「妊活」に対する知識・理解の普及を目的として、2018年から「妊活」に対する意識調査を行ってきたロート製薬株式会社は、2020年に全国の18~44才の男女を対象として行った「妊活」の調査結果を、2月1日に『妊活白書2020』として公開した。
調査期間は2020年12月5日(土)〜12月6日(日)、インターネットによる全国調査。調査対象は18〜44才の男女で、そのうち未既婚、子どもの有無にかかわらず19,795名、25〜44才の既婚男女(子どもはいない、現在子どもを欲しいと思っている)800名、18〜29才 未婚男女(子どもはいない ※妊娠中の人は除く)400名。
男性の”妊活意識”の向上
子どもを望む男女の中で、「ふたり妊活」に取り組むカップルが大幅に増えたことがわかった。「ふたり妊活」ができていると回答した人は2018年(44.8%)、2019年(43.0%)と比較して、2020年は60.3%にまで急増した。特に男性の増加が顕著(前年比26.8%増)で、比較的妊活に消極的だった男性も、妊活の意識を高めていることがわかる。
63%の男性が「子どもができにくいかもしれない」不安
今回の調査で、自分が将来子どもができにくい(できないかもしれない)体質だという不安を抱えている既婚男性が63%にのぼることが明らかになった。女性の77%に比べると控えめな印象だが、20代〜40代のどの年代においても過半数が不安を感じていることがわかる。
不安の要因としては加齢による不安のほかに、「精子」や「性機能」に関する体質不安が挙げられた。30歳以上の既婚男性の5人に1人が「精子に問題があるかもしれない」と感じているのだ。
男性にとっての「妊活」が意味するもの
不妊への体質不安は10%程度にとどまった男女差だが、不妊治療の具体的な手段・方法や女性の生殖機能に関する基礎知識、また不妊の原因など、妊娠・出産に関するいくつかの知識においては、男女で大きく差がひらいていることがうかがえる。
この中で、「ふたり妊活ができている」と回答した男性は、男性回答者全般に比べ、夫婦で家族設計についてきちんと話し合ったり、規則正しい生活や食生活、運動などを通して体調を整えたり、排卵日にあわせて夫婦生活を行うなど、女性と協力して積極的に妊活を進めていることがわかる。
こうした男女双方の意識の共有や協力は妊活に欠かせないが、新型コロナウイルスを受けて変化する環境は、この増加を少なからず後おししたようだ。
新型コロナウイルスの影響で変わる、男性の妊活意識
新型コロナウイルスの影響で、約半数の男性が「以前と比べて情報入手先や相談相手が変化した」と答えた。自分のライフプランや家族のことを考える時間が増え、健康やパートナーの気持ちを気遣うようになるなどの意識の変化だけでなく行動にも変化がみられる。
オンラインによる診療や妊活情報の収集など、今できる取り組みを模索している様子がうかがえた。パートナーと話し合う機会が増えたことが、ふたり妊活の推進につながったようだ。
妊活は、女性だけが行うものでも、男性だけでできるものでもない。家にいる時間が多くなった今だからこそ、お互いの気持ちに寄り添いながら、夫婦間でじっくり話し合ってみるのもいいだろう。