十人十色の生理の悩み。生理痛やPMSと向き合いながら、「大丈夫かな」「私だけ?」と不安に感じる女性も多いことでしょう。
ランドリーボックスは2020年5月、ネットと通信制高校の制度を活用した「学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校」(以下、N高)とのコラボ企画として、N高の生徒を対象に「生理と向き合うワークショップ」を開催。産婦人科医を迎え、女性のカラダや生理に関する正しい知識を学ぶ機会をもうけました。
この記事では、ワークショップ当日の模様をお届けします。
2019年12月に続き、2回目の開催となった同ワークショップ。今回は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けオンラインで実施。生徒、スタッフを含め総勢50名が参加しました。
自己紹介を兼ねたグループワークの後は、sowaka women’s health clinicの竹元葉先生が生理の基礎知識を解説。メカニズム、心とカラダの症状、代表的な対処法などを、スライドを使ってわかりやすく教えてくれました(座学の内容はこちらから)。

生理について学んだあとは、竹元先生への質問タイム。産婦人科医に直接質問できる貴重な機会だけに、グループチャットには次々と質問が投稿されました。
ここではその一部を紹介します。
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Q.ナプキンやタンポンなど、生理用品を付け替えるタイミングを教えてください。
A.ナプキンは、面積でいうと6~7割が赤くなったら付け替えましょう。一面が真っ赤になってからでは遅いと思います。ムレやかぶれなどの原因にもなるので、経血量に応じて適宜交換するようにしましょう。タンポンは長時間入れっぱなしにしないように。細菌感染による敗血症で、重症になるケースも。においが気になるときはタンポンの使用は避けたほうがいいでしょう
*トキシックショック症候群(TSS)発症の可能性を軽減させるため、タンポンは8時間を超えて使用せず、連続使用も控えていただくのが安全です。
*トキシックショック症候群(TSS)とは…
非常に短い時間で重篤な病態を引き起こす敗血症の一種です。
TSSはまれな病気ですが、男性、女性や子どもを問わず誰でも短い時間で重篤な病態となる可能性がある病気です。
Q.鎮痛剤以外に生理痛を改善する方法は?
A.体を温め、血行を良くすることが大事です。体が冷えると血液の巡りが悪くなってしまいます。血液がうっ滞(血流などが静脈内などに停滞した状態)した箇所は痛みが生じるんです。アザが痛むのと同じ原理ですね。
経血もそうですが、血液は冷えるとドロドロになりやすいもの。それを小さな出口(子宮口)から出すのは痛みを伴うので、生理痛が悪化しかねません。できるだけ骨盤まわりを温め、動けるときは適度に運動するのも効果的。体を冷やす食べ物・飲み物を多く摂取しないよう心がけるのも重要です。
生理痛がひどい場合は、子宮内膜症などの可能性もあるため婦人科を受診するようにしてくださいね。
Q.ピルを飲むデメリットはありますか? 将来的に妊娠しづらくなるという噂を聞きますが……。
A.ピルを服用することで、将来妊娠しづらくなるということはありません。ただ、副作用はあります。有名なものだと「血栓症」(血管が“血栓”と呼ばれる血の塊でふさがれてしまう病気)がありますね。
ただし、血栓症のリスクは、ピル服用時よりも妊娠中のほうが高いのです。メディアで(ピルのリスクが)過剰に報道されることもありますが、ちゃんと使えば怖い薬ではないので、安心してください。
Q.生理のときに鼻血が出ます。何か異常があるのでしょうか?
A.そういう方、いらっしゃいます! もしかして経血量が多い方ではないですか? 経血が多いと、体が「(経血を)止めないと!」と思い、血液を固める成分がそちらにどんどん使われて、足りなくなることがあります。そうすると鼻血が出てしまう人も。毎回鼻血が出て困っているようであれば、一度採血し、検査してみてもいいかもしれません。
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後半は再びグループに分かれ、今回のワークショップで学んだことや実践したいことをシェア。
前半の座学やQ&Aを踏まえ、「間違った情報を信じていたことに気づいた」と素直に明かす生徒、「つらい時は休んでいいんだと思えた」と安心した表情の生徒などさまざま。生理痛の緩和には適度な運動がいいという話から、YouTubeのエクササイズ動画を参加者同士でおすすめし合う場面もありました。

グループワークと同時並行で、ランドリーボックスでは「生理用品雑談部屋」をオープン。グループワークを終えた生徒たちに、ランドリーボックス代表の西本が月経カップや吸水型ショーツの使い方を紹介すると、「試してみたい!」という声が上がりました。
和気あいあいとした雰囲気のままワークショップは終了。アンケートでは「産婦人科医に悩みを相談できてよかった」「同年代の人たちと悩みを共有できて嬉しかった」というポジティブな感想が寄せられました。なかには「助産師の夢に向けて、今回のワークショップを活かして勉強していきたい」という嬉しい声も!
竹元先生、ご参加くださったN高のみなさん、どうもありがとうございました!
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ランドリーボックスでは今後も、学生向け、大人向け「生理やカラダのワークショップ」に取り組んでまいります。教育機関、企業の人事担当の方などご関心ございましたら、こちらまでお問い合わせください。
N高等学校のブログでもレポートを公開しています。詳細はこちらからご覧ください。