PMDD(月経前不快気分障害)の治療のため、低用量ピルを飲み始めた私。
参考記事PMSとPMDDの違いとは?生理前に強い絶望感や不安を感じるのはPMDDのせいかも(医師監修)
メンタルの浮き沈みやイライラ…焦燥感や希死念慮、さまざまな症状に長年悩まされていた私ですが、「今までつらかったのは一体なんだったんだろう…?」と思うほど、治療の効果を実感しました。
前回の記事はこちら自分を大切にしてよかったんだ。ピルでPMDDの治療をして気づいたこと
何よりも「子どもたちと穏やかに過ごせるようになったこと」がとても嬉しかったです。
まさか自分を大切にすることが家族を笑顔にすることに繋がるだなんて、思ってもいませんでした。
今回でこのコラムは最後。
低用量ピルを飲み始めて5年。現在の気持ちや家族との関係性の変化についてです。
2022年、ついに私が飲んでいた低用量ピルのジェネリック医薬品が!
低用量ピルを飲むことに躊躇していた理由の一つとして「コストが高い」ことがありました。
結局は「背に腹はかえられない…」ということで、費用が高くても飲むことを決めたのですが…
薬局で低用量ピル3カ月分の約8,000円を支払っていたので、毎回震えながら財布からお金を出していました。
しかし2022年の6月より、私が飲んでいた低用量ピルの後発品(ジェネリック医薬品)が発売開始となったのです。
なんとお値段、半分以下に!
長期で飲み続けるものだったので、このジェネリック発売開始は本当に嬉しかったです。
私と同じように価格がネックだった人や、学生さんにも手が出しやすくなったんじゃないかなぁと思います。
治療を始めて人生が変わった
自分がPMDDだとわかるまでの私は、とにかく自分を責めてばかりでした。
夫が忘れ物をしたときも「自分のせいだ」と泣いてしまったり、自分が悪くないことでもとにかく謝っていました。
でも治療を始めてからは、ものごとを冷静に判断できるようになりました。
それと同時に「今まで全部自分のせいだと思っていたけど、それは間違いだったんだ」と気がつくこともできました。
周りから見たらわかりにくいかもしれませんが、治療をする前の私と、治療を始めた後の私は考え方が全く違うのです。
まるで、これまでPMDDに思考を支配されていたかのようでした。
低用量ピル自体は人によって副作用もあるし、体に合う合わないもあるので大きな声で「おすすめです!」とは言えません。
しかし、PMS・PMDDで悩んでいる人も、そうでない人も「自分の心を蔑ろにせず、心と体と向き合って、自分のことを大切にしてほしい」とたくさんの人に伝えたいです。
家族にPMDDを打ち明けてから…
PMDDだとわかる前まで、実は夫とは喧嘩をたくさんしていました。
私も情緒がずっと不安定で、少しのことですぐにヒステリーを起こし…。
そんな状態が数カ月続いていました。
しかし、私がPMDDだとわかってからは、夫は私の身体や女性ホルモンの仕組みを理解しようとしてくれたり、私の調子が悪いときは私がすぐに休めるようにしてくれたり…。
今では一番の理解者となりました。
そして当時幼稚園生だった長男にも私の身体のことを伝えると、突然の体調不良にも慌てることなくすぐに対応してくれるようになりました。
親としては、「子どもに弱いところを見せてしまって情けないな…」と思ってしまうこともありますが、夫や息子が「ホルモンは目に見えないから大変だよね」と理解してくれているのが本当にありがたいと思っています。
家族の理解と支えがあって、今の私があると言っても過言ではありません。
自分の体と上手に付き合っていく
私の場合、これからもピルは飲み続けるし、ピルの休薬期間は症状が出ないように対処し続ける必要があります。
まだまだこれからもPMDDとの付き合いは長くなりますが、治療を始めてようやく家族と笑顔で過ごせるようになり、明るい日々をやっと過ごせるようになりました。
これまで私は、苦しくて、つらくて、怖くて、どうすればいいのかわからず、ただひたすらのたうち回っていました。
でも自分がPMDDだと理解し、知識を得ることで、見える世界が変わりました。
PMSやPMDDは生理が来るとパタッと症状が落ち着くので、「大したことない」と思われがち。
それに、生理の悩みとなると「生理は病気じゃないし、生理はみんな同じだから」と言われることもあります。
私自身も「こんなことで病院に行くのはいけないことなんじゃないか…」と思っていましたが、今では「私の症状は病気で、れっきとした治療対象なんだ」とはっきりと言えます。
もし今、つらくて苦しんでいる人がいるとするのなら、自分に合った治療法を探してみてください。
そして、これまで頑張ってきた自分を抱きしめてあげてください。
この連載を最初から読むコントロールできないほどのイライラや焦り。これってPMDD?10年以上悩まされた症状に気づき、婦人科を受診するまで