【お悩み】

40代に入ってから体が疲れやすく、集中力が続かない日もあり、たぶん更年期の入り口にいるのかなとうすうす感じています。

今の仕事で社内の管理職ポジションを求められましたが、自分自身はそこまでバリバリ頑張り続けられないような気がしています。

昨今のメディアで、女性活躍、女性の管理職を増やす動きがたびたび取り上げられていますが、私には「働き続けるのであれば役職につきましょう」と言われているようで、どこかプレッシャーに感じてしまいます。

私はポジションも待遇も変えずに今まで通りの仕事を続けたいのに、会社に求められるポジションとの乖離にモヤモヤしています。

そして、私のこの気持ちを上司にそのまま伝えたら、「仕事へのやる気がない」と思われてしまうのではないかと不安です…。

上司にどう伝えたらいいでしょうか?

責任の大きさ≠必要な体力

Photo by Yingchou Han on Unsplash

こんにちは。露の団姫(つゆのまるこ)です。お便りをいただきありがとうございました。

体が疲れやすく、集中力が続かないとのこと。これに関しては、ご自身でも感じておられるように更年期の症状かもしれません。しかし、その他の原因の可能性もゼロではありませんし、ちょっとした対処で改善できるかもしれませんので、まずは医師に相談してみましょう。

また、仕事の責任の大きさと必要な体力は比例するとは限りません。一度、上司とともに管理職に就いた場合の働き方のシミュレーションだけでもしてみてはいかがでしょうか。もしかすると、管理職としての働き方のほうが、あなたの体調と相性が良いこともあるかもしれません。

「女性だから」なのか「能力」なのか

Photo by Christin Hume on Unsplash

続いて整理しておきたいのが、なぜ役職に就くことを求められているのか、という点です。

会社が女性活躍や管理職推奨を意識するのはとても良いことですが、会社がただただ義務的に、ノルマを達成するような気持ちで女性を登用しようとしているのであれば、それは気分の良いものではありません。

管理職の昇進を打診されている理由が「女性だから」なのか、それとも、あなたの「能力に期待しているから」なのか、これをハッキリとさせるべきでしょう。その点を明確にしなければ、どちらの選択をしてもわだかまりが残り、今後の働き方にも悪影響を及ぼします。

自分の持ち場で自分の役割を一生懸命頑張る「一隅を照らす」

Photo by Jason Leung on Unsplash

そのうえで、あなたにお伝えしたいのが、仏教の「一隅(いちぐう)を照らす」という教えです。

「一隅を照らす」は、今から1200年前に比叡山延暦寺をひらいた伝教大師・最澄上人の教えで、「一隅」とは「社会のひとすみにいる自分自身」のことです。

どんな人の人生にも必ず使命や役割がありますが、「一隅を照らす」とは、自分の持ち場で自分の役割を一生懸命まっとうし、まずは自分自身が社会のひとすみで明るく光り輝きましょう、という意味です。

ひとりひとりが輝けば、社会全体が明るくなります。

管理職に就くことだけが目指すべき働き方ではありません。会社はその組織に関わるすべての人のそれぞれの働きによって成り立っています。

そのことを再確認すれば、自分の役割、そして自分らしい「持ち場」はどこか、自然と答えが出てくると思います。

お便りの中にあった「今まで通りの仕事を続けたい」という言葉は、あなたの正直な気持ち、ありのままの本心だと思います。

「やる気」を見せるためには「遠慮」のフリをしないこと

Photo by Ales Maze on Unsplash

今回、自分の気持ちを上司や会社にそのまま伝えたら仕事にやる気がないと思われるのではないかと悩んでおられました。しかし、むしろ、そのままお話しするのが良いと思います。そしてその際、「管理職に」と声をかけてくれたことに対する「感謝」をしっかりと伝えることがポイントです。

一番おこなってはいけないのが、説明しても理解してもらえないのではと考え、「私なんかでは務まりません」という「遠慮」の言い方で辞退することです。

まだまだ女性の登用に慣れていない日本社会では、女性が「遠慮」という形で昇進を断ると、「声をかけても女性は結局遠慮するからやめておこう」と思われ、今後の後輩女性たちの活躍のチャンスにも影響を及ぼしかねません。

だからこそ「遠慮」ではなく、あなたの「決断」であることを伝える必要がありますし、「決断」であることが伝われば「やる気」があることも分かってもらえるでしょう。

自分の心と体と相談し、冷静な判断をできるあなたは、きっと会社にとっても大切な人材だと思います。

あなたらしい働き方ができるよう、祈念いたします。

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