「セックスでイク」って、どんな感覚?セックスを気持ちいいとは思えるけれど、私って本当にイケているの……?

一人ひとり違う身体の反応。自分の身体の感覚は自分にしかわからないゆえに、疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。ランドリーボックスが募集したアンケートでは、「電流が流れるみたい」、「全身が痙攣する」、「波がくる感じ」といった、オーガズムの感じ方がさまざま寄せられました。

イク瞬間ってどんな感じ?女性300人から集まった赤裸々コメント「達したことがある」が52%(調査結果)

そんな中で、「セルフプレジャーでもセックスでもほぼ毎回イケる」とアンケートに答えてくれたNさん(50代)にお話を聞きました。

Nさんは、初めてセックスをした相手と結婚し、現在もパートナーとしかセックスをしたことがないことから、「他の人はどういうセックスをしているんだろう」と興味がわき、「性の講習会」に参加するようになったそうです。

セックスの相手はひとりだけ。好奇心から性の講習会に参加

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ーーまずは、Nさんとパートナーの現在の性生活について教えてください。

私は50代、彼は60代です。20代で初めてセックスをした相手が彼で、そのまま結婚して25年ほどになります。経験人数は彼一人です。ここ数年は彼の性欲や体力が落ちてきたので、数カ月に一度こちらから誘ってセックスをする場合が多いですね。特別な経験や、華やかなエピソードは全然ないですよ。

ーーNさんが「性の講習会」に参加するようになったのは、パートナーとのセックスになにか悩みがあったからですか?

いえ、悩みは特になく、純粋に好奇心からです。これまで彼としかセックスをしたことがないので、世の中の人はどんなことをしているんだろうと気になって。

私からみると、参加者や講師はみんな性の先輩であり、性の達人なんです。みなさんが極めてきた知識や世界を教えてもらうのが面白くて、何回か参加しています。

ーー例えば、どういった講習会に参加しているんですか?

例えば、快感を得られやすくなるためのストレッチや呼吸のワーク、さまざまな女性を講師に招いた身体の触り方の実演、男性からの意見をきくなど、さまざまな角度から性について学んでいます。

そこは老若男女が性について語る場所で、参加者同士が「性」についてお互いを否定することなく話し合う機会もあって。私はもっぱら聞くばかりなのですが、いろんな話が聞けて楽しいです。

ーー講習会に参加することは、パートナーに話しますか?

はい。行く前も話すし、帰ってきてからも「今日はこういうことを勉強した」と話しますね。彼は、「またアングラなとこ行って〜」と笑いながら聞いてくれますし、「今日得た知識を試したい」と言えば付き合ってくれます。

ーー実際に持ち帰って、実践もしているんですね。

でも、どんな講習会に行っても、結局は「自分の気持ち良さを自分でわかって、それを相手に伝えることが大事」とみなさんおっしゃるんです。

SMや緊縛、挿入を伴わないオーガズムのセッションにも行きましたが、一見派手なプレイでも、「共通しているのは相手とのコミュニケーションを取ることが第一」だと。ざっくり言えば、相手任せにせずに、自分から伝えて動いて、快感を得るようにしましょうってこと。

「えぇ、そんなの当たり前じゃないの?」と思いました。でも、参加者の悩みを聞いているとみなさん案外「伝える」ことに苦労されていて驚きました。

自分にとっての「イク」感覚は、寝転んだまま電球の紐が引けたときの気持ち良さと一緒

Photo by AC

ーーNさんにとってセックスは「相手に気持ち良くしてもらう」ものではなく、「要望を伝える」、「自分から動く」ものだったんですね。

はい。でも、講習会以外でも同年代のお友達と夫婦間のセックスの話をすると、「自分の要望は言えない」とか、「向こうから誘ってもらってする」って言うんですよね。でも、それでは、自分がしたいときに相手から誘ってもらえなかったらできないじゃないですか。

「そんなセックスで楽しいの?」って聞くと、「楽しくない」って。

自分がしたいときにできなかったら、全然楽しくないですよね。でも、したいかどうかも、何をしてほしいかも、言わないとわからないでしょう。どうしたら自分が気持ちいいかは、相手より自分のほうがわかっているから、私はしてほしいことは言うし、自分からも動くようにしていますね。

ーー講習会に参加する前から、自然とそれができていたと。

せっかくセックスするんだったら、絶対に気持ちよくなりたい。だから、触ってほしいところは言うし、「こうやって動いてもらったほうが気持ちいいよ」って言います。

アイテムを使ってほしいときは使ってもらう。自分から動いたほうが気持ちいいときもあるし、向こうに動いてもらったほうが気持ちいいときもあるから、その時々に応じて気持ちを伝えます。

セックスって、まずは楽しいことが大事だと思うんです。その次に、自分が気持ちよくなること、そのあとに、相手も気持ちよくなってくれたら嬉しいな。

ーー現在のパートナーが、初めてのセックスのお相手とのことでしたが、付き合い始めの頃からそういうセックスができていたんですか?

最初からいきなりセックスで気持ちよくなれたわけではないですね。初めは、漫画などの描写と比べて、「こんなもんかぁ」と思っていました。向こうが誘ってくれるからする、ということのほうが多かったです。

何回かしていくうちに、気持ちよさがわかってきました。セルフプレジャーのときの気持ち良さと、セックスの気持ち良さが混ざり合っていった感覚です。それからは、基本的にはほぼ毎回イケるようになりました。

ーー「イク」感覚は人それぞれだと思うのですが、Nさんにとって「イく」とはどういう感覚ですか?

うーん。よくいう意識が飛ぶみたいな華やかなことはないですよ。

でも、「イケた」感覚は、自分の中で一つ基準があります。紐付きの照明器具をイメージしてください。寝るときに、寝転んだまま「よし寝よう」って腕を伸ばして電気を消すでしょう。でも寝転んでいるから紐がなかなか掴めない。腕を伸ばして、紐が掴めて、「カチンカチン」と紐を引っ張って、ようやく電気が消せた。その気持ち良さは、私にとって「イク」感覚と一緒です。

ーー漫画やアダルトビデオだと、誇張された表現になりがちですが、案外「電気が消せた」くらいのささやかな感覚を掴んでいけばいいのかもしれないですね。その感覚が掴めたのは、セックスではなく、セルフプレジャーが先ですか?

セルフプレジャー自体は、小学生くらいの頃に「なんとなくここが気持ちいいな」というのに気づいてから続けていました。そのうちに「カチンカチン」の感覚がわかって、それをセックス中にも感じられるようになりました。

イク感覚は、セルフプレジャーでも、セックスでも同じです。「肌の触れ合いがないと駄目」みたいなこだわりはないですね。

ーーセルフプレジャーをするうちに気持ち良さがわかり、そこからセックスにもつながっていったと。

はい。でも、自分でしない人って結構多いらしいですね。

例えば、友人とプレジャーアイテムを買いに行ったときにショップの人が「アイテムを使うときは、自分が興奮できる妄想をして、気分を盛り上げてからのほうがいいですよ」と説明をしてくれたんですが、私は「そんなの当たり前じゃん」と思ったんです。「自分が何で興奮できるかわからない」って人が結構多くて驚きました。

ーーNさんは、自分がなにで興奮するかわかっているんですね。

スマホの検索履歴、人に見せられないですね(笑)。

小学生の頃から、セクシャルな漫画や小説をこっそり読んでいました。母にバレたときは「そんなの読んで、はしたない」なんて言われたんですけど、ダメなことだとは思いませんでした。

身の回りの友達にも、実際にアイテムを買ってみたはいいけれど罪悪感があってセルフプレジャーができないって子もいるんです。アイテムを使うより、人と触れ合う方がいいって子もいる。

でも、自分の気持ちいいポイントがわかって、それをパートナーにも伝えられたら、お互いもっと楽しいセックスができるじゃないですか。なんにも悪いことじゃないと思うんですけどね。

50代になって訪れたセックスレス。勇気を振り絞って「セックスがしたい」と伝えた

Photo by Nani Chavez on Unsplash

ーーNさんにとってのセルフプレジャーは、自分にとっての「気持ちいい」の感覚を深めるためのものですか?

性の勉強会に参加していた年下の女性から、「自分の気持ち良さは自分で開発していかないと」と教えてもらったんですが、私にとってセルフプレジャーは、開発のためというよりは単にムラムラしたときにするものですね。

彼が60代になってからは、彼の性欲も落ちてきていて。私がしたいなって思うときにお願いしてセックスしているので、正直、彼の体を借りたセルフプレジャーに近いというか、独りよがりなセックスをしてしまっている気もします。

ーー「お願い」はどうやって伝えるんですか?

そのまんまです。「今日したい。いい?」と言いますね。

ーー自分が気持ちよくなるために、相手の体を借りると。毎回そういうセックスをしているわけではないですよね?

そうですね。自分だけが気持ちよくなれればいいときもあるし、お互いが一緒に気持ちよくなりたいときもあります。気分次第ですね。

年齢を重ねてきてからは、彼が勃たないときもあるから、「じゃあ手だけ貸して」といった感じですね。そういうときは、私が満足できたら終わります。

ーーパートナーが、Nさんの誘い方や要望に対して不満を言うことはありますか?

特にないですね。今は私のほうが彼より性欲が強いので、こちらばかりが要望を伝えていて申し訳ないのですが、それでも彼は受け入れてくれています。こちらが誘えば、彼が勃たないときでも応じてくれます。

ーーパートナーの体力や性欲が以前より弱くなってから、すれ違うことはありませんでしたか?

すれ違いまではありませんが、「私から誘っていいのかな」と気がひけることはありました。20-30代の頃は、彼も体力があったから自然と彼から誘ってくれることもあったし、自分から誘うこともあり、セックスで悩むことはあまりなかったです。

でも、私が40代、彼が50代になったころ、いわゆるセックスレスになったんです。「セックスしたい」と切り出すのは勇気がいりましたね。「もうしたくないのかな、したいのは私だけなのかな」と悩みましたが、勇気を振り絞って話をしてみました。

ーー勇気を出して伝えたんですね。パートナーの反応はどうでしたか?

「いやって言われたらどうしよう」と思っていたんですけど、「したくないわけじゃないよ、大丈夫だよ」と言ってくれました。それからはお互いの体力も考えつつ、またセックスができるようになりました。

いつまでもセックスができるかわからないこそ、一回一回の満足度を高めたい

photo by Sven Mieke on Unsplash

ーー今までのように、まずは自分の要望を伝えることが大切だったんですね。

「セックスしたい」って伝えることを、今さら恥ずかしがっててもしょうがないと思うんです。彼ももう60代になるし、これからできる機会がたくさんあるとは思えない。だったら、一回一回、満足のいくセックスをして、もっと気持ちよくなりたいし、もっと楽しみたいと余計に思うようになってきました。

ーー年齢的に限界を感じるからこそ、より満足度を高めたいんですね。今は、どれくらいの頻度でセックスされているんですか?

1年に3〜4回ですね。毎週とか、毎月しようと決めてしまうと、セックスが義務になってしまうのではないかなと思いました。私も、「決めたからにはちゃんと濡れないと」なんて思ったら余計濡れないでしょう。それなら、自分が本当にセックスしたいときにしたほうがいいと思うんです。

生理前とか、すごくしたくなる時があるでしょ? そういう「今だ!」ってときに彼を誘います。相手の都合を聞いていたら、次にしたくなるのがいつになるかわからないから。

ーーなるほど。だから先ほどお話しされていた、「相手の体を借りるだけのときもあるし、一緒に気持ちよくなれるときもある」につながるんですね。

そうです。私の「セックスがしたい」という気持ちがマックスのときに合わせているので、相手の状況は二の次ですね。

でも、講習会では男性側の話を聞けることもあるので、彼の気持ちも考えるようになりました。男の人も男の人で、勃たない不安があるし、薬を飲んでいる人もいる。そういうリアルな声を聞けるのは勉強になります。

ただ、リアルな男性の意見を聞いても、実際セックスするのは私とパートナーだから、得た知識を踏まえて、彼がどうしたいかを話し合っています。

ーー結局は、当事者間の話し合いが大事だと。

そうですね。自分がセックスしたい気持ちも大事にしたいけど、彼の老体に鞭打ってまで無理はさせたくないんですよ。「いやだな」と思ってほしくない。いつまでもセックスできるわけじゃないだろうからこそ、毎回「またしたい」と思ってもらいたいです。

ーー無理をしないセックスのために取り入れていることはありますか?

挿入を伴わなくても、セックスだと思えるようになりました。

SM嬢さんが気持ちよくなれる触り方を教えてくれる講習会があったんです。ペアになったのは全然知らない女の人だけど、「こうやったら気持ちいいかな?」って考えながら、身体に触れていくと、向こうも「気持ちいい」って感じてくれる。性器以外も性感帯になるんだってわかりました。

ーーそれまでは、挿入しないとだめだと思っていましたか?

そうですね。でも、挿入しなくても満足できるとわかってからは、相手に無理をさせなくてもセックスはできるとわかったので、気が楽になりました。

前提として、自分から体を動かして快感を得るようにして、感覚を掴んでいく。それを繰り返して、今日はここが気持ちいいな、今日はこっちだなって感覚を突き詰めていったら、さらにいろんな快感が楽しめる。挿入しなくても、相手が気持ちよく撫でてくれるだけでイケるかもしれない!

ーーNさんが本当にセックスを楽しんでいるのが伝わってきます。

性感帯も、毎回同じではないですよね。今日は腰を触られるのが気持ちいい、今日は腿の裏側、みたいに、触れられたい箇所もその都度変わる。だから、自分の体の感覚を受け取って、それを彼に毎回伝えるようにしています。そうしたらお互いもっとセックスを楽しめる。

昔よりオープンになりつつあるとはいえ、セックスに否定的な雰囲気はまだまだあると思うんです。だから、楽しめる雰囲気がもっと広がったらいいなと思います。

私みたいに、「もっとこうしたい」とか、「これが好き」という感覚を追求するのは何も悪いことじゃないし、それを相手に伝えたらもっといいセックスができる。それがみんなにとって当たり前になればいいな。

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ランドリーボックスでは、定期的なアンケートを実施しています。

現在は、「カラダの相性」をテーマにアンケートを実施中。みなさんのご意見をお聞かせください。

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