前回はHSPママが子どもへの接し方で、心配性・過干渉になりがちという話をしました。
今回はHSPが育児中にありがちな「悩みごと3選と対処法」を自分の経験からお話したいと思います。「あるある~!」と共感して客観視することで、気持ちを緩めていただけたら幸いです。
1.ママ友に断られたときのショックが大きい!
勇気を出して、ママ友にランチやイベントのお誘いをしたけれど断られることもあります。相手の都合であることが多いのに、HSPママの脳内は「私の前回の発言のせい?」「嫌われることしちゃった!?」と自分の中に原因を探しがちです。
相手の気持ちは読めませんが、自分のダメな部分はよく見えるので、自己否定しやすいんですよね…。
深読みのクセが出てつらいときは、「これは私の妄想。もし本当に嫌われていたとしても、自分なりの誠意は尽くした」と言い聞かせてください。
2.PTAのことでモヤモヤしがち!?
HSPは頭の中で深い処理をするので、ひとつの物事に対しても多角的に考えたり、別の可能性が見えてミスを予見したり、全体的に物事を把握する能力があります。組織の矛盾点や改善点に目が行きやすいので(これはHSPに限らず多くの親たちから聞かれる話ですが)古い体質のPTAにモヤッとすることがあります。
仕事ならお金で割り切れますが、PTAはボランティアであるためストレスになることも…。
「頼まれるとNOといえない」「つい手を出してしまう」流されやすいHSPだからこそ、心の中で「どこまで手を出すか」線引きして、あとは与えられた仕事をきちんとこなすのが無難です。
しかし中には、正義感が強く行動力のあるHSPもいます。PTA改革に着手すると決めた場合、人からの苦言や攻撃に弱いHSPは補佐役の方が安心です。矢面に立ってくれるような心強いリーダーがいると安心ですね!
3.「~たら、~れば」と妄想に振り回される
HSPの脳は、ささいなことに目が行きがちです。
真っ白なTシャツの小さな黒い点が目立つように、99%良くても、たった1%の汚点に目を向けてしまうのです。自分や子どもの至らないところや過去の失敗、未来に起こるかもしれない不安に気持ちが振り回されることがあります。
まずは自分に課しているハードルを下げて、自分を許すこと。目の前の障害をできるだけ取り除いて完璧を目指すHSPですが、ひとりの人間にできることは限られています。
HSPには自分を追い込むクセがあると覚えておくだけでも心がラクになります。努力家で真面目という良い面でもありますが、HSPは取り越し苦労も多いのです!
心配ごとが頭から離れないときは「心配ごとの9割が起こらない。もし起こっても、その1割は自分にはどうしようもないこと」と考えてみてください。
HSPが自分の気質を知ることは、マイナス面から自分の強みを発見できることに繋がります。ぜひ自分の良いところに気づいて、笑顔の育児につなげてくださいね。
*注:どんな人であっても、その人の身体に“体質”があるように、心にも“気質”があります。HSPは、うつなどの心の病ではなく、気質です。もし「自分もそうかも」と思う人がいれば、HSPという“心の気質”を知ることで、環境への適応力が上がり、より生きやすく、より自分らしく過ごせるようになるのではと思います。(精神科医:鹿目将至)
著者プロフィール
おがたちえ
台湾とクルーズ船を愛するHSP漫画家。刺激追求型HSPゆえに、怯えつつも汚部屋掃除や事故物件などのルポ漫画も手掛ける。『フォアミセス』(秋田書店)にて『HSPの歩き方~ハッピー・センシティブ・パーソン!~』を連載中。著書に『繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~』(ぶんか社)、『なつかしい日本をさがし台湾』(ぶんか社)、『汚部屋掃除人が語る命の危ない部屋』(竹書房)などがある。
監修者プロフィール
鹿目将至
精神科医。1989年、福島県郡山市生まれ。日本医科大学卒業。現在、愛知県内の病院に勤務。『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ 』や『「もうもたない…」折れそうでも大丈夫』を出版。「気軽に生きる」をモットーに活動中。