セックスコラムニスト歴11年のBETSY(べっつぃー)です。この11年で私のもとに寄せられた2600件以上のお悩み相談を振り返ってみると、やはり相談件数ナンバーワンは「中イキできない」というものです。
中イキに関する相談に回答しているうちに、私たち女性には「中イキ信仰」と誤解があると感じてきました。
そこで今回は、中イキについて深堀りすると同時に、セルフプレジャーやセックスで腟の快感エリアを発掘する方法を紹介していこうと思います。
中イキとは?外イキよりも気持ちいい?
「中イキ」とは、セックスやセルフプレジャーの際に腟への刺激でのオーガズムに達することです。クリトリスを刺激してオーガズムに達する「外イキ」と比較されることが多いように感じます。
「外イキはできるのに中イキができません。どうすれば中イキできるようになりますか?」という質問が私の元によく届くのですが、そこには「中イキは外イキよりも気持ちいいはず」という期待があるように感じます。
「中イキ」は「外イキ」よりも気持ちいいのでしょうか。答えは「イエス」であり「ノー」でもあります。
感じ方には個人差があり、中イキの方が気持ちいいと感じる人もいれば、中イキよりも外イキの方が強い快感を得られる人もいるからです。
中イキと外イキに明確な違いはない?
中イキについて知っておいて欲しいことがもうひとつあります。それは、中イキと外イキに明確な違いはないということです。
外側にある、あの小さなクリトリスの突起を刺激してイクことと、腟の中から刺激してイクことに明確な違いがないなんて信じられないかもしれませんが、本当です。なぜかというと、腟を刺激するときにはクリトリスも同時に刺激しているからです。
トンチのような話ですが、女性器の構造を見てみると分かります。
実は、外側から見えているあの小さな突起部分はクリトリス本体の約1/10程度だと言われていて、大部分が木の根のように体に埋まっています。
それが体の中で二股に分かれ、腟と尿道をまたぐ形で存在しています。腟に指やトイや男性器が出入りする度にクリトリスの根は震わされ、また、腟のお腹側の壁を摩擦することでクリトリスの二股になった部分に刺激を受けています。
つまり、クリトリスを全く刺激していないつもりでも、腟の中から間接的にクリトリスを刺激していることになるんです。クリトリスに全く触れずに腟からの刺激でイクことにこだわりをもつ必要はありません。
とはいえ、腟の中から刺激できるのはクリトリス本体だけではありません。本記事で詳しく説明していきますが、いわゆるGスポットやPスポットなどの性感帯も多く、それらへの刺激が重なることでオーガズムを得ることもあります。
セルフプレジャーの楽しみ方を広げるため、パートナーとのセックスで挿入の快感を得るために、自分のからだを探求してみるのもおすすめです。
新しい快感の見つけ方
新しい快感を見つけるためには、まずは自分の体のことを知ることから。やみくもに刺激するよりは、体の構造や快感を得られる可能性の高い場所を知っておくことで、快感エリアを見つけやすくなります。
①クリトリス構造
②外陰部構造
③断面図
腟の快感エリアを見つける場合も、まずはクリトリスを含む外陰部から刺激していくのがおすすめです。普段あまり触れることのない場所も実は神経が集中していて、触り方を工夫するだけで心地よさを楽しめるからです。
ここでは指や、膣内を探索しやすい細いプレジャートイ「cici」を使用して各部位の刺激方法を紹介していきます。
・大陰唇
性的に興奮してくると大陰唇が充血してふっくらと隆起してくるのがわかります。この部分も立派な性感帯。優しくゆっくり触れることでゾクゾクした心地よさを感じられます。
指の腹や、トイの先端で下から上へと何度もゆっくりと撫で上げてみましょう。下着の上からでも大丈夫です。
細いトイを使うことで、大陰唇全体ではなく、部分的に焦らしながら刺激することができます。
充血して膨らんできたら、手のひら全体で圧迫して女性器全体がキュンとする感覚を味わうことができます。
・小陰唇
小陰唇も興奮とともに充血して膨らみ、厚みを増して色が濃くなります。腟に指やトイを挿入する際にこの部分が乾いていると、巻き込まれて痛みを感じることもあるので、愛液か潤滑剤を塗ってたっぷりと潤わせておきましょう。
クリトリス(陰核亀頭)に触れる前に指やトイの先端でそっと撫で上げると良い焦らし効果になります。
・クリトリス 陰核亀頭(表面に出ている部分)
神経が最も密集する場所です。優しい摩擦や振動で快感を得やすいので、潤わせた指で軽く撫でるかトイを優しく押し当てて刺激します。
皮で覆われている場合は皮の上から刺激するとマイルドに、皮を引き上げてクリトリスを露出してから直接刺激すると鋭い刺激になります。敏感な人は下着の上からトイを当てるのもおすすめです。
刺激に敏感な箇所なので、弱い振動で試してみるのもいいかもしれません。
・クリトリス 陰核脚/前庭球
クリトリスの根の部分です。直接刺激することはできませんが、腟に指やトイを出し入れすることで震わせて間接的に刺激することができます。
激しく出し入れする必要はありません。腟口が押し広げられるときにクリトリスの根も刺激されていると意識するだけでも感じ方は変わってくるはずです。
・尿道
腟の上を通っている尿道も大事なポイント。尿道を取り囲むように前立腺組織が存在しており、腟のお腹側の壁をリズミカルに圧迫したり摩擦したりすることでこの部分によい刺激を与えます。
実は「Gスポット」と呼ばれるのはこのエリアです。感じやすい部分には個人差があるので、浅い部分、中間部分、深い部分と場所を変えながら、指やciciを使ってマッサージしてみましょう。
・尿道口
クリトリスと腟口の間にあり、クリトリスを指やトイで刺激するときに軽く触れることで快感が高まりやすい人もいます。ご自身が心地よいと感じるようであれば、ほんの少しだけ触れるように意識してみてください。
感染症のリスクなどもあるため、過度な刺激はしないように気をつけてください。
・腟前庭
腟に挿入する際、一番最初に触れる部分です。この部分は年齢を重ねて粘膜が薄くなってくると乾きやすく、ひきつれて痛みを感じる場合もあります。潤滑剤を塗って潤わせておくと安心です。
・子宮頸部
子宮と腟をつなぐ部分で、指で触るとコリコリした感触です。「Pスポット(ポルチオ)」と呼ばれるのはこの子宮頸部周辺で、強い刺激よりも連続した小さな刺激で心地よく感じやすいです。
指先やciciの先端を優しく当てたまま小さくトントンとノックするようにしてみてください。痛みを感じる場合は無理をせず別の快感エリアを探してみましょう。
・直腸
腟壁越しに直腸を刺激することで快感を得る人もいます。腟に挿入した指の間接を意識してお尻側の壁を軽く圧迫しながら摩擦するか、ciciの振動部分でお尻側の腟壁を撫でる(or擦る)ことで刺激することができます。。便秘がちな人は痛みを感じることもあります。無理のない範囲で行ってください。
ご自身で新しい快感エリアを探すときのポイント
①リラックスできる環境で
緊張状態にあると性的に興奮しづらく、濡れにくくなります。ひとりでリラックスできる環境を確保しましょう。お風呂に入ってリラックスした後に行うのもおすすめです。
②清潔に
膀胱炎や腟炎などを防ぐために、手やトイは常に清潔にしておきましょう。
③性的に興奮する材料を
肉体的な刺激を受けても、気分が高まっていないと性的な快感を得るのは難しいもの。漫画や映画のセクシーなシーンを見たり、セクシーな気分になれるものを想像して興奮を高めましょう。
④クリトリスを刺激して興奮を高めてから
腟を刺激する前にクリトリスを刺激して興奮を高めましょう。そうすることで女性器全体が充血して、腟からの快感を得やすくなります。
⑤潤滑剤は必須
潤いが不足すると粘膜が傷つきやすくなるので、外陰部と腟を潤滑剤でたっぷり潤わせる必要があります。
愛液の量はその日の体調や気分によっても変化するので、潤滑剤を準備しておきましょう。常にヌルヌルした状態を保つことが快感エリアを探すコツです。潤いが不足してきたら途中で追加することも忘れずに。
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新しい快感エリアは、一度や二度の挑戦で見つかるわけではありませんが、セルフプレジャーのついでに新しいエリアを試したり、時間に余裕があるときにじっくり全体を探求したりしていくことで見つかるかもしれません。
もし新しい快感エリアを見つけられなくても、クリトリスがあります。クリトリスは快感を得るためだけの器官です。自分に合ったクリトリスの刺激方法を見つけていきましょう。