートプロジェクトインタビュー:「生理用品が買えず学校に行けない」200万枚のナプキンをアフリカの女学生に届けてわかったこと

渋谷・MIYASHITA PARKに「オリジナル支援販売機」が登場

プロジェクトに寄せられた「もっと支援したい!」という声を反映し、MIYASHITA PARKにて開催される『MIYASHITA CULTURE PARK~NEW STAGE~ 』の会場内に、オリジナル支援自動販売機が設置された。

500円(布ナプキン1枚)・1,000円(布ナプキン2枚)・2,000円(布ナプキン4枚)の支援を、布ナプキンの材料費としてザンビアに届ける仕組み。自動販売機で寄付をすると、お礼としてオリジナルのエコバッグが受け取れる。

自動販売機で寄付を募ることで、手軽に支援ができる。リアルな場で、ザンビアの女性が抱える生理の悩みを知ってもらうきっかけ作りの側面も持つ。

ハートサポートの担当者は、ザンビアの女の子が抱える生理の問題やプロジェクトの存在をより多くの人に知ってもらうために、MIYASHITA PARKでの展開を決めたと話す。

「MIYASHITA PARKで開催しているイベント『MIYASHITA CULTURE PARK ~NEW STAGE~』の若者を応援したいという思いと、ハートサポートの思いが合致し、同イベント内での出展を決めました。若い世代は他年代と比較しても社会貢献意識が高いと感じます。ひとりでも多くの方にご協力いただくためには、若い世代への認知を拡げることが大切だと考え、若い力が集まる渋谷に決めました」

昨年に引き続き、SNSアクションを通じた支援も実施している。「#エリスハートサポート」のハッシュタグとともに、ザンビアへの応援メッセージを投稿すると、1投稿につき布ナプキン1枚の作製費が届けられる。

昨年は、2週間で上限の3,000枚を達成し、投稿されたメッセージが書かれた横断幕を受け取った現地の女性たちからは、「勇気をもらった」と喜びの声が上がったそう。

今年度は上限を5,000枚に増やし、引き続きユーザーからの投稿を募っている。担当者によると、すでにハートサポートに対するポジティブな意見や感想が寄せられているという。

「Twitterキャンペーンでは、ザンビアの女の子へのエールや『こんな状況があるなんて知らなかった』など、さまざまなリアクションが届いています。また、支援自販機に賛同の声も多く、『期間限定ではなく、通年で設置してほしい』『全国で展開してほしい』といった意見をいただいており、支援の輪の拡がりを実感しています」

現地の状況を知り、支援に参加するきっかけに

オリジナル支援販売機が設置された初日に、自販機で寄付をしていた男性に話を聞いた。

「自動販売機でザンビアの女の子の状況を知って『ぜひ支援をしたい』と思いました。取り組みや実情が知られていくことは大切なことだと思う。機会があれば、こういった寄付を積極的にしています。

ただ、自分はエコバックは必要ないので、エコバックをもらわずとも寄付できるようにしてほしいなと思いました」

より多くの支援を集めるには認知拡大のための情報発信が不可欠ではあるものの、対価を求める支援ではなく、本質的な支援をしたいと考えているという声は、ハートサポートが目指す支援の理念と重なる。

実際に会場では、寄付はしないものの、幅広い年齢層の人々が足をとめてメッセージを読む姿がみられた。

まずは、オリジナル支援販売機やTwitterから、情報を知り、自分にあった方法で手軽に支援ができるように。ハートサポートの取り組みが、ザンビアで生活する女の子たちの状況を伝え、支援の一歩を踏み出すきっかけとなるだろう。

<「オリジナル支援販売機」概要>

期間:2022 年3月5日(土)~3 月18日(金)

場所:『MIYASHITA CULTURE PARK~NEW STAGE~ (仮)』会場(渋谷区立宮下公園内)

<「布ナプキン作製支援」(SNSアクション支援)概要>

期間:2022 年 2月1日(火)~3月31日(木)

支援先:ザンビア共和国 ルサカ市のスラム街(ジョージ地区)

アフリカ・ザンビアの女の子を応援する「ハートサポート」

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