「最近眠気が強いけど、もしかして妊娠?」「お腹の痛みはPMS?それとも妊娠?」妊娠を希望していて、妊娠の兆候について気になる人は多いと思います。妊娠初期の症状、妊娠を確認する方法などを紹介します。

妊娠超初期とは?

妊娠超初期という定義はありませんが、この記事では妊娠4週より前の期間を「妊娠超初期」と呼ぶことにします。妊娠超初期を知る上で大切なのが、妊娠週数の数え方です。妊娠週数は最後の生理が始まった日を妊娠0日目としてカウントします(妊娠0週0日)。

おおよその目安としては、排卵日が妊娠1週後半~2週ごろ、受精は妊娠2週ごろ。受精後すぐに妊娠が成立するわけではありません。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管の先から子宮へ移動して、妊娠3週頃に子宮内膜に着床してはじめて妊娠が成立します。

妊娠超初期の症状

多くの場合、妊娠初期である妊娠4~5週に妊娠に気づく傾向があります。体調の変化に敏感な人なら、妊娠3週くらいの妊娠超初期の段階で、なにかしらの兆候に気づくことも。

妊娠超初期に起こりやすい症状は以下の通りです。

  • 着床出血
  • 胸の張りや痛み
  • お腹の痛み
  • 腰痛
  • 頭痛
  • ニキビなどの肌荒れ
  • 体がだるい、眠たい
  • 頻尿、お腹の調子が悪い
  • 味覚の変化

妊娠超初期症状の現れ方は個人差があります。あくまで「このような症状が起こりうる」という参考程度にとどめておきましょう。

PMS(生理前症候群)と妊娠超初期症状の違い

妊娠超初期に起こる体調の変化は個人差があるため、気づかない人もいます。多くの場合、妊娠が分かったときに「あの時の症状は妊娠超初期の症状だったかも」と思うことが多いです。

妊娠超初期の症状とよく似ているのが、PMS(月経前症候群)の症状。(PMSとは、頭痛、お腹や胸の張り、便秘、手足のむくみ、肩こりなど、生理前に身体に起きるさまざまな不調のこと)

妊娠超初期の症状が現れる時期は、PMSの時期と重なるため区別がつきにくいですが、どちらなのかを知る目安になるのは基礎体温の動きです。

基礎体温とは、起床後に状態で計測する体温のこと。基礎体温は生理周期と連動していて、排卵から生理が始まる前までは高温期に移行し、生理がくると低温期に移行しますが、妊娠していた場合は高温期が継続します。

生理周期にもよりますが、高温期はおよそ14日間。先ほど紹介した妊娠超初期の症状に加えて基礎体温が高い状態が続く場合は、PMSによるものではなく、妊娠超初期症状の可能性が高いといえるでしょう。

基礎体温は専用の体温計で測る

生理周期とともに変化する基礎体温の変化は0.3~0.5℃とごくわずか。その変化を記録するには、専用の体温計を使いましょう。婦人科体温計なら、小数点第二位の数字まで表示されるので、生理周期における基礎体温の変化が把握しやすくなります。

基礎体温については、生理前に体温は上がる?基礎体温と生理周期の関連性の記事でくわしく紹介していますので、気になる方はチェックしてくださいね。

妊娠を確かめるには、妊娠検査薬や産婦人科の検査で確認しよう

妊娠をはっきり確かめるには、妊娠検査薬を使用したり、産婦人科を受診したりしましょう。

・自宅で妊娠検査薬を使う

妊娠するとhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが増え、尿中に排泄されます。妊娠検査薬はこのhCGに対して陽性反応が出て、妊娠の可能性がわかる仕組みになっています。

一般的に妊娠検査薬で反応が出るのは生理予定日から1週間後、妊娠週数5~6週目頃です。(商品によっては、妊娠4週目ころの生理予定日から使えるものもあります)

注意点としては、妊娠の超初期はhCGが少ないため、妊娠していても妊娠検査薬で陰性になる場合があること。妊娠検査薬で陰性になっても、生理がこない場合は妊娠している可能性があるので、数日たってから再度妊娠検査を行うか産婦人科を受診するようにしましょう。

・産婦人科を受診する

産婦人科で妊娠をはっきり確認できるのは、エコー検査で胎のう(赤ちゃんを包む袋)を確認できるようになる妊娠5週以降です。産婦人科では尿検査やエコー検査、内診などが行われます。

妊娠は病気ではないため保険適用されません。費用は医療機関によって違いますが、2,000円~1万円ほどです。

妊娠超初期のときに気をつけたいこと

妊娠している可能性があるときに気になるのが、それまでの過ごし方です。「妊娠に気づかずに、お酒や薬を飲んだりしてしまったけど大丈夫かな」と心配になる人もいるでしょう。

赤ちゃんの身体の基礎が作られるのは妊娠4週からであり、それ以前の妊娠超初期の行動が赤ちゃんの健康に大きな影響を与える可能性は少ないと考えられています。

とはいえ、妊娠していたならすでに妊娠生活は始まっています。おなかの赤ちゃんが健康に育ち、ベストコンディションで出産を迎えるためにも、以下に注意しておきましょう。

  • 飲酒、喫煙を避ける
  • 放射線検査は事前に医師に相談する
  • 薬の服用は医師に相談する

妊娠すると、人によっては妊娠超初期になにかしらの症状を感じることがあります。症状には個人差があるため、気づかないこともあるので参考程度にとどめておいてください。

実際に妊娠しているかは、妊娠5週目以降に妊娠検査薬や産婦人科などで確認しましょう。

監修者プロフィール

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医

柴田綾子

2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。

https://twitter.com/ayako700

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