イく感覚がわからない。セルフプレジャーではイけるけれど、セックスではなかなかイけない。セックスにおいて、「イく」ことは必須ではないけれど、せっかくならお互いにもっと気持ちよくなりたいと思う人は多いのではないでしょうか。

ランドリーボックスが行なった、オーガズムに関するアンケートでは、オーガズムに達したことのある人のうち、毎回セルフプレジャーでもセックスでもイける人は6.1%でした。アンケートに、「セルフプレジャーとセックスで毎回達せる」と答えてくれたFさん(30代女性)にお話を聞きました。

子どもの頃に、好奇心から「気持いい感覚」が掴めていたというFさんは、18歳になる頃にプレジャーアイテムを購入し、外と中の両方でイけるようになりました。20代になり、セックスをするようになってからも、自分の気持ちいいポイントを相手に伝えることでほぼ毎回イけるようになったといいます。

小説で得た知識をもとに、好奇心からセルフプレジャーをはじめた

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ーーFさんは、セルフプレジャーでもセックスでもイけるとのことですが、自分の「気持ちいい」がわかるようになったのはいつ頃からですか?

「性的なこと」を意識し始めたのは中学生ぐらいからですが、「自分の身体に、触ると気持ちいい部分がある」ということに気がついたのは幼稚園の頃だったと思います。

本をよく読む子どもだったので、小学校高学年くらいの頃に性的な描写がある恋愛小説を読んで、子どもながらに「これは特別なことなんだ」となんとなく感じていました。その頃には、自分でも触ってみたり、指を入れてみたりすることを自発的にしていました。好奇心ゆえにしていたことなので、抵抗感も特になかったですね。

ーーはじめてイけたのも、セルフプレジャーによってですか?

そうです。「イく」ということも、小説や漫画から知りました。体感したのは中学生のときです。当時読んでいた漫画に、シャワーをあてられる描写があったので試してみるうちに、「今までとは違う」という感覚がありました

気持よさのボルテージが上がって、ふっと力が抜けるのが「イく」感覚

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ーーFさんにとって「イく」とはどういう感覚ですか?

それまでは、ただ「気持ちいい」という感覚が続くだけだったのですが、初めてシャワーでイけたときは、気持ちよさのボルテージが上がって上がって、一定のところまで達したらキュッと下がる感覚が得られたんです。自分にとっては、「力が抜ける気持ちよさ」がイくってことなんだとわかりました。

それから、自分は二回連続でイくほうが満足するというのも気がつきましたね。

私は、一回イってからもう一度続けてイくとより深い快感が得られるんです。二回セットのほうがいい。そういう自分の好みや傾向も、セルフプレジャーをとおして知っていきました。

ーープレジャーアイテムを使ってみたことはありますか?

18歳になってからアイテムを使い始めました。最初に買ったのは、一般的なピンクローターと、バイブレーターですね。シャワー等で、外でイく感覚は掴めていたので、中でイくってどんな感じだろう?と気になっていました。

指で試していたときは、中の気持ちよさがわかりませんでしたが、初めて買ったバイブと相性が良かったのか、次第に中でもイけるようになりました。「気持ちよさ」はアイテムに教えてもらったとも言えます。

恋愛への諦め、男性への恐怖心からセルフプレジャーを追求していた

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ーーFさんがお話する様子からは、性に対する素直な好奇心とポジティブさを感じます。

ここまで、ポジティブにお話してきたんですが、実はセルフプレジャーを始めたきっかけにはネガティブな側面もあるんです。

私は、小学校から中学校までいじめられていた時期がありました。特に、男子からのいやがらせがひどかったんです。なので、男性に対してとてもネガティブな印象がありました。男の子の友達ができたこともありませんでした。男性と口をきくだけでも怖くて、男性恐怖症のようでもありました。

一方で、中学生くらいになると周りでは誰かと付き合い始めたり、異性からモテ始める子たちも出てきますよね。そういう子たちを横目で見ながら、「私には恋愛なんてもう一生縁がないんじゃないか」と思っていたんです。

幼い頃から性的なことへの好奇心があった反面、男性とは話すことすらできない。セックスをしたことがないままに挿入系のアイテムを抵抗なく使えたのも、「自分の性欲は、自分で面倒見なきゃいけないな」という気持ちがあったからだと思います。

恋愛に縁がない私だから、男性とのセックスで心地よく満たしてもらえることは今後ないと想定して生きるべきだ。そんな自己肯定感の低さから、セルフプレジャーをしていました。もちろん、気持ちいいからしている部分も、好奇心もありましたが、ポジティブな面とネガティブな面、両方がありましたね。

性のプロフェッショナルとの初体験を経て、20代でぶつかった「セックスの言語化」の壁

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ーー現在は、異性への恐怖心や、セックスはできないだろうという気持ちは薄まりましたか?

20代になってから、いわゆるセフレ関係の男性ができました。ただ、これは少し特殊なケースかもしれないです。大学生になってから、SMバーに通うようになったんです。恋愛は苦手意識があるままでしたが、性的なことには興味があったので。

SMバーで知り合った人たちと始発まで性について語り合っていました。そのお店に一人で通い詰めている女性客は珍しかったこともあって、仲良くなった男性がいて。お店で喋ったり、飲みに連れていってもらったりするうちにセフレ関係になりました。SMのような性経験も豊富な年上の人でした。私は当時20歳くらいだったと思うんですが、彼が初めての相手です。

ーーなるほど……。それはなかなか貴重な初体験ですね。

初めてのセックスは痛いとか、想像よりも気持ちよくないということもありませんでした。もともとセルフプレジャーで挿入系のアイテムを使っていたことや、彼の性に関する知識の豊富さや優しさが影響しているのだと思います。

その後もセフレ関係になる人がいましたが、同意をしっかりととってくれる人でした。

私はM側なんですが、Sの人って大変なんですよ。今でこそ「性的同意」という考え方がやっと浸透してきましたが、特殊なプレイであればあるほど同意がないと成り立たないですから。例えば、鞭打ちもローソクも、本当に同意がないままやってしまったら、下手したら傷害罪になってしまう可能性もありますよね。どこまでがよくて、どこからがいやなのか、すごく繊細にひとつひとつ確認していかないといけないんです。

若い頃に、性的な場面でもコミュニケーション意識の高い男性とセックスできたのはすごくいい環境だったなと自分では思っています。むしろ、セックスで悩むようになったのは、恋愛関係の彼氏ができてからでした。

ーー経験の差や、ギャップが大きそうですね。

経験というより、それまで関係のあった人は性的なことに対してちゃんと言語化ができていたんですよね。25歳で初めて彼氏ができたんですが、言語化能力が低いことに戸惑った記憶があります。

彼は10歳くらい年上の男性で、暴力的だとか、むりやり要望をぶつけてくることはありませんでしたが、男がリードすべきとか、男側がイかせてあげるべきとか、言わなくても察するべきという思い込みがあったんです。

「イかせてもらう」ではなく、「自分でイく」のが大前提

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ーー今までの男性とギャップを感じてから、どうやって彼と対話をしていったのですか?

自分の気持ちを話せばちゃんと聞いてくれる人ではあったので、極力伝えるようにしていました。「その触り方はちょっと痛いな」とか、「こうしてくれたほうが気持ちいい」とか。彼の中に、「男は強くなければならない」という思い込みがかなり強くあったので、なるべくほぐすことを意識していました。

すごく覚えているのが、彼がお泊りデートを計画してくれたときに、セックス中に中折れしてしまったんです。年齢的な部分もあるし、私はまったく気にしていなかったんですが、彼が枕に顔を埋めて悔し泣きしてしまって……。

でも、挿入を伴わなくてもイく方法もありますよね?そもそもイくことがすべてじゃないし。

ーーFさんは、挿入を伴うことや、イくことだけがセックスではないという意識が当時からあったんですね。

そうですね。SMバーに通って、さまざまな人の話を聞いていた影響が大きいと思います。お尻を竹刀で叩かれてイくみたいな人もいましたし、セックスには多様な価値観があると学びました。

そもそも、「イかせてもらう」じゃなくて、「自分でイく」のが前提だと思うんです。

ーーFさんは、セックスにおいても「気持ちよさ」は、相手ありきではないのですか?

はい。だって自分の身体じゃないですか。完全に相手任せで、ぴったり気持ちいいところに当たるって、そうそうないと思うんですよね。膣だって自分の筋肉ですし、自分で締めたり動かしたりして、中の当たり具合を調節するとか、身体の角度をちょっと変えるみたいな微調整がイく上で必要だと思います。

はじめからぴったり相性がいい人を探すなんて、シンデレラの王子様がガラスの靴が履ける人を探して国中を周るくらい非効率だと思います。「挿入するだけで気持ちいい」っていうのは、よっぽど身体の相性がいい場合だけじゃないかな。大前提として、自分の気持いいところを知っておくことが必要ですし、その上でお互いに微調整すればもっとよくなれる。

調整を重ねることで、2年越しにパートナーとのセックスの相性がよくなってきた

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ーー自分の気持ちいいところをわかった上で、調整を重ねることでイけると。

実は、この調整というのは、私が現在進行形でしていることなんです。2年弱くらい付き合っているパートナーがいるんですが、身体の相性があまりよくないのか、挿入するだけだと痛くなってしまうことが多くて。

どうしたら痛くなくなるのか、角度や体位をずっと探り探りセックスをしていたんですが、いろいろと調整するうちに、騎乗位で私が少し体を持ち上げる形であれば痛くないということがやっとわかって!

ーー2年越しに!

やっといい角度が掴めたんですよ。「身体の相性は作れる!」って気がつきました。そのためには、お互いの同意の上でアイテムを使ったり体位を変えてみたり、実践をした上で、どうだったかを話し合う場を持つことがすごく大切だと思います。

パートナーと性的なことをしっかり言語化できるって大事ですよね。今のパートナーは、もともとあまり言語化しない人だったので、こちらからセックス後に感想戦を持ちかけて、すりあわせをするようにしてきました。

ーー事後に振り返りをする時間を設けているんですね。

はい。セックス中って、うまく声が出なかったり、雰囲気を崩したくなかったりでしっかりとしたフィードバックをするって難しいじゃないですか。だから、セックスが終わってから落ち着いた頭で「今日のあの体位どうだった?」などとひとつひとつ振り返ります。

自分の傾向を理解し、伝えた上で、自分からも動くことでオーガズムを掴む

Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash

ーー感想を伝えるところからなら始めやすいですね。慣れてくれば逆に直してほしいところも指摘できそうです。

痛いまま我慢してセックスするのはいやですし、どうせするなら気持よくなりたいですよね。今のパートナーには、もともと「挿入の角度を変えたほうがいいかも」と伝えていたんですが、あまり改善の余地がみられなくって。なので、途中からは私が自主的に角度の調整をするようになって、やっといい場所が見つかりました。

前提としてまず伝えることが大事だけど、言ったことが全部伝わらないこともあるし、指摘したことを毎回継続してくれることも難しいかもしれません。意思の疎通をした上で、受け身にならずに自分から調整することも必要ですね。

ーーお互いの身体の傾向を掴んだ上で、対策をすることがセックスでイくためのコツだと。

セックスは戦いではないですが、「敵を知るためにはまず己を知れ」という言葉があります。自分はここに当たると気持ちいいということを把握しておいて、かつ相手との相性の合わない部分を調整することで、セックスでイけるようになる。

「この人は相性が悪い」と相手のせいにして切り捨てるのではなく、どんな相手としても気持よくなれる自分になれたほうがいい。

パートナーになった人と、身体の相性は悪いけれど、性格や人間性は大好き!ということだってあり得ますよね。身体の相性が悪いからダメだとか、相手に何とかしてもらうという考え方より、自分がどうしたら気持よくなれるかをわかっていたほうが、だんだん相性をよくしていけるんじゃないかな。

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ランドリーボックスでは、定期的なアンケートを実施しています。

現在は、「カラダの相性」をテーマにアンケートを実施中。みなさんのご意見をお聞かせください。

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