【お悩み】

朝起きたときに、疲れがとれていなくてダルさが続いています。

寝る前のスマホを控えてみるなど対策していますが、まだ倦怠感があります。

おすすめの養生を教えてください。

だるさの原因は、血流が悪く老廃物を溜め込んでいること

ご相談者のようなお悩みはコロナ禍になってから特に増加したように感じます。

「だるい」は漢方相談でよくあるお悩みのひとつです。

だるさを引き起こす大きな原因のひとつに過労、栄養の偏りなどによるエネルギー不足(気虚)のことも多いですが、ご相談者のように寝ても疲れが取れない場合は違う原因が考えられます。

その原因は「瘀血(おけつ)」です。

瘀血とは血液の流れが悪いタイプのことを指し、血液の質や血管の状態があまり良くないため、血流が悪くなります。

血流が悪くなると代謝機能が低下して、身体がクリーニングしきれなかった余分なもの(脂肪、老廃物など)が溜まることでだるさを引き起こします。

ひどい瘀血の場合は、生理のときのドロっと経血の原因にも

瘀血がひどくなるとしつこいだるさだけでなく、肩こり、頭痛、腰痛なども起こります。重い生理痛や生理のときの血液の塊などの原因にもなります。

美容面の悩みである顔色のくすみ、肌荒れ、シミ、そばかすやクマ、痩せにくいことなども瘀血と関係があるとされています。

さらに放っておくと鬱っぽい、頭が働かない、ぼーっとするなどメンタルの不調まで起きやすくなるという…非常に厄介な症状なのです。

コロナ禍により体を動かすことが減ったり、デスクワークが増えたり、ストレスフルな毎日を送ることでこの瘀血が起きやすくなる環境要因が揃ってしまいました。

瘀血のチェックリスト

□頭痛            

□肩こり

□生理痛がいつもよりも重い           

□顔色のくすみ

□目の下にクマができやすい  

□手足が冷える

□しみやそばかす、あざができやすい

□ごつごつしたニキビ跡がある

□マッサージに行くと楽になる

□唇、歯茎、顔色が暗い

3つ以上当てはまれば瘀血があると思ってください。

瘀血を改善する養生法

食養生

写真=本人提供

サバやイワシなどの青魚、玉ねぎ、ニンニク、生姜、ニラ、カニ、らっきょう、黒きくらげ、桃、紅茶、ほうじ茶などを意識して摂るようにしましょう。

調理法も揚げたり、油で炒めるなどは控えめに、あっさりした味付けの温かい食事をよく噛んで食べましょう。

日々の生活の養生

・お散歩やストレッチなどで適度に体を動かし、運動不足を解消する

・ストレスと疲れは溜め過ぎない

・長時間の同じ姿勢は避ける

・身体を冷やさない

・脂っこい、味付けの濃い、甘い、冷たいものの食べ過ぎや飲み過ぎは控える

・禁煙

おすすめのツボ

瘀血タイプにおすすめは「三陰交」のツボです。

画像=本人提供

内くるぶしの中央から指4本分上、すねの骨の後ろ側のふちにあります。

優しく親指で円を描くように心地よい強さで押して刺激しましょう(妊娠中の人は控えてください)。

しっかり寝たり、よく食べたり、栄養ドリンクを飲んでも疲れが取れないような人は疲れが原因ではなく、その疲労物質をしっかり外に排出できていないことが原因かもしれません。

お散歩やストレッチ、ヨガなど自分が心地よく取り組める運動で体の血をしっかり巡らせて、スッキリしましょうね。

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