スカイマーク株式会社は、従業員向けに、卵子凍結・不妊治療の福利厚生プラットフォーム「Stokk(ストック)」の試験導入を開始した。国内企業としては初導入となる。
「Stokk」は、卵子凍結・不妊治療をサポートするサービス。産婦人科医や培養士・不妊カウンセラーなどの専門家が、子どもを持つ時期を検討する男女に対して、カウンセリングや提携クリニックの紹介、治療中・妊娠後のフォローなどを行う。
卵子凍結前後だけでなく、卵子凍結を利用しない従業員にも、日頃の体調不良や不妊治療中の体調を相談できるオンライン窓口が用意され、男女ともに利用できる。
「Stokk」を提供する株式会社ステルラによると、今回は、プロダクト開発と並行した試験導入としており、今後は提携クリニックの拡大とともに、ベータ版の構築を目指すという。
スカイマーク株式会社は、「より一層女性の働きやすい環境を整える」ことを目的とし、今回、試験導入に踏み切った。
スカイマークの広報担当によると、「従業員が長く安心して働ける環境づくりを整えるため、従業員の声も聞きながら検討を行っています。スカイマークは女性従業員の割合が多いこともあり、ステルラ社との連携を通じてなにか新しい取り組みができないか議論してきたなかで福利厚生のひとつとして導入しました」とコメント。全従業員を対象としており、正社員・契約社員・アルバイトスタッフを含むという。
ステルラは、「制度として産休や育休など妊娠した後の支援制度は整っている企業は多いですが、妊娠する前の女性のライフプランとキャリアプランの両立について真剣に向き合っている企業はまだ少ない。子どもがほしいと思った時に、“働くこと”と“産むこと”が天秤にかけられ、両立させることに不安を感じたり、不妊治療との両立を”がんばる”ことが必要。そのような現状を、企業としても支えていくことが望ましい」とコメントしている。
2014年には、米Facebookや米Appleが卵子凍結の費用補助を福利厚生として導入し、話題となった。その後、Google、Uber、Intel、Netflixなどの他の企業も、同様のサービスを導入する流れができた。
企業が、従業員に対して不妊治療や卵子凍結の選択をサポートすることが、働きやすい職場づくりのひとつにもなりうる。日本国内でもこのような動きが進んでいくか、今回の試験導入の結果に注目したい。