「生理が1週間以上続く」
「前回の生理から1カ月くらい経つけど生理がこない」
このような生理期間の乱れが気になっていませんか?生理期間は一般的に3〜7日間。初潮を迎えたばかりや閉経が近くなる頃は、期間のばらつきがあります。
この記事では、生理の期間、要注意な生理の状態についてお伝えします。
生理期間の目安は3〜7日
20代〜40代前半くらいの方は、以下の生理期間や周期が目安です。
・出血期間が3〜7日
・生理周期(生理開始日から次の生理開始前日までの日数)が25〜38日
そして、生理周期の25~38日の間は、決まったサイクルで身体が動いています。
生理周期は4つに分かれる
生理周期は、大きく4つに分かれます。
・卵胞期
卵巣の中にある、卵子のもとになる原始卵胞が成熟します。成熟卵胞からエストロゲンという女性ホルモンが分泌され、子宮内膜が徐々に厚くなります。
・排卵期
脳からの指令により、排卵がおきます。精子を迎える準備で子宮頸管粘液も変化し、おりものが水っぽく糸を引くようになります。
・黄体期
排卵後の卵胞が黄体に変化。この黄体からはプロゲステロンという女性ホルモンが分泌され、子宮内膜はより厚くなります。胸のはりや痛み、むくみやイライラなどの不調が出ます。(これらはPMSともいわれます)
・月経期
黄体は14日前後で役割が終わり、エストロゲンとプロゲステロンが少しずつ少なくなります。女性ホルモンが少なくなると、厚くなった子宮内膜が剥がれて血としてできます。これが生理です。
初潮がきたばかりの思春期は、体が未成熟で生理の周期がバラバラになることがあります。
また、閉経が近くなる更年期は女性ホルモンの分泌が減少するため、月経が不順になることもあります。
通常であれば、決まった周期で生理が繰り返されます。しかし、生理期間や、生理と生理の期間が短すぎたり長すぎたりする場合は、注意してください。
生理の期間の乱れに、病気が潜んでいることがある
以下のような症状に当てはまる場合は、注意が必要です。
□生理が1カ月に何度もくる
□生理が8日以上続く
□生理が3ヵ月以上こない
□生理の期間が2日以下
生理が1ヵ月に何度もくる「不正出血」や「頻発月経」
生理が何度かくる場合は「不正出血」や「頻発月経」の可能性があります。不正出血は、子宮頚管ポリープや、子宮内膜症、子宮頸がんなどの病気が原因であることも。
頻発月経とは、24日以内に再度生理がおこり1ヵ月に2~3回生理がある状態です。ホルモンバランスが乱れやすい思春期や更年期が近くなった女性に多くみられる症状です。
生理が8日以上続く「過長月経」
生理が8日以上続くことを「過長月経」といいます。
ホルモンバランスの崩れや子宮筋腫、子宮腺筋症などが原因の可能性があります。
生理が39日以上こない「稀発月経」
20代~40代前半くらいまでの女性で、妊娠していないにも関わらず、生理の周期が39日以上の場合、「稀発月経」といわれ、月経が3ヵ月こない状態は「無月経」といわれます。無月経が続いていると女性ホルモンが低下し骨粗しょう症などのリスクもあがります。
生理の期間が2日以下の「過短月経」
出血して3日以内で月経が終わったり、2日目でナプキンの交換が必要ないほど少量だったりする場合、「過短月経」といわれます。
生理の期間や周期は、女性の身体のサイクルにとって、非常に重要です。生理の乱れは、子宮や卵巣、ホルモン分泌の指令を出す脳などに、なにか異常が起きている可能性があります。
そのままにしておくと不妊症につながる恐れもあるので、気になる症状がある方は婦人科を受診しましょう。
監修者プロフィール
淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田綾子
2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。