【お悩み】
19歳、大学生です。最近、初めて彼氏ができました。周りでは性体験の話を聞くことが増えて、焦りを感じています。今はキスはしましたが、その先は私としてはまだ早いと思っています。でも、大好きな彼だから性行為をしないことにより嫌われないか、他の人に気持ちが移ってしまわないかと不安です。この焦る気持ちや不安な気持ちをどうすればいいのでしょうか?
こんにちは、露の団姫(つゆのまるこ)です。はじめての彼氏との日々は、楽しさいっぱいの反面、戸惑ってしまうこともありますよね。今回も一緒に考えていきましょう。
対等な関係であっても、性行為のリスクは男女対等ではない
まずは、「性行為」そのものについて、再度確認してみましょう。カップルの間では、性行為=「コミュニケーション」という認識がありますが、基本的には「生殖行為」であり、常に妊娠する可能性を伴う行為です。
現代では、多くの避妊方法がありますが、避妊具を正しく用いた場合でも、避妊率は100%ではありませんし、1回の性行為で妊娠したという例もあります。
このようなことを言うと「せっかく楽しく付き合ってるのに、心配しすぎ。水を差すようなことを言わないで」と思われるかもしれません。
しかし、それでも妊娠の可能性を意識してほしいと願うのは、妊娠は想像以上に女性の心と体、人生に大きく関わる事柄だからです。
もし今、あなたが彼と対等な関係を築けているのであれば、それはとても素晴らしいことですが、性行為のリスクは男女対等ではありません。その多くは女性が背負うことになります。だからこそ、あなたは自分の意志で性行為をするかしないか決める権利がありますし、それを相手に伝えても良いのです。
あなたが性行為を「まだ早い」と考える背景には、さまざまな思いがあると思いますが、まずは「もし、妊娠したら」を最優先に考えることが、あなたが迷わないために大切なことでしょう。
「もし、妊娠したら」を具体的に考えてみる
では、「もし、妊娠したら」をもう少し具体的に考えてみましょう。
彼の反応はどうでしょうか?「結婚しよう!」とプロポーズされるかもしれません。「え…」と戸惑うかもしれません。「いや、無理だし」と急に距離が離れてしまうかもしれません。現時点では、このようなとき、彼がどのような行動をとるかなど、期待を込めた想像をすることしかできません。
それならば、彼に「もし妊娠したらどうする?」と聞いてみるのが一番ですが、「そんなこと、とても彼には聞けない」というのでしたら、私も「まだ早い」が正解だと思います。
また、「もし妊娠したら」あなた自身がどう感じるか、どう行動するかについても想像してみてください。
産むか産まないか、産むとしたら学校はどうするのか、産んだ後、どうやって育てるのか、就職は…?これらの問いは、すべてあなたの人生に関わることです。
仏教における「葛藤」と、その行方
現在、あなたは大きな葛藤を抱えていますが、もともと「葛藤」とは仏教用語で、「葛(かずら)」と「藤(ふじ)」のことを表す言葉でした。「葛」も「藤」も、どちらも樹木に絡みつくツル草ですが、このツル草がもつれて解けない状態を「葛藤」といいます。
つまり、「葛藤」は「煩悩」そのものであり、それらを断ち切らなければ、葛藤(煩悩)がまとわりついた樹木は枯れてしまうと説かれています。
今のあなたの状態であれば、「葛藤」を断ち切る方法は「自分の中で事前にはっきりと決めておく」ことです。
性行為そのものが悪いわけではありませんから「妊娠する可能性まで覚悟したうえで性行為をする」、または「避妊をしても、妊娠する可能性はゼロではないことを理解する」あるいは「お互いに結婚の意思を確認するまでは性行為はしない」などと、自分の中で決めておけば、どの選択をしたとしても、あなたの人生は枯れません。
だからこそ、一番いけないのが、「葛藤」を放置し、行動を人任せにするということです。恋愛のみならず、勉強にしても仕事にしても、他者を行動指針にしていては、いつまでたっても自分の「軸」を持てません。
まずは、自分の気持ち、考えを行動指針としましょう。あなたの人生の舵をとるのはあなたです。
性行為は相手を繋ぎとめるものではなく、相手の本質を知る良いきっかけ
最後に、あなたにお伝えしたいのは、性行為は相手を繋ぎとめるものではなく、相手の本質を知る良いきっかけになるということです。
性欲の有無は男女ともにあるように、男性も当然、「理性」を持って生きています。好きな相手と性行為をしたい気持ちも自然なことですが、好きな相手であれば「大切にしたい」と思うのではないでしょうか。
あなたが性行為に応じなければ不機嫌になったり、離れていくような彼であれば、あなたをずっと大切にしてくれる相手とは言えないでしょう。すぐに別れたほうがいいかもしれません。
でも、あなたが「まだ早い」と思っている心を理解して尊重し、受け入れてくれるのであれば、それは、パートナーとして相応しい相手でしょう。
まずは、自分の心と体を大切に、焦らずゆっくり関係を築いてくださいね。