現在アメリカ滞在中。せっかくならば日本で買えない生理用品を試してみたい!
ということで、以前から気になっていた「August」の生理用品を購入しました。
「August」は、以前ランドリーボックスでも取材したことのあるナディア・オカモトさんにより創業された、生理についてオープンに話せるコミュニティ作りにフォーカスしたアメリカの社会的企業。
ナディアさんは、自身の家族が一時的にホームレスになった際、生理用品にアクセスできなかった人々を目の当たりにした経験から16歳で「Period.」という非営利団体を立ち上げ、ハーバード大学に通いながら「生理の貧困」問題に取り組んできた活動家です。
そんなナディアさんが「Period.」の代表を去り、新しく立ち上げた「August」の生理用品はどんなものなのか?そこに込められた思いとは何なのか?
くわしくレビューしていきます。
「自分専用」の生理用品セットが届く
私が試したのは「BUILD A BOX」。
「タンポン」「ナプキン」「パンティーライナー」の3カテゴリーの中から、それぞれ「夜用」「昼用」など吸水量を選び、個数も欲しい分だけ選べます(※全ての商品の合計で20Unit以上頼む必要あり)。
つまり、自分好みの生理用品セットを作れるサービス。単発または、サブスクとして継続注文することができます。
私は単発で各種オーダーし、届いたのがこちら!
段ボールを開けてすぐに目に飛び込んできたカラフルな商品たち。
この時点で、もうテンションが上がります!
取り出してみると…
おしゃれ!!!
裏返してみると…
か、かっこいい…!!!
生理用品と知らなければ、なんの商品だろ?とワクワクしそう。
こうやって並べておくだけでも絵になるパッケージ。
パッケージで特に気に入ったのは、各商品の箱に何用なのか書いているところ。
個人的にこの生理用品は、パッケージのままトイレに置いておきたい。
並べて置いたとき、どれが何用なのか一瞬でわかるのは嬉しいポイント。
さあ、箱を開けてみるぞ。中身はどうなんだろう?
開けてみると…
シンプルだけど、パッケージロゴの柄がかわいいのでおしゃれに見えてしまう不思議さ。
外装がかわいいのはわかったものの、やはり重要視したいのは中身です。
実は、以前アメリカのナプキンを使用したときに、がっかりした経験があります。
それは、着用感。
日本の生理用ナプキンに慣れていたので、夜用を履いたときに「薄くない!?!?」と、なんだか心もとない気持ちになったことを覚えています。
ふわふわ感、フィット感というものがなく、ただの薄い紙1枚をはさんでいるような感覚。
敏感肌の私はすぐにかぶれとかゆみが出てしまったんです。夜用を使用した際、ムレのせいなのかお尻がかゆくなり、不快感でぐっすり寝れなかったことも。
そんな経験があったので、「今回はどうなんだろう?」と、ちょっとどきどきしながら注文しました。
肝心の着用感は….?
「August」の製品が届いたのは、生理3日目で少し経血量が落ち着いていたときだったので、まずナプキンのREGULAR(普通の日用)を試してみました。着けてみると…
「あれ、なんかやわらかいぞ?」
以前アメリカで購入した他の生理用品で感じた不快感は一切ありません。
とくに厚みがあるわけではないものの、履いてすぐ出た感想が「このナプキンやわらかい!」でした。
吸収力も問題なく、着用後にベタつく感覚もなし。いい!
次に試したのはタンポン。
今回は、LIGHT(軽い日用)とREGULAR(普通の日用)を購入しました(あともう1種類、SUPER(多い日用)があります)。
アプリケーターの直径は、普通の日用の方が少しばかり長いものの、どちらも人差し指のサイズくらい。
すでに経血量が少なくなっていたので軽い日用を使用。ふだんはタンポンが苦手なのであまり使いませんが、アプリケーターのおかげでスルっと問題なく挿入することができました。
コップの水で吸水を試してみましたが、たしかにREGULARの方がずっしり感があり、より吸水してくれたみたいです。
ライナーは、生理終わりかけの時期に使用。
こちらも肌にやさしい着用感!!肌にやさしそうな材質なの、写真で伝わりますか?
表面のシート、本当にさらさらでやわらかいんですよ…!
私は敏感肌で、ナプキンを使用するとかぶれやかゆみに悩まされることが多く、最近はもっぱら吸水ショーツユーザー。ライナーはほとんど使ったことがありませんでした。
でも、今回「August」の生理用品を使用したとき、一度もかぶれやかゆみに悩まされることがありませんでした。これは本当に嬉しいポイント!
先入観なしに試してみたかったので、ナプキンの素材などの特徴はくわしく確認していませんでした。
使用後に公式サイトをじっくり読んでみたところ、「August」の製品は、利用者、環境、未来のことをかなり考えて作られているのだとわかりました。
わずか12カ月で分解される環境にやさしいナプキン
「August」のサイトによると、取り扱っている全ての生理用品には化学薬品、農薬、香料、ポリエステル、レーヨン、染料などを使用せず、100%オーガニックコットンが使用されているとのこと。なんとタンポンの紐までも!
またタンポンのアプリケーター部分も有害物質の出ないBPAフリープラスチックで、リサイクル可能な材質が使われています。他のタンポン製造企業よりも多くの認証を受けているのだとか。
関心したのが、ナプキンへのこだわり。ほとんどのナプキンは分解されるまでに500-800年かかるそうですが、「August」のナプキンは生分解性なので、たったの12カ月間だけで分解されるそう。
低刺激性ということなので、もしかしたら敏感肌の私が今回かぶれやかゆみなどの症状がおきなかったのも、環境にも肌にもやさしい原材料で作られていたからかもしれません。
徹底された情報の「透明性」
公式サイトを見てさらに驚いたのは、製造過程がかな〜りくわしく書かれていること。
生理用品の原料であるオーガニックコットンの原料をどこで手に入れているのか、ナプキンやタンポンがどの国でどのように作られているのか、配送の仕組み、カーボンニュートラル(*)企業になるための工夫、さらに生産者への待遇などがしっかりと明記されていました。
(*カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)
「August」は、環境に配慮していると見せかけているだけの「グリーンウォッシュ」企業を批判していますが、自分たちの製品の情報を全てオープンにすることで、その意志を強く表明していると感じました。
「タンポン税」や「生理の貧困」問題を解決するために
生理用品だけではなく、生理にまつわるあらゆる問題に取り組んでいる「August」。
アメリカの一部の州で生理用品に課税されている「タンポン税」への対抗として、その地域の購入者の税金を負担しています。
そして、購入者はオンラインでの決済時に、生理用品の寄付、海からプラスチックを取り除く活動への寄付など、4つの選択肢から自分が支援したい活動に寄付をすることができます。追加費用はありません。
相談できて、正しい情報にアクセスできるコミュニティも運営
「August」が運営するオンラインコミュニティは2つ。
「#InnerCycle」は、自分の悩みや意見を語り合える場で、多くの学生が参加しているようです。
もう1つの「#AskAugust」は、生理に関連するさまざまな質問に、医師をはじめとした専門家の回答が集まったデータベースで、無料で誰でも閲覧でき、学ぶことができます。
ひとつのプラットフォームで、自分の悩みを相談し、解決できる情報にアクセスでき、サステナブルな生理用品を購入することができる。
そして使用することで、環境問題や生理の貧困問題などを解決するコミュニティの一員にもなっているのです。
これは、人にも環境にも良い循環が起きているのではないでしょうか?
全ては、サイトに掲げてあったこのミッション。
「To eliminate period stigma and democratize access to period care
(生理の偏見をなくし、生理のケアへのアクセスを民主化するため)」。
これを、「August」のコミュニティ全体で達成しようとしているのだと感じました。
代表ナディアさんのカリスマ性
「August」の盛り上がりを語る上で欠かせないのが代表ナディア・オカモトさんのカリスマ性。
InstagramやTiktokで、生理の偏見を無くすためにさまざまな方法で発信しているナディアさんの投稿は、ときに驚くものもありますが、「生理のタブーを破る」という強い意志が伝わる投稿ばかりです。
Z世代を中心に盛り上がるこの団体は、生理の新たな価値観を作っていくに違いないと思います。
今後も「August」の製品、そしてナディアさんの活動に注目していきたいです。
「August」の動画レビューや、他のアメリカの生理用品も動画で紹介しているので、ぜひこちらも見てみてください!