高校や大学、資格試験などの受験日と生理が重なることに不安を感じる人は一体どれだけいるのでしょうか?

公立高校入試では生理による不調も追試験対象に

2023年12月、文部科学省は全国に向け「公立高校入試は生理による不調で追試が可能」とする通知を出しました。以前は、公立高校入試における追試の対象の例として新型コロナウイルスなどの感染症や自然災害、痴漢被害などが挙げられていました。ここに、生理による体調不良も含まれるようになったのです。

生理前や生理中におこる身体的・精神的な体調不良についても、「本人に責任がない体や健康上の理由」の例であると認められたと言えます。

「受験と生理、重なるのが不安」8割

出典:株式会社エムティーアイ

株式会社エムティーアイが運営する健康情報サービス「ルナルナ」は、「受験と生理についての意識調査 2024」を実施し、受験生とその周囲の人々を取り巻く生理に伴う不調への様々な実態を調査しました。

受験経験のある中高生を対象に「受験日と生理日が重なることに対して不安を感じたことはあるか」と尋ねた質問で、「ある」と答えた人は85.4%、「ない」と答えた人は14.6%という結果となりました。

具体的に不安を感じていた点は、「生理痛などの体調不良への不安」が81.9%で最も多くの回答を得る項目となりました。そのほかでは、「経血漏れなどの不安」が66.2%、「試験に対して、自分の実力を出し切れるか不安」59.8%、「生理に伴う精神的な不安」49.5%でした。

体調不良や経血漏れなどの身体的な不安に加え、精神的な不良に不安を覚えている人も多いことが判明したと言えます。

対策として婦人科を利用した人はわずか1割未満

出典:株式会社エムティーアイ

受験日までに検討した生理への対策を聞いた設問では、「夜用など長時間生理用ナプキンを用意する」が62.2%と最も多く、次いで「カイロなどを使った防寒対策を実施する」56.0%、「生理用品などを多めに用意する」49.8%、「市販の鎮痛剤を準備する」35.9%と言う結果であることが判明しました。

スーパーやドラッグストアなど、市販で手軽に購入できるものを使って対策する人が多いようです。

一方で、「ピル処方による生理日調整をする」5.3%、「婦人科を受診して、相談する」3.3%で、医療機関等を活用した対策を実施している人は全体で1割未満とかなり少ないことがわかりました。

生理の不調による追試制度の認知度、約2割

出典:株式会社エムティーアイ

多くの受験生が生理と受験日の重なりに不安を抱えている一方で、冒頭で述べた「公立高校入試において生理による不調を申し出た生徒への追試は可能とする」とした文部科学省の通知を「知っている」と答えた人はわずか約2割でした。

出典:株式会社エムティーアイ

しかしながら、この通知についてどう思うかを聞いた設問では、「必要な制度だと思った」と回答した人が中学生で78.6%、高校生で86.6%、母親で75.9%と全体を通して高い結果となりました。

通知の認知度に関わらず、多くの人が必要な制度だと感じたようです。

生理に対して求められる配慮とは?

今回の調査を通して、受験と生理が重なることに不安を抱く受験生が多く、更なる対策が求められていることがわかりました。

しかし、その対策は市販で購入できるアイテムに頼ることがほとんどで、婦人科などの医療機関を活用している人は多くありません。

低用量ピルなどを使えば、生理に伴う症状の緩和や生理日の移動を行うことも可能です。ただし、種類が複数あるピルの中から、自分に合うピルが見つかるまで数カ月かかる場合もあります。

受験と生理が重なることに不安を感じていて、ピルなどの服用を視野に入れている場合は、早めに婦人科に相談することをおすすめします。

<参考記事>
ピルを使って生理をずらす方法。費用や服用タイミング、注意点まとめ(医師監修)

<調査概要>
受験と生理についての意識調査 2024
調査実施時期:2024年4月12日(金)~4月22日(月)  
調査方法:『ルナルナ』、『ルナルナ 体温ノート』、『ルナルナ ベビー』
人数:女性 1,938名

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