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不妊に悩むカップルや夫婦が少なくない現代。

厚生労働省によると、不妊を心配したことがある夫婦は35.0%で、これは夫婦全体の約2.9組に1組の割合になる。 また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある/現在受けている夫婦は18.2%で、これは夫婦全体の約5.5組に1組の割合に当たるという。

株式会社ninpathが、不妊治療を終了した人が自身の不妊治療歴や不妊検査歴に関するデータを寄付する取り組みである「データドネーション」を通じてこれまでに集まったデータの一部を公開した。

2021年7月13日時点で「ninpathデータドネーション」に登録されている745人分のデータから分析し、第1子治療が658人分、第2子以降治療が87人分で、妊娠中・出産済みが722人分、再開検討を含めた治療終了が23人分だ。そのうち84%が過去5年以内に不妊治療を行っている。

不妊治療の妊娠方法の内訳は、「一般不妊治療」がおよそ3割

第1子、第2子以降の治療を含めた不妊治療全体における実際の妊娠方法の内訳は、体外受精/顕微授精の「高度不妊治療」が約7割を占める一方で、タイミング法/自然妊娠と人工授精による「一般不妊治療」がおよそ3割を占めた。

一般不妊治療の内訳はタイミング法・自然妊娠が22%、人工授精が13%で、これには高度不妊治療経験者がステップダウンした期間において妊娠されたケースも含まれているという。これは第1子治療のみに絞っても結果は大きく変わらなかった。

株式会社ninpathによると、現状一般不妊治療の実態については公的な統計などは存在していない。しかし、ninpathデータドネーションを通じてデータを蓄積することによって体外受精や顕微授精だけなく、一般不妊治療を経て生まれた生児の割合など不妊治療全般についての実態も可視化できる可能性があるとした。

年齢を問わず、体外受精や顕微授精を必要としている

女性側の年齢で算出した年齢区分別にみると、年齢が上がるほどタイミング法・自然妊娠の割合が下がり、人工授精や体外受精/顕微授精などの高度不妊治療での妊娠の割合が高まる傾向が明確となった。

その一方で、29歳以下でも不妊治療を受けて妊娠・出産した人のおよそ半数は高度不妊治療によるものであり、年齢を問わず一定数のカップルが体外受精/顕微授精を必要としている実態が明らかとなった。

不妊治療のステップや費用の目安

画像=Laundry Box

不妊治療には大きく4つのステップが存在し、その治療の概要と費用の目安を簡単に紹介する。妊活を開始した年齢が高い場合や検査の結果によっては、人工授精から始めることを医師から勧められることもある。

  1. タイミング法

排卵に合わせて性交渉をする。排卵の1~2日前が妊娠しやすいと言われているため、エコー等で排卵の時期を予測して性行為をおこなう。費用の目安は2,000~3,000円/回。超音波検査などを1カ月に複数回行うこともあり、排卵を促す排卵誘発剤の一部は保険適用外のため、1万~2万円ほどかかることも。

  1. 人工授精

排卵に合わせて、受精場所である子宮内に精子を注入する。費用の目安は2万~3万円/回。この人工授精のステップから保険適用外となる。

  1. 体外受精

体内から取り出した卵子を、体外で精子と受精させる。費用の目安は20万~30万円/回。この体外受精から高度不妊治療に該当し、保険適用外のため治療費が高額になる。

  1. 顕微授精

体外受精のひとつで、卵子に直接精子を注入して受精卵にする。体外受精よりも受精の確率が上がるため、精子の数が少ない場合にも有効な方法。費用の目安は30万~60万円/回。

不妊治療のステップや費用の目安など、くわしくは、下記の記事で解説している。

【関連記事】不妊治療はどう進む?費用の目安や治療のステップを紹介(医師監修)

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