イラスト=おがたちえ

子育てにいっぱいいっぱいになりやすいHSPママへ、パートナーには「こう接してもらえたらうれしいな」という話題を前回しました。今回は、子どもが小・中学生へと成長していく過程でHSPがやりがちな子どもへの接し方のお話です。

心配しすぎて過干渉に!?

親になると、子どもへの心配が先立ち、子どもの行動を見て過去の自分の失敗を思い出し「ああすればいいのに」「こうすればうまくいくのに」と思ってしまう人もいると思います。特にHSP(注)さんの場合は、先まわりして準備してしまいがち

準備を怠らない慎重派なので、子どもの学校の準備から、宿題、将来の進路などなど、手を出しすぎてしまう特徴があります。

私の場合は、先生が子どもに「将来の夢は?」と質問したのに、横にいる親が先に「自動車に興味があるようなので、車関係らしいですよ」などと言ってしまったり、放置された夏休みの美術の宿題に「こうやって描くといいよ」と手を付けてしまったり、ということがありました(反省)。

漫画=おがたちえ

しかし、あまり子どもにかまいすぎると、子どもは失敗から学ぶ機会や自分で考える力を失ってしまいます。


自分でも気が付かないうちに子どもの意見をコントロールしてしまわないよう「子どもは自分とは別人」という適度な距離感が必要です。

そのためには「こうなんでしょ?」ではなく「どうしたらいいかな?」という風に「親の意見を言う前に質問してみる」「提案はいくつか出すけど、子どもに選ばせる」「子どもが決めた意見を尊重する」などをして、過干渉になりすぎないようにしましょう。

HSPママって気が付きすぎる分、おせっかいなんですよね…。今回の文章を書きつつ、私も反省してしまいました。

HSPママは基本的に心配性

HSPにも感じ方の幅があるので全ての人に当てはまるわけではありませんが、不測の事態を予測する力がある分、心配性になりがちです。子どものこととなるとなおさらですよね。

HSPママの中には「子どもが毎朝登校するとき、玄関で見送りながら心配になってしまう」という人もいるそうです。

今の時期は新型コロナウイルスの件や、ワクチンを受けるかどうか決断することも、実は心の負担になっているのではないでしょうか?私もそうです。ついいろんなニュースを検索してしまい、不安になってしまいます。

人は不安なことを忘れようとするとかえって不安なことに気持ちが集中してしまうそうです。「不安は誰しもが持っている」と受け止め、通学路が心配なら、安全なルートを子どもと話し合う、安全情報をチェックするなど、まずは今できることに対応します。

その後は、深呼吸して体を緩ませるなど、自分なりの心を穏やかにする方法を試すといいかもしれません。


それでも不安な状態が続くときは専門家に相談することをおすすめします。今は子育て以外にもストレスの溜まりやすい時期ですから、我慢は禁物。

HSPは“極限まで我慢しやすい”クセがあることも思い出してくださいね。

*注:どんな人であっても、その人の身体に“体質”があるように、心にも“気質”があります。HSPは、うつなどの心の病ではなく、気質です。もし「自分もそうかも」と思う人がいれば、HSPという“心の気質”を知ることで、環境への適応力が上がり、より生きやすく、より自分らしく過ごせるようになるのではと思います。(精神科医:鹿目将至)

著者プロフィール

おがたちえ

台湾とクルーズ船を愛するHSP漫画家。刺激追求型HSPゆえに、怯えつつも汚部屋掃除や事故物件などのルポ漫画も手掛ける。『フォアミセス』(秋田書店)にて『HSPの歩き方~ハッピー・センシティブ・パーソン!~』を連載中。著書に『繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~』(ぶんか社)、『なつかしい日本をさがし台湾』(ぶんか社)、『汚部屋掃除人が語る命の危ない部屋』(竹書房)などがある。

監修者プロフィール

鹿目将至

精神科医。1989年、福島県郡山市生まれ。日本医科大学卒業。現在、愛知県内の病院に勤務。『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ 』や『「もうもたない…」折れそうでも大丈夫』を出版。「気軽に生きる」をモットーに活動中。

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