生理前や生理中は、PMSや生理痛で心も体もお疲れ気味の方が多いのではないでしょうか?
アロマやハーブティーといった植物の香りは心と体に優しく働きかけ、イライラや不安・心身のリラックス効果が期待できます。
今回は数あるアロマとハーブティーのなかから、研究論文や筆者の実体験により厳選した5つをご紹介します。
生理前・生理中におすすめのアロマ精油3つ
1.ラベンダー
アロマだけでなくルームフレグランスや観賞用の花として人気のラベンダーは、鎮静と睡眠を促進させる働きがあります。関西医療大学大学院の研究によると、自律神経の交感神経の緊張を低下させ、副交感神経を優位にすることでリラックス・不眠・血圧降下・筋肉の緊張をほぐすなどの作用があるとされています。
また脳に気分を安定させるα波が増加し、リラクゼーション効果が高いという実験結果も報告されています。
爽やかでフローラルな香りが特徴で、生理前のイライラや不安・不眠・頭痛や生理痛の緩和に良いとされています。皮膚の炎症を抑える働きもあることから、ニキビや肌荒れに悩む女性にもおすすめです。
2.クラリセージ
クラリセージは女性特有の症状を緩和させる働きがあると言われています。
アロマの使用に関する実験で、生理前にクラリセージで芳香浴をした女性が「精神的に安定した」という研究結果が発表されています。妊娠後期や更年期女性に関する論文もいくつか発表されており、「女性ホルモンに関する不調にはクラリセージ」として知られています。
クラリセージの成分は「酢酸リナリル」と「リナロール」が7割程入っており、この2成分により主に鎮静・鎮痛・血圧降下・免疫調整が期待できます。
スパイシーで甘い香りがするため、女性ホルモンの影響で心地よいと感じる時期と不快に感じる時期があるようです。好みが分かれる香りでしょう。
PMSや月経痛・頭痛やイライラ、生理不順などを感じる方は一度試してみてはいかがでしょうか?
3.ゼラニウム
ゼラニウムも女性ホルモンに働きかける精油として知られています。香りはローズに似たフローラルな香りで、化粧品や香料に使用されています。
成分は「ゲラニオール」「シトロネロール」「リナロール」が含まれており、「ゲラニオール」は皮膚を柔らかくする、弾力を回復する「美肌」が期待できます。「シトロネロール」は鎮静やリフレッシュ、リナロールは血圧降下や不安を和らげる働きがあると言われています。
クラリセージと同じく女性ホルモンに影響を与える研究結果があり、香り刺激により体内の「エストロゲン」が増加したと発表されています。
希釈したゼラニウム精油と空気、または溶剤のみと空気を混ぜた気体をそれぞれ20分間吸入し、吸入の前後で唾液中のエストロゲン濃度が増加しました(参考:AEAJアロマの研究・調査)。
女性ホルモンの1種である「エストロゲン」は皮膚のターンオーバーを促進し、動脈硬化を防ぐ働きがあります。更年期になるとエストロゲンが不足するため、ホルモン補充療法が行われます。生理中・生理前の不調だけでなく、更年期の女性にもゼラニウム精油はおすすめです。
アロマを混ぜて利用する際は香りの相性が気になるところですが、上記で紹介したクラリセージ、ゼラニウム、ラベンダーはすべてフローラル系で香りの相性が良いです。
「月曜は憂鬱だからゼラニウムとラベンダー」など、香りの組み合わせを楽しんでみましょう。
生理前・生理中におすすめのハーブティー
続いては生理前・生理中におすすめのハーブティーを、実際に飲んだ感想とあわせて2種類ご紹介します。
4.カモミールティー
カモミールはキク科で白い小さな花が咲くハーブで、和名は「カミツレ」です。カモミールには「ローマンカモミール」「ジャーマンカモミール」「ダイアーズカモミール」等の種類がありますが、ハーブティーでは主に甘い香りでクセのない「ジャーマンカモミール」という品種が使われています。
カモミールはラベンダーと同じく自律神経の副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせ、安眠に良いという研究結果があります。生理前で眠れない時や不安になるなどのPMS症状が現れた際には、カモミールティーを飲んでみましょう。
また胃薬の成分にもなっているアズレン誘導体という物質を含有しており、食べ過ぎや吐き気等胃の不快感に良いとされています。アズレン誘導体はうがい薬にも含まれており、咽頭炎、口内炎、扁桃炎などに効果があるとされていますので風邪の引き始めや喉が痛い時にカモミールティーでうがいをしてみると良いでしょう。
体を温める作用があり、冷え性や貧血の緩和にも期待できます。リンゴのような甘い香りが特徴で、クセがなく飲みやすい味です。
5.ゾネントアのオーガニックハーブティー
ゾネントアのオーガニックハーブティー「女性のためのお茶」には、シナモン・フェンネル・レモンバーム・コリアンダー・オレンジが含まれています。シナモンは生薬として漢方薬にも用いられ、多くのフラボノイドを含んでいる為抗酸化作用で老化・シミ・しわに働きかける、アンチエイジング、ストレスの緩和が期待できます。
フェンネルは利尿や発汗や女性ホルモンの活発化、レモンバームは落ち込みや精神の昂りを抑え、不眠や生理不順に良いとされています。
コリアンダーはデトックスや偏頭痛の緩和が期待でき、オレンジはビタミンCが豊富でリラックスに良いと言われています。
実際に飲んでみたところ、コリアンダーの特徴的な香りにオレンジやレモンバームの爽やかな香りが混ざり合いどこか懐かしく鼻に自然とスッと入ります。
カップにティーバッグと沸騰したお湯を入れ、5~10分経ってから飲みましょう。農薬や化学肥料を使用していないということで、雑味がなく飲みやすいお茶です。飲んだ後は、ジンジャーの効果で体がポカポカ暖まる感じがしました。
冷えを感じやすくナーバスになりがちな生理前や生理中におすすめの一品です。
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アロマやハーブティーは香りで好みが分かれるので、自分で心地よいと思える香りのものを使用しましょう。今回の記事で少しでもアロマやハーブティーが気になった方はぜひお試しください。