ここ数年で吸水ショーツや月経カップといった新しい生理用品が登場し、生理用品の選択肢が増えましたよね。そこへ新たに「月経ディスク」なるものが日本に上陸しました。
月経ディスク「Ziggy Cup 2」とは
月経ディスクは、カップと同様に繰り返し使える医療用シリコン製の生理用品で、膣内に挿入し、子宮頸部の下に取り付けて使います。
装着は最大8時間可能で、2年間繰り返し使うことができます。
今回私が試したのはINTIMINAのZiggy Cup 2のスモールサイズ。スモールと言っても、約50mlの容量で、一般的な月経カップより多くの経血を溜めることができるので、多い日にも安心して使えます。
リング状のリム(ふち)はゴムのように弾力がありますが、経血を溜めるドーム型の部分は花びらのように薄くて柔らかい素材でできています。
今までの生理対策は?
私の場合、初日と2日目に経血が大放出。おまけに皮膚がかぶれやすいのでタンポンを併用しつつナプキンを1日に約10枚使います。
3~5日目にかけて急激に経血が少なくなっていくので、そこからは吸収ショーツを使っています。
もちろん、月経カップも試しました。硬めの月経カップも柔らかい月経カップも両方試してみましたが、うまく月経カップに経血を溜めることができず漏れてしまい断念しました。
色々調べたり、聞いてみると、どうやら私の場合は括約(かつやく)筋が発達していることが原因で、カップが潰れて隙間ができてしまうようです。
「月経ディスクなら括約筋の影響もないからいけるかも!」そんな希望を持って試してみました。
Ziggy Cup 2を使ってみた
生理1日目。まずは手とZiggy Cup 2を石鹸で洗います。初めて使う時には、沸騰したお湯に5~8分浸けて消毒。これで準備万端です。
どんな体勢が入れやすいのかわからなかったので、お風呂場でしゃがんで入れてみることにしました。
指の挿入には慣れているし、挿入用のトイを使うこともあるので心配はしていなかったのですが、いざ挿入するとなると直径の大きさにひるみます。
説明書を読んで挿入方法をチェックしてみると、印のついている方が指の股にくるようにして親指と人差し指で挟み、リムの両端をギュッと押すと書いてありました。
こうやって細長くすると入れやすくなるんですね。入りにくい場合は潤滑剤をリムの先端に塗りましょう。
この状態で腟に挿入していくと、ディスクが全部入ったかどうかのあたりで行き止まりました。
本当に正しい位置に全部入るんだろうかと一瞬焦るものの、落ち着いて中指を挿入し確認してみます。どうやら先端が子宮頸部に当たっているようです。
カップの中に子宮頸部をすっぽり収めるために、指で奥のリムを押し込んで子宮頸部の下側(お尻側)のくぼみまで押し込んでみました。これが一番大事なポイント!
今度は手前側のリムを指で押し上げて、子宮頸部の上側(お腹側)まで入れ込みました。指で全体を触って確認すると、子宮頸部の出っ張りがカップの中に収まっています。ここでやっと「ディスクって子宮頸部をすっぽりと覆って経血を受けとめるんだ!」と気付きます。
Ziggy Cup 2の装着感は?
月経ディスクを装着してみると、腟内の違和感が全くないことに気付きます。月経カップやタンポンも正しい位置まで入れると違和感は感じにくいとはいえ、ふとした時の「何か入ってる感」を感じていました。
でも、月経ディスクはカップやタンポンよりも更に奥に装着するせいか、ほぼ無感覚なんです。
漏れたらすぐにわかるようにナプキンを貼り、装着したまま約7時間過ごしてみました。
使用した結果
7時間経過後。ナプキンにはほんの少しの経血がついていましたが、この経血は装着した時点で腟に付着していたものが出てきたようです。
そしてお風呂場でZiggy Cup 2を出してみることに。手をよく洗い、中指を挿入して手前側の印がついているリムを手繰り寄せてからゆっくり引き出します。
指が届きにくい場合は、軽く力んで腹圧をかけると指が届きやすくなりました。
「ちゃんと経血が溜まってる!」初日から量が多いので、洗い流す時に少しギョッとしましたが、どれだけ経血が出ているのか確認できるのは今後の体調チェックに役立ちそうです。
朝方に経血が腟に流れてくる感触で目が覚めるのが嫌なので、洗ったZiggy Cup 2を寝る前にもう一度装着することにしました。挿入感がないおかげで朝までぐっすり。漏れてない!
最も量が多い2日目には外出の予定があったので、家を出る直前に装着してナプキンを使用。やっぱり漏れてない!
いつも2日目はタンポンとナプキンのダブル使いで、トイレに行く度に取り替えで大忙しなのに、蒸れ防止のためにナプキンを1度替えただけ。こんなに楽な生理はあっただろうかと感動しました。これなら2日目でも吸水ショーツでいけそうです。
月経ディスクのメリットとデメリット
どんなアイテムにもメリットとデメリットはつきもの。今回私が感じたことをまとめると。
メリット
①漏れにくい
とにかく漏れなくて驚きました。
月経カップは腟の中間あたりに設置して流れてきた経血を受けとめるものなので、カップがしっかり開かなかったり隙間ができていたりすると漏れる可能性があります。
それに比べて月経ディスクは子宮頸部そのものを覆って、経血が出てきた瞬間にキャッチするものなので、正しく装着できていればかなり漏れにくいんじゃないかと思いました。
容量も大きいので、吸収ショーツを着けておけば安心して過ごせそうです。
②無感覚
腟の浅い場所と比べると子宮頸部周辺は鈍感なのか、リムが当たっている感覚はほぼありません。それに、経血が腟をドロッと流れてくる嫌な感触がないのがとてもありがたい!
③外陰部の不快感ゼロ
経血が外陰部に付いたままになると痒くなること、ナプキンの蒸れで外陰部が蒸れてかぶれることが長年の悩みでしたが、Ziggy Cup 2を使った今回の生理では外陰部の肌荒れがなくてめちゃくちゃ快適でした。
デメリット
①腟内の構造を把握する必要がある
漏れずに長時間過ごすためには、子宮頸部周辺にしっかりフィットしているか指で確認するのがおすすめです。
そのために子宮頸部の位置、リムがおさまる場所を正しく把握しておく必要があります。初めての人は先に指で子宮頸部の位置を確認しておくといいですね。
②手に経血がつく
装着するのにも引き出すのにも指を使うので、どうしても手には経血が付きます。自宅のお風呂でなら問題ありませんが、外出先のトイレで出し入れする必要があるなら、指用のグローブやアルコールの入っていないウェットティッシュがあると便利。手洗い場のついた個室ならより安心です。
③取り出す時に経血が飛び出すことがある
試しに一度自宅のトイレでディスクを取り出してみたところ、前方の床に経血が2滴飛んでいました。
その後、出し入れに慣れてきてからは、引き抜く時に途中から指を1本から2本に増やし、腟から半分ほどディスクが出てきたら3本の指で持って慎重に引き出すようにしました。こうすると経血が飛び出すアクシデントは防げます。
Ziggy Cup 2を使ってみた感想
実際にZiggy Cup 2を使ってみて、私にとって最高の生理用品に出会えたと感激しました。
デリケートゾーンが気持ち悪くてナプキンを何度も取り替えなければならないこと、外出時にかさばるナプキンとタンポン、、朝6時台のドロッと感で目覚める不快感、経血によるデリケートゾーンの肌荒れ。それらがなくなったことで、かなり快適になりました。
月経カップが合わなかった人、吸水ショーツだけだと不安な人、生理中の外陰部の肌荒れに悩む人にはとてもおすすめですよ!