【お悩み】
同い年の夫と結婚して3年の35歳女性、セックスレスです。
週末は二人で出かけるのがお決まりとなっていて、会話も楽しく毎日のコミュニケーションはしっかり取れているほうだと思います。
でも、セックスをしていないんです。
夫から、女性として見てもらえていないのでは?と不安です。
最近『あなたがしてくれなくても』のドラマを観ていますが、まさに私のことだと思ってしまいます。
ドラマを観ていると、夫以外の相手へと気が移っていて、このまま私たちももしかするとそうなってしまうのかな?とも思ってしまいます。
美容やファッションも、出会った頃と変わらず気を抜かずにケアをしているつもりです。
もっと夫とセックスをしたいですし、理想は夫から求められたいです。どうしたら夫は私との性生活に興味を持ってくれるでしょうか?
*
こんにちは、露の団姫(つゆのまるこ)です。
なかなか人には話しにくいセックスレスのお悩み。ドラマを観ていると、共感とともに、より複雑な気持ちを抱えてしまうのも無理はありません。今回も一緒に考えてみましょう。
「男性の更年期障害」や「アセクシャル」の可能性を考えてみる
まずは、「夫婦関係が良好であるにも関わらずセックスレス」という場合、「女性として見られていない」と悩むよりも先に、パートナーの心身の状況について考える必要があると思います。
というのも、女性にも更年期障害があるように、男性にも更年期障害があり、男性の場合は「不眠」や「疲労感」に加え、「性欲の低下」や「気力の衰え」などが主な症状といわれているからです。
一般的には30代後半~40代にはじまる症状だといわれますが、体のことは人それぞれ。女性にも“若年性”更年期障害があるぐらいですから、30代半ばの夫さんであれば、十分に更年期障害の可能性は考えられます。
また、私たち女性は「排卵日」や「生理」などをきっかけに、自身の体に向き合う機会も多いため、体の変化に敏感です。
しかし、男性は自身の体を気にかけるきっかけが少ないため、「疲れている」で片づけてしまったり、自分が「セックスをしたいと思わない」、「セックスできない」理由について考える習慣があまりないのかもしれません。
いずれにしても、男性も性行為をするうえで、身体的、また精神的な問題の影響はゼロではありませんので、まずは心身の状況について考える必要があるでしょう。
また、ここでもうひとつ知っていただきたいのが、世の中には「アセクシュアル」と呼ばれるセクシュアリティを持つ人がいるということです。
これは「無性愛」ともよばれ、他者に対して性的欲求を抱くことが少なかったり、全く性的欲求を抱かないセクシュアリティのことです。特徴は、恋愛感情を抱くことはあっても、性的な感情を抱かないという点です。
もし、夫さんがアセクシュアルだった場合、結婚前はあなたと生涯を共にしたいがために「努力」をしてセックスをしていた可能性もあるかもしれません。だからこそ、そもそも性欲がないのか、一度、話し合いをして確認すべきでしょう。
セックスレスの原因は別のところにあるのかもしれないのに、あなたが自分の努力不足、魅力不足だと考え続けるのはあまりにも酷なことです。
セックスレスについての話し合いは、急かさず、プレッシャーを与えず話すことが大切ですが、信頼関係ができているお二人であれば、きっと大丈夫です。
「女性として」ではなく「ひとりの人間として」愛されている自信を
セックスレスに悩む女性の多くは、「セックスレス」=「女性として見られていない」と考えがちですが、その考え方の背景には、「男性はいつでもセックスができる」「いつでもセックスをしたいものだ」という、思い込みがあります。
男性も女性と同じように「いつでもセックスできるわけではない」と知ることが、考え方を変えるきっかけになるでしょう。
また、自分の生き方や夫婦関係に「女性として」を強く意識しすぎると、今後、あなたが心身の不調でセックスをしたくてもできない体調になったときに「女性として夫に応えられない」という苦しみにあなた自身が陥る可能性もあります。
考え方を変えて、「女性として」ではなく「ひとりの人間として」愛されている自信を持ちましょう。
その自信は、一時的ではなく、生涯にわたってあなたを満たしてくれるものになります。
「伴侶」「僧侶」の「侶」とは
今回、私は僧侶としての立場からお話しをさせていただきました。実は私たち「僧侶」の「侶」と、「伴侶」の「侶」は同じ「侶」という漢字です。
この漢字には「一緒に連れ立つ仲間」という意味があるので、「伴侶」とは「ともに連れ立つ仲間」なのです。
人間は、自分ですら自分のすべてを満たすことはできません。そう考えると、夫婦関係においてお互いのすべてを満たすことは不可能といえるでしょう。
「伴侶」つまり「ともに連れ立つ仲間」となった今、あなたたちは「満たす」、「満たしてあげる」という関係ではありません。
「寄り添う気持ち」を大切にして、心身の状況にお互い心を配りながら、今後のことを話し合ってみてくださいね。