現在、和歌山県にある私立高校に通っている、高校3年生のまる(ペンネーム)と申します。
私は、日本の公共施設のトイレに生理用品が置かれ、無償で利用できる社会の実現を目指して署名活動をしています。そして、日本人が持つ「生理」に対するタブー視をなくすことも、目標のひとつに掲げています。
生理も自然現象なのになぜ?
ちょうど1年前、いつものようにトイレを使っていてふと疑問に思ったことがきっかけです。
その疑問とは
「トイレットペーパーはトイレに設置されていて当然なのに、なんで生理用品は置かれてないの?」
トイレで用を足すことと、生理が来ることは自然現象であるため、生理用品もトイレットペーパーと同じように無償で使えて当然なのではないか、と直感的に思ったのです。
また同時に、「(生物学的に見た)男性が生理に関して無知すぎる」とも感じました。
そこで、私は生理用品や生理についての知識を網羅しようと決意しました。まずは、男性が生理について知らないこと、勘違いしていることで起こる問題について調べました。
その結果、災害時の避難所で、女性に生理用品を配給する際、生理に無知な男性により、生理用品が必要な方に配布されなかったというケースが多いことが分かりました。
男性に限った話ではなく、学校での性教育が足りない、正しく行われていないなどの理由から身体について相談できる環境が整っていないケースもあります。
生理だけでなく、ピルや避妊の話、病気についても全員が知る必要があると思っています。
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、経済的理由で生理用品を購入できない学生もいます。また父子家庭などの家庭環境では、生理用品の必要性が正しく理解されず、困っている人も実在します。
公共施設のトイレに生理用品が置いてあり、無償で使えたら、さまざまな理由で生理用品が買えない学生のサポートができたり、生理用品について知ってもらえたりするきっかけになると信じています。
通っている高校で生理用品を設置してもらえることに
すべての公共施設のトイレに適応することは難しいと思い、まずは私が通っている高校に提案したところ、生理用品をトイレに設置してもらえることになりました(新型コロナウィルスの影響で休校中につき、まだ設置は完了できていません)。
私が高校の職員会議に「学校のトイレに生理用品を置いてほしい」と要望を出したことがきっかけです。トイレットペーパーと同じであるべきなのでは?という考えを学校側に伝え、職員会議で議題にしてもらい、試験的に設置することが決まりました。
費用は学校側が負担しています。しばらくはお試し期間なので、これから先、持続できるかどうかはわかりません。今後もうまく活用できるようにと、開始時は「1週間につき1人○個まで」といった制限を設けることになっています。ほかの女子生徒たちからも「学校に置いてあると生活しやすくなるから嬉しい」「安心感がある」などの声があがっています。
生理についてオープンな会話ができるようにしたいと思っているのではなく、生理があるすべての人が住みやすい社会を少しずつ作ることを目的に活動しています。
生理がタブー視されていることで生理休暇が取りづらいという人もいますし、当然「生理のことを人に伝えたくない」という人もいます。
いろんな人がいることを念頭に置いて、活動しています。
課題やニーズを調べて市役所に提案したい
今後の活動では、まずは公立の学校を中心に、生理用品が買えなくて困っている人がいるかどうか実態を知るためにアンケート調査をしたいと考えています。
また、実際に公立の学校で行われている保健体育の授業にも参加したいと思っています。
それらの情報と署名を集めたうえで、地元の市役所に「公共施設での生理用品の設置」を提案しようと考えています。
生理用品をトイレに設置することで起きる問題点は何か。その対策についても、考えている最中です。
すでに生理用品を設置しているお店や企業に、衛生面の管理、必要以上に持って帰ってしまうインモラルな人への対策やついて、ヒヤリングしたいと思っています。
もしも、不快に思う人がいるならば、その気持ちも大事にしなければと考えているため、まだまだ課題は山積みです。
一歩ずつ、実現に向けて歩んで行けたらと思います。ご賛同いただける方がいましたら、ぜひ署名にご協力をお願いいたします。
Change.org:「日本の公共機関のトイレに生理用品を無償で置ける環境にしよう!」キャンペーン
ランドリーボックスでは、「生理の貧困」に関する国内外の情報を集めています。自治体や教育機関、企業、団体などが取り組んでいる施策、無料配布が行われている地域など情報をお持ちの方はぜひ、こちらのフォームにご記入ください。