先日SNSで、とある女性の「女性の恥じらい」についての投稿を見て、私は開いた口が塞がらなくなりました。そのポストには、あるテレビ番組で特集された「女性のセルフプレジャー」に関する動画が添えられていました。

「恥じらいを失ったら、もう日本ではないと思います」

おそらく、この「恥じらい」は女性に向けたものだと思われ、投稿者は、「日本人女性は性に関して恥じらうべき」と言いたいのかもしれません。

48歳まで処女だった私は、これまで自分が「性=恥ずかしいもの」という偏見に縛られて、長い間悩んできたことを思い出しました。

そして、こうした周りの目や意見が、「処女であることは恥ずかしい」という思いを助長させているように感じたのです。

「自慰行為は恥ずかしいこと」という気持ちはどこから来るのか

photo by Bruno van der Kraan on Unsplash

これまでのコラムにも書いたきたとおり、私はとても厳しい両親の元で、性に関する発言などは、「タブーである」という環境で育ってきました。

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実は、私は幼い頃に寂しさを紛らわすために、自慰行為(セルフプレジャー、オナニー)をしていました。それは自分にとっては「気持ちのいい行為」かつ「嫌なことを忘れられる行為」であり、“自慰行為”であるという意識は全くありませんでした。

しかし、その行為をしている様子を見た母親は、「そんな恥ずかしいことはやめなさい!」と私を叱ったのです。まだ幼かった私は、なぜ恥ずかしいことなのかがわからず、しかし母親に怒られたことで、隠れてするようになったのです。

大人になってから、私がしてきたことは自慰行為だったのだと知りました。母親に叱られた記憶は私を縛り付け、「自慰行為は恥ずかしいことなのだ」と、自分が自慰で気持ちよくなることを、隠し続けることになったのです。

このコラムを読んでいる人の中にも、私と同じように“自慰行為”を親に咎められた記憶がある人がいるのではないでしょうか?

大人から咎められた記憶が、「自慰行為は恥ずかしいこと」「性をオープンにするのは御法度」という考えを植え付けることになるのかもしれません。

「セルフプレジャー」という言葉に出会い、救われた私

photo by Ales Maze on Unsplash

多くの人は、「自慰行為」や「オナニー」という言葉に、抵抗感があるのではないかと思います。何か後ろめたいような、ネガティブな印象があるのではないでしょうか?

アダルト業界では、商業上どうしても「オナニー」をエロの対象として扱いがちです。そういった背景もあり、女性のオナニーは「エロいもの」「恥ずかしいもの、「男性の欲情を掻き立てるもの」として扱われるようになってしまったのかもしれません。

しかし、性欲は人間にとっては、「食欲」と「睡眠欲」に次ぐ三大欲求の一つであり、決してネガティブな欲求ではないはずなのです。その自分の性欲を自分で処理するための行為が、「オナニー」なので、何も恥ずべきことではないのです。

その「オナニー」のネガティブな印象を変えるためにも近年の「セルフプレジャー」という言葉はとても大きな意味を持つと思います。

かつて自分の「オナニー」に罪悪感を持っていた私は、「セルフプレジャー」という言葉に出会い、「自分の性を楽しんでいいのだ!」と救われた思いがしました。

「自分が気持ちよくなることは、決して悪いことではない」。そう思えてからは、後ろめたい気持ちはなくなり、セルフプレジャーの時間を前向きに楽しめるようになったのです。

女性の性事情がオープンになったっていい

photo by Kseniya Petukhova on Unsplash

冒頭で紹介した女性のポストを読んだ時、「同性でこのようなことをいう人がいるのは、まだまだ女性の性事情は“秘め事”だとされているんだな」と思いました。

私たちはいつまで、自分たちの性事情に関して、隠していなければならないのでしょうか?

もっとオープンに自分たちの性事情を話し、自分たちが性を、そして性欲を楽しみ、解放していくのは悪いことなのでしょうか?

もちろん、オープンにしたくない人はしなくてもいいし、隠したい人の秘密は必ず守られるべきだと思っています。でも、でも、オープンにして自分を解放したいと思う人が、後ろめたい気持ちを持つことなく、性を語り合えるような雰囲気も大切なのではないでしょうか。

「セルフプレジャー」という言葉の中に持つ意味、「自分で自分の体を愛し、快感を求めること」を、もっと理解してもらえるような社会になることを、私は望んでいます。

ランドリーボックスでは、「処女」という言葉の違和感や考え方について掘り下げています。

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