はじめての生理は女の子の多くがたどってきた道。2019年原宿、渋谷、池袋、銀座、新宿、北海道、名古屋、大阪など全国各地15箇所以上で開催した吸水型サニタリーショーツ「ムーンパンツ」のポップアップショップで、「子どもにプレゼントしたい」「生理のことを伝える機会にしたい」というお母さんたちの声をたくさん聞いてきたといいます。
そこでムーンパンツは2020年9月9日に、ブルーとピンクの新色と、ジュニア向けのセット商品「DREAM PASSPORT SET」の発売を開始しました。不安な気持ちや不快感を少しでも減らすために作られた、生理について学べる本とムーンパンツのスターターセットです。
誕生の背景にあったもの、これからの世代の女の子たちへの想いを詳しく聞きました。
ーー各地で開催したポップアップショップで、お母さんたちからは、どのような声が寄せられたのでしょうか?
生理が始まるタイミングは人それぞれ。小学生から始まる子も中学生から始まる子もいます。
お母さんたちからは、娘さんの「小学校へナプキンを持っていくことが恥ずかしい」「ナプキンを持ってトイレに行くのが恥ずかしい」という悩みをよく聞きました。
恥ずかしいという思いに加え、交換のタイミングがわからなかったり、部活や遊びに集中して交換のタイミングを逃してしまったりすることもあるようです。娘の洋服やパンツに血がついているのを見て初めて「いま生理だったんだ…」と気づくという話も。
お母さん自身も過去に同じような失敗を経験しているからこそ「娘には同じ思いをしてほしくない」という声も多かったです。
ジュニアセットが出る前から、娘さん用にムーンパンツを購入される方もいました。
ーージュニアセットに同梱されている、生理について学べる本はどんな内容ですか?
イラストでわかりやすく解説した生理のしくみや、はじめての生理にまつわるエピソードなどを掲載しています。教科書のように堅苦しい表現ではなく、事実を伝えながらも身近に感じてもらえるような、気軽に読める内容を目指しました。
ーーリリース後の反響はいかがですか?
西武池袋本店で開催したポップアップショップと、大丸梅田店にある直営店舗MOONDで先行販売を行ったところ、「これから生理を迎える娘や親戚へのプレゼントにしたい」とご好評をいただきました。オリジナルポーチや生理について学べる本が人気で、プレゼント用ではなく自分用に購入される大人の方もいらっしゃいます。
ーースターターセットに込めた思いや、こだわった点を教えてください。
ジュニア向けセットの中にも、女性を肯定しエンパワメントするフェミニズムやシスターフッド(女性同士の連帯)のメッセージをしっかりと入れることにこだわりました。オリジナルのステッカーとポーチにも関連する言葉が書かれています。
誰もが経験したことのある、生理中の失敗や不快感。ムーンパンツなど新しい生理用品の選択肢ができてから、それは当たり前ではなかったことに気づかされました。一生で平均約450回もの生理を迎える現代の女性には、いかに生理の負担を減らせるかというのはとても重要なことだと思います。
これからの世代には、既存の生理用品だけでなく吸水ショーツや月経カップなどの新しい生理用品もうまく使って、もっと自由に人生を楽しんでほしいです。
タンポンが女性の人生を解放したように。使い捨てナプキンが女性の選択を大きく広げたように。
新しい世代の彼女たちのためにも、新しい生理用品があるのが当たり前という状況になるよう、今後もブランドとして努力していきたいと考えています。
ーームーンパンツの販売開始から、吸水ショーツの市場は大きく成長しました。この変化をどのようにご覧になっていますか?
2019年の夏にムーンパンツを発売してから、吸水ショーツのブランドが次々と登場し、選択肢が増えて大変嬉しく思っています。選択肢が増えることで吸水ショーツへの注目度もさらに上がり、シェアも広がっていくからです。ほかのブランドと一緒に、この分野を盛り上げていければ嬉しいです。
数ある化粧品の中からお気に入りを選ぶように、さまざまな吸水ショーツの中からお気に入りを見つけられるような社会になればと思っています。