2021年に乳がんが発覚し、その後手術を受けた様子をInstagramに絵日記で公開しているこほこさん。
ランドリーボックスでは、乳がん発覚の経緯から検査で行ったこと、当時の気持ちをより詳しく綴ってもらいました。
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コロナ禍のリモートワークにも慣れてきた2020年冬。
私は仕事もぼちぼちこなし、職場の健康診断も問題なく穏やかな日々を送っていました。
久しぶりに出勤したある日のこと。
親しい同僚が初めて人間ドックを受けようと人事に相談しているところに出くわしました。
その場にいたもう1人の同僚が「人間ドックは絶対受けたほうがいい!」と力説していたのです。それなら、いっちょ私も受けてみるか…と思い、自宅からもっとも近い病院をチョイスして予約しました。
乳がん検診も久々にやってみようと思いオプションを加え、「何も見つかるわけないわ〜い」とお気楽に人間ドックを初体験。
このときは、病院から慌てた声で電話がかかってくるなんて夢にも思っていませんでした。
まさかの再検査の連絡
2020年の年末、12月上旬に受けた人間ドックの病院から「すぐに乳腺外科を再受診してください」とお電話をいただく。
仕事の繁忙期だし土曜日がいいな〜と聞いてみたけれども乳腺外科は月曜日のみとのこと。最速で年明けに予約を取りました。
再検査の予約だけで、詳細はなにもわからず、お正月休みはドキドキしながら過ごすことになったので、推理小説を読みまくって脳を勘違いさせることに勤しみました。
年明けいちばんに乳腺外科を受診しに行きました。まずはエコーの検査室へ。
技師さんから「シコリはこれですか?」と聞かれるけども、乳腺が乳頭から脇に向かって硬くなってるだけのようで自分ではよく分からない…。
脇を何往復かしたあとに、「確認しにくい箇所だから」と他の技師さんに交替してさらに数往復。
脇への転移を入念に見てるのかな?
良性か悪性か、転移していないかと不安でしたが、技師さんの表情からは察することができず…。
真冬に上半身裸になり、ジェルを塗られ、体が冷えたまま外来の待合室へ。
検査その2:マンモグラフィー&エコー結果の説明
エコー検査が終わり、いよいよ乳腺外科の診察です。
先生初めまして〜。
もしもいきなりがんだと告知されたら…と不安があり、夫と共に診察室へ。
まずは人間ドックで撮ったマンモグラフィーの説明をしてもらいました。
それによると、右胸で広範囲に石灰化しているとのこと。
セッカイカ…なにそれ固いのかい…?
続いて診察直前に撮ったエコーの説明。
「8mmくらいの、輪郭がぼやけたものが見えます」とのこと。
良性だともっとハッキリしているのだそう。
でもこの検査結果だけではまだなんとも言えないし、ひとまずMRIを受けることに。
良性かな、悪性かな、どっちかな〜?
マンモグラフィとエコーでは結果を確定できないんだなぁ〜知らんかった〜、と思いつつMRIの予約を取り、帰宅して午後から普通にお仕事しました。
検査その3:造影MRI
造影MRIは予約日にひとりでゴー!
過去に小児喘息があったので造影剤の同意書のときに確認事項がありました。
技師さんも「少しでもおかしく感じたらすぐにボタンを押してくださいね」とお気遣いしてくれる。優しい…。
うまいこと胸をはめる穴があり、うつ伏せでイヤホンをしたあと、技師さんが助けを呼ぶボタンを優しく握らせてくれました。
じっとしなきゃと思うと鼻がムズムズして擦りたくなるから、人間心理って不思議…。
カンカンカンと音が聞こえるのは気にならないんだけど、鼻が鼻が…と鼻のムズムズを気にしつつしばらくすると放射線科の医師から造影剤入れますよ〜と言われ、そのうち左手が冷たくなってお尻が温くなる。
終始鼻がかゆいまま30分くらいで終了。その後はとっとと帰宅しました。
検査その4:針生検
MRIの結果が出るから今度こそなにか判明するのかも!と、夫とともに外来を受診。
だけどハッキリ写ってなくてマンモグラフィ&エコーの結果と乖離しているとの説明…。
ほんなら実はなにもないのかも〜?と淡い期待を抱く(素人だから☺️)。
その後、細胞組織を針で採取してがん細胞があるかどうかを調べる「針生検」をすることに。同意書を書いて診察台に横になります。
麻酔を打って効いてるか確認し、脇の下に枕をかませていい感じにセッティングしたらグイッと針を刺してる?ような?感覚が。麻酔でよくわからん。
見えないしなんだかよく分からないけど先生がんばれ〜。
と思ってたらバチンバチンと、音と振動がする。このタイミングで細胞を取ってるのだろう。
乳房のエコーを見ながらその位置に針を刺せるのすごいなぁ〜、ちゃんと取れたかなぁ〜、とぼんやり思っているとすぐ終了。
その後しばらく看護師さんがガーゼで押さえながら、お仕事なにされてるんですか〜と世間話をしてくれました。
結果が出るまで2週間かかるとのこと。時間が開くと緊張しちゃう…けれども、やれることをやるだけだ〜。
そう思い、午後から仕事に戻ったのでありました。
麻酔が切れてからはズキンズキンというほどではないけれど、当たると打身のように痛みが。
ちなみに針が通った箇所が青黒くなったけど、1週間くらいで元に戻りました。
しばらく行けなくなるかもしれない温泉へ
針生検の結果が出るまで2週間。
もし悪性だったら手術する病院はどこがいいのか、夫に調べてもらいました。
でも、実は良性かもしれないし!
でも悪性だったら、趣味の温泉とかスーパー銭湯にしばらく行けなくなるかもしれない。
知識もないから、よう分からん…。
いろいろ考えても、状況は変わらないのでとりあえず週末は風呂ざんまいしました。
針生検査の結果
2週間後、針生検の結果を聞きに夫と乳腺外科へ。
大丈夫かも?と思いつつ診察室へ入ると、医師がキリッとした雰囲気で、「検査の結果は浸潤性小葉がんでした」と教えてくれました。。
ショウヨウガン…乳がんとどう違うの?はて。
病名は右乳がん。
グレード2
ルミナールAタイプ
初めて聞く横文字が並んで頭に入りませんが、とにかく乳がんで手術ということは分かりました。
乳がんにもタイプがいろいろあるって知らんかったよ…。
手術をするのはこの日の医師が所属している同じ系列の病院に紹介状を書けるけど、2カ月後しか空きがないとのこと。
早く手術できる他の病院を探すかどうか悩みましたが、この日の医師がいる病院でお願いしました。
乳がんである自分も徐々に受け入れられた
人間ドックで「すぐ受診を」と連絡があってから告知まで約1カ月半。
気持ちは刻々と変化していくけど、いちばん不安だったのは初めて乳腺外科を受診するまでの2週間でした。
ちょうど年末年始を迎えるタイミングで年内の予約が取れず、ひたすらドキドキして過ごしたお正月。
マンモグラフィーの結果はどうだったのか、どこまで広がっているのか…分からないというのは怖いもんです。
初診で告知されるかも?と最初から夫に同行してもらったけど、私の場合はエコー、MRI、針生検と検査が続いて、初診から告知までには1カ月かかりました。
悪い思いこみが頭の中で膨らまないように、ネット検索はあまりしませんでした。
でも、のちにがんである自分を受け入れるまでの期間が、誰にでもあると知って、その情報は予め知っておけたらよかったなと思いました。
不安な状態が続いたので、乳がん告知後さらに落ち込んだらどうしよう…と心配でしたが、徐々に受け入れ、気持ちをなんとか保って手術・治療を開始することになったのです。
なにも知らなかったあの頃の自分や、今、同じように乳がんが見つかった人に、いろいろあるけどなんとかなって、人生は続くよと伝えたい。誰かのためになったらいいなと思い、インスタで絵日記を公開することにしました。
次回は、「乳がん手術の2カ月前にやったこと」について書いていきます。
*本記事はこほこさんの場合の体験記です。検査の流れや症状はケースによって異なります。医師の診断や指示に従いましょう。また、体に異変や違和感がある場合は受診をおすすめします。
【本記事はこほこさんのInstagramの投稿に加筆・編集を加えたものです】