ピルを飲んではダメですか?

ピル=「性に奔放な女性」という偏見について考えた

2019年09月20日工藤まおり
2019年09月20日
工藤まおり

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  • ピル

    生理痛・PMS

    ―18時30分
    携帯で設定したアラーム音が部屋に響いた。原稿を書いていた手を止めて、ピルを準備する。水を準備するのも面倒に感じ、そのままミンティアを食べるようにパクっと口に含んだ。

    日本のピルの服用率は数%と言われている。ほかの先進国に比べると、非常に低い。実は私自身も、ピルを飲み始める前はどちらかというとマイナスイメージだった。同じ時間に飲むなんて面倒で、忘れちゃいそうだし。飲まなくても、十分日常生活が送れているし。病院に通うのも面倒くさい。

    そんな私がピルを生活に取り入れることになったキッカケは、フリーランスとしての独立だ。会社を退職し、個人として仕事を請け負うことを決めたから、自分の体調を自分でコントロールできるようにしたかったのだ。

    1人で仕事をするということは、自分の代わりがいないということ。それが喜ばしい反面、体調管理はしっかりしなければならない。生理が辛いからと言って、仕事が遅れることは避けたい。

    独立準備をしている期間に、友人から「ピルは自分の生理周期をコントロールできるから、独立するなら飲み始めたら?」というアドバイスを受け、私はピルに関する情報収集をはじめた。

    学生の頃、避妊のひとつの方法としてピルを習ったので、私の第一印象は“避妊ができる薬”だった。しかし調べてみると、予想以上に避妊以外で多くのメリットが散らばっていた。

    出血量を抑える効果。PMSの改善。生理日のコントロール。

    ピルがもし、避妊効果だけの薬だったら、私は服用していなかったと思う。

    さまざまなメリットがあって、それらは“毎日飲む”という煩わしいものと比較した上でも魅力的に思えたので、生活に取り入れることを決めた。

    ネットで調べてみたところ「生理がきたタイミングで服用をはじめましょう」という記載があったので、退職後、生理がきたタイミングで婦人科へ向かった。

    ピルのメカニズムとデメリット

    「低用量ピルには、2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)が含まれています。毎日服用することによって卵巣が休眠状態になり、排卵を止めます。また、子宮内膜の発達を抑制して着床させなくする働きもあります。しかしピルには、血栓症になるリスクもあるので、病院で血液検査を行いましょう」

    婦人科でピルを希望している旨を伝えたところ、ピルについての説明書をもらった。名前を呼ばれるまで、ピルのメカニズムとデメリットについて何度も読んだ。メリットがあるけれど、もちろんデメリットだってある。「リスク」という言葉に、少しだけ心がヒヤリとした。

    医者に呼ばれて改めて直接ピル説明を受けたあと、希望の種類を聞かれた。私にはそれぞれの違いがわからなかったので、女医さんが勧めていた保険適用されているヤーズフレックスを服用することに。このピルは、最長120日間飲み続けることができる。つまり、120日間生理を抑えることができるのだ。

    月に1回の生理を、約3カ月に1回の頻度にできたら、その分心も身体もラクだし、生理用品も不要になる。ピルを服用する上で少しコストが気になってはいたが、生理用品代も抑えられるし、生理痛も緩和されるということであれば自分にとっては合格点。来院したその日から、私はピルの服用をはじめた。

    ピルを飲み始めてからの体調変化

    実際にピルを飲み始め、想定はしていたが毎日同じ時間に薬を飲むことが非常に億劫だった。1時間くらい過ぎてしまい、慌てて飲むこともしばしば。

    しかし毎回生理の度に使っていた痛み止めが不要になるくらい、生理痛が軽減されたし、多かった出血量も格段に少なくなった。ある程度の気分の波はあるが、以前に比べたらPMSの症状も収まった気がする。パートナーからもデートの際「あんまり症状出なくなったね」と言われた。

    薬一粒でここまで身体が劇的に変わることには驚いた。ピルを飲むようになってから、私の心と身体はとても安定した。

    周囲の女性にピルの話をすると「昔、服用していたんだけど、飲むと逆に気分が悪くなったんだよね」と話す人もいたので、身体によってピルの相性があるのかもしれない。私はありがたいことに、初回で処方された薬でなんの問題もなく、健康的に過ごせるようになったので、ヤーズフレックスと相性が良かったのだと思う。

    ピルに対する偏見も

    しかし一部の男性からは、「ピルを飲む女なんてはしたない」「性に奔放な女性だ」などの声があり、ピル対するイメージが非常に悪かった。彼らの頭の中では、「ピル=“避妊具”」「避妊を毎日しているのは、SEXを頻繁にする女」という固定観念があるらしい。

    「避妊のために飲んでいると思われるので、理由を明記したほうがいいです」というアドバイスもいただいた。

    避妊効果もあるピルを、それ目的で服用してはなぜいけないのだろうか。むしろコンドームよりも高い避妊効果があるので、コンドームとピルをどちらも活用すれば、望まない妊娠をする可能性が格段に下がる。ピルを飲んでいる女性は、リスクをしっかり考えている女性という捉え方だってできるはず。

    そんな疑問を知人の男性に話してみたら、「ピルを飲んでいる子は、中出しできるというイメージはあるね。ピルを飲んでいるのに、中出しをさせてくれない女の子って、性病を疑っちゃうかも」と話していた。

    その言葉を聞いて私は無限の果てまで呆れてしまった。ピルは避妊効果があるけれど、性病の予防にはならない。そもそもなぜ、彼女が性病を持っている可能性の前に、自分は必ずしも性病がないと言えるのだろうか。

    男性だけではなく、女性がピルに対する偏見を持っているケースもある。とある女性は、生理痛改善のためピルを処方しようとしたところ、母親から「ピルを飲むことは性被害にあう可能性がある」と言われ、病院で処方してもらった薬を母親に捨てられたことがあると話していた。

    このようなピルに関する勘違いや偏見がある原因は、ピルに対する情報が「避妊」に偏っているからだと感じる。ピルの「生理日コントロール」「PMS改善」などの認知も広がっていけば、世間の見え方は次第に変わってくると思う。

    自分にあった、生理の向き合い方をしてほしい

    PMSや生理痛など、生理による症状が気にならない人であればそのままでもいい。しかし症状に悩んでいて、その改善方法のひとつとしてピルに興味をもっている人に、ちゃんとピルが届けられるように、社会の偏見が少しずつ変わっていってほしいと思う。

    今回はピルについて長く語ってしまったが、それ以外にも生理向けのアイテムは、紙ナプキン、布ナプキン、月経カップなどさまざまある。そのときの悩みにもよるが、生理用品の種類を変えるだけでも、辛かったところが改善される可能性もあるだろう。

    すべての方が、自分にあった方法で生理と向き合えるために。定期的に自分に訪れる、生理といかに楽しく付き合っていくかを考えられるように。ピルに対する偏見が、少しでも変わりますように。

    私は、明日もピルを飲もうと思う。

    工藤まおり
    津田塾大学数学科卒。 新卒でリクルートスタッフィングに入社。
    人材派遣営業に携わったのちに、1年で退職しTENGAに転職。
    TENGAと、女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRに4年携わったのちにフリーランスとして独立。
    複数社のPR業務と恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。
    Twitter:@maori212

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