写真=本人提供/Laundry Box

チョコレート、スナック菓子、キャンディ、パンなど、無意識のうちに次から次へと手が伸びて、「あれ?もう無くなっちゃった!」と感じること、ありませんか?

その割には満足感がなく「何だか物足りない」と感じて、気づいたら暴飲暴食していたことも、あるかもしれません。

そんなとき、「味が好きだから、つい食べ続けてしまうんだ」と思いがちですが、もし「あれがないと落ち着かない!」というほど、特定の食べ物にハマったり暴飲暴食するとしたら、その裏には実は別の欲求が隠されているかもしれません。

キャンディに依存していた理由は仕事が嫌いだったから

「大好きな食べ物」について、私のエピソードをご紹介します。

21歳の頃、オフィスワークをしていた私は、当時大好きだったチョコミント味のキャンディを、仕事をしながらずっと食べていた時期がありました。

文字通り「仕事をしながらずっと食べてい」て、ひとつ舐め終わると、すぐに次のひとつを口に入れ、本当に「ずっと絶え間なく」キャンディを口の中に入れているほどでした。

ちなみにそのキャンディは、コンビニやスーパーなどでは販売しておらず、特定の輸入雑貨店でしか買えないレアな商品。なくなるとそわそわして落ち着かなくなるので、売っているのを見つけるとまとめて買ってストックしておくのが常でした。

1日の業務が終わる頃、デスクの横に置いていたゴミ箱が、そのキャンディの包み紙でいっぱいになっていたこともあります。ゴミ箱を共有して使っていた隣の席の先輩には「え!?こんなにキャンディ食べて大丈夫?」と心配されましたが「このキャンディ美味しくて!」と純粋な気持ちで答えていました。

先輩が驚いたように、客観的に見ると「大好き」というより、もはや「依存レベル」だったのですが、なぜ私が仕事中あんなに異常なほどキャンディにハマっていたのか、今ならわかります。

答えはとてもシンプルで、やっていた仕事が嫌いだったのです(笑)。

キャンディだけが癒しを与えてくれる存在だった

当時私が携わっていた仕事は、とあるサービスのカスタマー業務。

業務のうちにクレーム対応があり、メール対応がほとんどでしたが、ときには電話で理不尽に怒鳴られたりイライラをぶつけられたり、ネガティブな気持ちに晒されることが頻繁にあり、常にストレスを感じていました。

仕事だと割り切って対応できる人もいますが、当時の私には、それがとてもプレッシャーでたまりませんでした。

元々は自分が望んでその業務に就いたわけではなく、休職する社員の代わりに他の部署から異動させられたという経緯もあり、「こんなはずじゃなかったのに」「元いた部署に戻りたい」という思いから辞める決断もなかなかできませんでした。

ストレス過多になり、心では「辞めたい」と感じていたものの、意識では「辞めちゃだめだ」と抑え込んでいた状態です。

毎朝、体を引きずるように布団から出て会社に行き、「今日は嫌なお客さんに当たりませんように」と願いながら、いつも苦しい気持ちで定時になるのを待ち、金曜日までやり過ごしていました。

そんな仕事中に、甘くて爽やかなチョコミントのキャンディだけは私を癒してくれるような存在だったのです。

砂糖依存という言葉もあるほど、甘いものには依存性があります。だから繰り返し欲するようになりますし、「大好きなキャンディ」の裏には、そうした自分の感情への抑圧がありました。

今思えば、毎日同じ場所に行ってじっと座って行うオフィスワークという働き方自体も私に合っていませんでした。

また、当時の私は過食症でもありました。

自分の心が苦しくなる生活スタイルに無理矢理あてはめようとしていたから、キャンディや過食という形で歪みが出ていたのかもしれません。

食べることで満たそうとしている欲求が何か?に気づく

画像=本人提供

自分の体に対する捉え方が変わり、嫌な仕事も辞め、過食症から回復したあとは、食べ物との向き合い方がわかるようになりました。

いくら好きなものでも、食べ進めていくうちに「もういいや」「お腹いっぱい」と、飽きるときがわかるようになったり、「今はこれを食べる気分じゃない」「2口ぐらい味を感じたいだけ」という選択ができるようになったのです。

この経験から、もし異常なほど何かを食べすぎてしまうときに必要なのは、自分を責めたり、無理やり食べ物を隠して禁止してしまうことではないと学びました。

まず自分が、食べることを通して本当はどんな欲求を満たしたいのか、また何を我慢しているのかに気づくことです。

過食症のときに、大好きだと思ってよく食べていたチョコミントのキャンディや菓子パンは、今の私にとって「食べても満たされない、なんだか虚しいもの」になっています。禁止しているわけではありませんが、積極的に食べたいものではなくなりました。食べ物に対する価値観が変わったからです。

本来であれば、大好きな食べ物を食べることは幸せなことのはず。

でも、「あ〜美味しかった!幸せ!」で終わらず、食べても食べても心が満たされなかったり、体が重たくなるほど食べすぎていたり、逆に自己嫌悪に陥ってしまうときは、自分の「好き」を疑ってみる。そして、本当は自分がどう感じているのか、耳を傾けてみてあげてください。

*本記事は内容は個人の体験による見解です。過食や拒食などにより、心身の不調が続くようであれば、医師や専門家への相談をおすすめします。

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