生理前になると微熱っぽくなる。体温が上がったのは風邪?それとも生理前だから?
女性の身体は排卵を境にして、低温期と高温期にわかれます。生理前の約14日間は高温期にあたるので、ふだんよりも体温が高い状態になります。
基礎体温を測っておくと、身体の状態を把握しやすくなり、前もって備えられて安心です。
女性の体温は、低温期と高温期にわかれる
女性の基礎体温は、排卵日を境にして低温期と高温期に分かれます。個人差はありますが、体温は低温期と高温期で、0.3~0.5度ほど変化します。(基礎体温とは、安静にしているときに測った体温のことです)
生理周期を28日だと仮定した場合、約14日ごとに低温期と高温期が入れ替わります。
- 低温期
生理がはじまってから約14日間は低体温期が続きます。生理終了後から排卵までは、体調がよいことが多いです。排卵は、基礎体温が低温期から高温期へ移行する前に起こると言われています。
- 高温期
排卵後に女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌がはじまると体温が上がり、約14日間は高温期が続きます。高温期には身体のむくみやイライラなどを感じ、PMS(月経前症候群)の症状が出やすい時期です。生理が始まると低温期に移行します。
基礎体温を測ると、身体の変化に気づきやすくなる
基礎体温を測ることで、以下のようなメリットがあります。
- 次の生理日を予測できる
高温期に切り替わったら、およそ12~14日後が次の生理予定日だと予測できます。
- 排卵日を予測できる
低温期が続いて体温が高温期へ上がる前に排卵が起こります。妊活をしている場合は、排卵日がわかると性交渉に適した日がわかります。
- 妊娠の兆候に気づきやすくなる
高温期が14日以上続いても体温が下がらず、生理が来ない場合は妊娠している可能性があります。
このように自分のサイクルを把握できれば、「そろそろ排卵日がくるな」「PMSがはじまりそう」「生理がきそう」などと予測しやすくなるため、心の準備ができます。
基礎体温の測り方や確認方法
基礎体温を測りたいと思ったら、「婦人体温計」(基礎体温計)を用意しましょう。
家庭用の一般的な体温計は「36.5度」など小数点第一位までしか測れませんが、婦人体温計は「36.52度」など小数点第二位まで測れて、こまかな変化を記録できます。
そして夜寝る前に枕元に婦人体温計を準備し、朝起きたら起き上がらずに安静な状態で体温を測ります。測った体温は、基礎体温表やアプリに記録しておきましょう。
基礎体温を測りはじめたら、低温期と高温期がきちんとあるか確認
- 高温期なのに体温があまり上がらない、高温期が短い
卵巣から出るプロゲステロン(女性ホルモン)の働きがよくない可能性があります。
- 低温期が続く
体温が上がらずにずっと一定の場合は、排卵がうまくいっていなかったり、女性ホルモンのバランスが崩れていたりする可能性があります。
上記に当てはまる人や、気になることがある人は、婦人科で相談してみましょう。
基礎体温をつけていると、あらかじめ自分の身体の状態を把握できます。
「排卵期がもうそろそろくる」「高温期のときは、あまり用事を入れないようにしよう」など、自分の身体と向き合って、いたわっていきましょう。
監修者プロフィール
淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田綾子
2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。