こんにちは。アクロストンのたかおと申します。僕は妻のみさとと共に、性教育のコンテンツを制作し、学校での授業やワークショップを開催しています。小学生2人の親でもあり、普段は医師として働いています。

今回、「生理やPMSなど女性特有の体調不良の際にどのような声かけや気遣いをしているか」というテーマをいただいたのですが、実は、僕も妻も、この内容にあまりピンときていませんでした。

というのは、妻も僕も「生理」「PMS」などの体調不良と、食あたりや風邪、単なる疲労といった体調不良は全く同じものだと考えているのです。もちろん生理やPMSは女性特有のものであることはわかっています。そもそも僕自身、体調不良に関しては自分にも他人にも寛容で…というと言葉はいいですが、自分自身が体調不良で辛い時は休みたいのでほかの人もそうすればいいと考えています。

生理は毎月くるものですが、頭痛が毎日ある人もいるし、どれくらいの頻度で体調不良になるかや、その辛さは人それぞれ。自分自身が辛ければそれをパートナーに伝えればいいし、自分自身に余裕があるときは家事を余分にし、自身に余裕がなければ子どもの食事など最低限の家事以外は放っておけばいいと考えています。

Photo by acrosstone

荒れ放題の彼女の部屋を片付けて料理を作っていた僕。アウトドアに連れて行ってくれた彼女。今も関係性は変わらない。

なぜ、僕たち夫婦はこのように考えるようになったのでしょうか。もともと妻と僕は、違う大学の医学部に通う学生の頃に出会いました。妻(当時は彼女)は東京近郊の地方都市で一人暮らし。僕は都内の大学に実家から通っており、二人で会うのは主に週末。彼女の一人暮らしのアパートに僕が通っていました。

彼女は、当時から自分のやりたいこととやりたくないことがはっきりしている人で、当時も今も家事はあまり好きではありません。朝も苦手です。土曜の朝早くに彼女のアパートに到着しても、彼女は大体寝ていたし、部屋は荒れ放題。金曜の夜遅くまで友達が家にきて飲み会をしていたこともよくあり、シンクは食器の山。

付き合いはじめの頃は自分のダメな部分は隠したい人が多いと思いますが、彼女は一切そういうところがなく、ありのままの自分を出すのがとても上手(取りつくろうことができないともいう)。

掃除や食器洗いがキライだと言うので、そんなにキライでもない(好きなわけでもない)僕が、彼女が寝ているあいだ暇なので片づけておくと、とても喜んでくれました。また、平日はご飯を作るのが面倒で納豆ご飯ばかり食べている、とぼやく彼女に、日曜の夜はシチューやカレーを作ってから東京に帰ることもしばしば。

こう書くと、僕は、まるで世の中の「お母さん」のイメージのような感じがしますし、単に優しい彼氏だったようにも思われるかもしれませんが、実際は違います。

彼女は運転が上手でアウトドアでの遊びが大好きなこともあり、週末はあちこちへ連れて行ってくれ楽しい時間が過ごせましたし、落ち込んでいるときや進路に悩んでいるときなどは何時間でも話を聞き、問題を整理して建設的なアドバイスをくれました。

11年前に結婚し、今は子どもが2人いますが、今もこんな感じです。基本的にはこの頃の二人の関係と変わっていません。さすがに子どもがいるので家事も増え、妻が担う家事も沢山ありますが、基本的には掃除や洗濯、料理などはその時に手が空いているほうがやっています。二人とも手が空いている時は、妻ほど家事がキライではない私が請け負います。

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「察して」はNG。要求や体調不良はしっかりと言語化する癖がついた。

このような関係性なので、お互いの体調不良を共有することはとても大事です。相手が体調不良のときは自分の家事の時間を増やさなくてはならず、仕事のマネジメントの必要も出てきます。少し体調がおかしいかな?くらいで口に出したほうが、お互い今後の予定を調整しやすいので、むしろありがたい。生理など女性特有の不調も早めに知っておきたいですし、実際に妻は何でも口にするので助かっています。

日本の教育は「我慢」や「忍耐」が美徳とされたりもしますが、妻も僕も正反対。特に妻は、休みたいときも、助けがほしいときもすぐに口に出します。妻の口癖は「コミュニケーションをあきらめないで」。妻と過ごすうちに「察して」なんていうのはNGとなり、要求はしっかりと言語化する癖がつきました。

妻が細かい要求も全て口にしてくれるお陰でやってほしいことは何なのかがわかりやすく、逆に僕自身の要求も口にだすことでストレスなく物事が進むことが多いです。もちろん、相手の要求を受け入れられないこともお互いにあります。でも、違和感を感じた時点ですぐに口に出すので、ぶつかるよりも解決策を二人で考える方向にすすみます。

その結果、お惣菜を買ったり、風呂掃除を外注したり、いかにラクに暮らすかという方向になることも多々。今のような生活を二人とも気に入っています。

なんでも口に出すことが、お互い快適に過ごす秘訣

というわけで、生理やPMSなどの不調の際も、妻が普段通りに何でも口にすることが、うまく声をかけたり気遣ったりするうえで大切なのだと今回、改めて思いました。「眠い」「だるくてご飯作りたくない」「ケーキ食べたい(夜中に)」などなど、小さな不調を次々と口にするときは、本人が気づくよりも前に「PMSじゃない?」と気付き、伝えることもあります。

旅行に行く際に生理が重なりそうな時は、忘れ物が多い妻から「忘れそうだから、たかおが生理用品持っていって」と頼まれることもあります。家族全員の薬(娘の花粉症の薬や息子の保湿剤など)の管理は僕が担当していることが多いので、これも特別な話ではなく当然のこと。

生理を特別視せず、また、生理にかぎらず小さな不調や違和感や要求など何でも口に出すことが、旅先でも普段の生活でもお互い快適に過ごす秘訣と考えています。

ランドリーボックスでは、特集「これからのパートナーシップ〜どう伝える?どう寄り添う?〜」をはじめました。

生理、PMS、不妊治療…。
女性のからだや心にまとわりついてくる体調不良の数々。
パートナーが理解して寄り添ってくれれば…と、ついつい思ってしまいます。

こんなとき、みなさんはどうパートナーに伝えているのでしょうか。
また、パートナーはどんな気持ちで寄り添っているのでしょうか。

ランドリーボックスは、様々な人たちの声を聞きました。
お互いに理解し、寄り添う二人の選択肢のひとつになれば幸いです。

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