【お悩み】
子育て中の30代後半です。育休明けで仕事に復帰したものの、夫からは「俺が稼ぐから、家のことは任せたい。君はパートでもいいんじゃない?」と言われてしまいました。
収入面はパートでもなんとか問題ないと思いますし、夫の仕事は忙しいので私が家事育児をすることで家庭がうまく回るのだと思います。
でも、私にとって仕事は楽しくやりがいも感じるので、フルタイムで続けたいと思っていますが、うまく伝えられずにモヤモヤしています。私の気持ちをどう伝えたら理解してもらえるでしょうか?
こんにちは、露の団姫(つゆのまるこ)です。出産に育児に仕事復帰に…と、大変な毎日だと思います。今回も一緒に考えていきましょう。
モヤモヤしているのは「伝え方」ではなく「夫のずるさ」
まず、一番はじめにお伝えしたいことは、これはあなただけが悩むべき課題ではない、ということです。お便りを読ませていただき、正直、夫さんからの一言は「ずるい」と思いました。なぜなら、子育てと働き方は、あなたひとりの課題ではなく、夫婦で話し合うべき課題だからです。
世の中にはさまざまな仕事があり、どれも責任ある大切な仕事です。しかし、家事育児も同じように責任ある大切な役割で、それは両親ともに向き合う問題です。
育休をとった男性の中には「育児は仕事よりも大変だ」と痛感する人も多いようですが、それは、仕事ばかりしてきた私自身も、実際に出産と育児をしてみて感じていることです。
夫さんは、家事育児をあなたに「任せたい」のではなく、「やりたくない」という考えがあるのかもしれません。稼ぐことを理由に家事育児を放棄する男性は少なくありませんが、それとこれとは別の話です。
ここはひとつ、「私にとって仕事は楽しくやりがいも感じるので、フルタイムで続けたいと思う」と、あなたの気持ちをそのまま伝えてみましょう。
あなたのなかでは、心も言葉も決まっているわけですから、あなたの伝え方が問題ではなく、結論を促している夫さんの姿勢が本当の問題ではないでしょうか?
このような夫婦の問題は先延ばしにせず、早めに解決しておかなければ、この先ずっと、あなたはモヤモヤし続けることになりかねません。時間は解決してくれませんので、今の段階ではっきりさせましょう。
仕事は一度手放すと大変
また、仮にあなたが夫さんの提案どおりにパート勤務をするとしましょう。例えば5~6年後、子どもが小学生になったタイミングで「本格的に仕事を再開しよう」と考えたとしても、そこから正社員に復帰するのは至難の業です。
もし、あなたが今の働き方を変えようと考えるのなら、まずは、現在の職場で時短勤務や在宅勤務など、離職しなくても続けられる良い方法がないか探してみましょう。仕事は一度手放すと大変ですし、あなたが正社員の職に戻れなかったとしても、夫さんがその責任をとってくれるわけではありません。。
「お母さん」でも、あなたの人生の主人公はあなた
母親となり、周囲の人から「お母さん」と呼ばれるようになると、嬉しい反面、自分の人生の主役は自分ではなく我が子のように錯覚してしまうことがあります。
そのようなときは今一度、「主人公」という言葉を思い出してください。「主人公」とはもともと仏教用語で、「本来の自己」、つまり、自分の中にいる本当の自分、という意味があります。
あなたの人生はあなたが主人公なのだと再確認すれば、「母親とは」という固定観念にとらわれず、さまざまな視点から自分らしい思考ができるはずです。
子どもが生まれ、家族の形が変わったのなら、母親だけがその形に合わせるのではなく、夫婦ともにワークライフ・バランスを見直す必要があります。そうしてはじめて、家族ひとりひとりが、自分の人生を自分の主人公として生きることができるのではないでしょうか。
あなただけでなく、夫さんも、この機会に自分の働き方改革をしてみることが、家庭円満の秘訣です。
「子育てをしていくために、お互いが工夫できることを考えよう」と、話し始めてみましょう。夫婦とは対等な存在ですから、話し合いを恐れることはありませんよ!