【今月のお悩み相談】
25歳です。
最近、毎週のように友人たちの結婚報告がLINEやInstagramで届きます。それを見るたびに、モヤモヤしてしまう自分がいます。
彼女たちを祝福する気持ちはあるものの、「まだ結婚していない私」は、なんだか置いていかれてしまっているような気持ちになります。友達はだんだん前に進んでいるけど、自分は何かしているのか、何もできていないんじゃないかと不安に思うのです…。
また、「結婚した友人」と「結婚していない私」では、話題がずれていったり、共感できていたことも分かり合えなくなったりするんじゃないか…という寂しさも感じています。
結婚が人生のすべてではなく、「絶対に結婚したい」という気持ちもないため、焦ることはないと頭では分かっています。しかし、「結婚」に囚われている自分がいることも確かで、なかなか気持ちを割り切ることができていません。
自分にとっては、必要ではないもの・してもしなくてもいいはずの「結婚」というライフイベントに対して、自分らしく向き合える方法を知りたいです。
(25歳・女性)
まずは“言葉の整理”から
こんにちは。露の団姫(つゆのまるこ)です。
お便りを読ませていただいたところ、すでにあなたの心の中で答えは出ているように思いました。あとは、その答えに正直になれるかどうかです。今回も、一緒に考えていきましょう。
まずは、ご自身のことを「まだ結婚していない私」と名付けるのをやめてみましょう。あなたは「結婚していない」だけで、そこに「まだ」とつけてしまうから焦りの気持ちが出てきてしまうのだと思います。
もしかしたら、「まだ結婚していないの?」という世間からの問いかけに、自分でも「まだ」をつけて答える癖や考える癖がついて固定観念になってしまっているのかもしれません。
言葉を整理すると心も整理できます。
まずは「まだ」という考え方を捨ててみましょう。
あなたも友人も、“結婚”で別人になるわけではない
そして、友人とご自身との関係を「結婚した友人」と、「結婚していない私」と分けることもおすすめしません。
結婚した友人は、その人生にあくまでも「結婚生活」というフィールドが追加されただけで、全くの別人になったわけではないのです。
あなた自身も、仕事や趣味という分野で新しいフィールドを持つことがあるでしょう。結婚は人生の中身がまったく別のものに入れ替わるのではなく、これまでの経験に積み重なるもの。ですから、「友人とすれ違うかも」と怖がることはありません。
また、お便りのなかに、結婚していく友人に対して「共感できていたことがわかり合えなくなるのでは…」と不安に思っているという話がありましたね。
試しに、こう考えてみるのはどうでしょうか。
もしかしたら、結婚という新しい環境に飛び込んでいく友人のほうが、あなたに対して「共感できていたことが分かり合えなくなるのでは…」と考えたり、気を遣っている可能性があるかもしれません。不安に思っているのはあなただけではない、ということです。
自分だけではなく、相手の立場にも思いを馳せてみると、少しずつ視野が広がっていき、不安も和らいでいくでしょう。
また、友人とのこれからの関係を不安に思う気持ちは、「これからも友人との関係を続けたい」と望んでいる気持ちの裏返しです。
自分の不安は相手にも伝わりますから、関係に怯えるのではなく、「大切にしたい」という気持ちを一番に持ってください。
これまでお互いが得てきた共感や話題だけに固執せず、新しい環境をともに認め合い、喜び、語り合えば、新たな共感や発見があり、さらに友情が深まっていくでしょう。
あなたが本当に必要だと思うことは?
そして最後に、私から伝えたいのは、結婚はひとりでするものではありませんから、必ずしも「絶対にする」「絶対にしない」と宣言する必要もないということです。
あなた自身のなかで「結婚しない」と決めたとしても、結婚したいと思う相手が現われたら、そのときは結婚を選んでもいいと思います。
自分の考え方を変えたり、計画を変更することはなにも悪いことではありません。自分が変化することを許すことができるのは、成長の証です。
また、仏教の修行では、相手がいてはじめてできるものが多くあります。
それを普段の生活に置き換えてみても同じことです。ただ、そのときの相手は「結婚相手」だけではないはずです。友人や会社の同僚など、あなたを成長させてくれる“修行相手”はたくさんいます。
そして、自分が「必要ない」と感じることは、正真正銘の、必要のないことです。
ですから、あなたが今「必要ない」と思っている結婚は、今は必要ないのでしょう。
人生は大忙し。「必要ない」と思うことに時間を使って生まれる結果は、さらに必要のないことだと考えてみてください。だからこそ、今、自分が必要だと思うことに前向きに取り組んでいきましょう。
自分自身が感じる「必要」を極めていけば、その先には必ず「自分らしい生き方」が待っています。そのためにも、まずは世間の声より自分の気持ちを再確認していく。それが、「自分と向き合う」ということです。
大丈夫。あなたの人生にも、これからたくさんの祝福や幸せが待っていますよ。