「生理中は妊娠しにくいって本当?」
「生理が終わりかけなら、セックスしても大丈夫?」
盛り上がって、いい雰囲気になったけど今日は生理中。
そんなことって、ありますよね。
でも、生理中のセックスはリスクがあることを知っていますか?
なぜなら、婦人病や性感染症のリスクがあり、妊娠の可能性もあるからです。
この記事では、生理中のセックスのリスクと、生理中にいい雰囲気になったときの過ごし方をお伝えします。
生理中のセックスが危険な5つの理由
生理中のセックスを避けたほうがいい理由は、以下の5つです。
1.性感染症のリスクがある
生理中は、子宮内膜がはがれ落ちて、排出されています。
膣や子宮はいつもよりデリケートな状態なので傷つきやすく、腟内の酸性もアルカリ性に傾いている状態なので性感染症のリスクがあります。
そして、血液が男性にも触れるため、クラミジアやHIV(ヒト免疫不全ウイルス)などの性感染症などがあった場合に男性に感染しやすいです。
2.子宮内膜症になるリスクがある
女性の約6~10%は、子宮内膜症だと言われています。その発生原因と考えられているのが、月経の血が骨盤内に逆流すること。
生理中にセックスをすると、こうした現象が起きやすくなるため、生理中のセックスは避けましょう。
3.生理中のセックスでも、妊娠の可能性はある
生理は排卵日と離れているため安全日だと思っている人もいるかもしれませんが、違います。実は、生理中のセックスでも妊娠する可能性はあります。
たとえば排卵日は生理周期が28日の人なら、生理が始まってから約2週間後にきます。精子は子宮内で3~5日間生存し、卵子は排卵から24時間生きるため、排卵前2~3日が1番妊娠しやすい日になっています。ここで、生理が少し長引いたり、排卵が少し前にずれたりした場合、生理中に妊娠しやすい日が重なってしまうのです。
そのため、妊娠しにくいことを理由に、生理中にセックスするのは避けたほうがいいです。
4.生理中のセックスは痛みを感じることもある
生理中の膣や子宮は、粘膜がデリケートな状態になっているので、セックスで痛みを感じることがあります。
セックス中に痛い思いをすると、その恐怖感から普段のセックスにも苦手意識が芽生えてしまうことも。
生理中は無理をしてセックスしない方がよいでしょう。
5.セックスした後の掃除などが大変
生理中にセックスすると、経血がベッドやシーツなどについてしまう可能性が高いので、掃除が大変です。また、血がついた状態をそのままにしておくと、バイ菌などが繁殖しやすくなるため衛生的ではありません。
また女性と違って、男性は経血を見慣れていないので、血を見てビックリしてしまう男性もいるようです。
生理中のセックスは、いろいろなリスクがあり、なるべく避けたほうがよいでしょう。また、多くの女性は生理中はお腹の痛みやイライラなど、体調が優れないことも多いです。
パートナーと過ごすのであれば、一緒に映画を見たり、雑誌や漫画を読んだり、生理中は体に無理をかけないようにゆっくりするのがオススメです。
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■監修者プロフィール
柴田綾子(しばた あやこ)
淀川キリスト教病院 産婦人科専門医。2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。著者:女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)、総合医療雑誌J-COSMO編集委員LINEボット「妊産婦さん向けの風邪薬ボット」運営中。Twitter