【お悩み】

50代で更年期を感じていますが、その影響なのか口臭が気になるようになりました。マスクをはずすことも増えたので余計気になります。普段からできる対策はありますか?

更年期で口内が乾燥し、唾液が減る

人間には誰しも少なからず体臭や口臭はありますが、特に更年期の年齢に差し掛かると自分から発する臭いが気になってくる人も多いと思います。

これを西洋医学的に考えていくと、女性の場合は更年期に差し掛かると女性ホルモンの分泌が急激に低下します合わせて、唾液の分泌量も低下します。

本来唾液には、細菌の繁殖を抑えたり、口内に残った食べ物を洗い流したりする働きがあります。しかし口の中の唾液量が減ることで汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境ができてしまい、その結果歯周病菌が増殖し、口臭の原因に繋がってしまうと考えられています。

身体の潤い不足の「陰虚」

東洋医学的に見ると、西洋医学と同じように考えられています。

東洋医学ではよく7の倍数で年齢は変化すると考えられ、特に更年期以降は体の中の潤いが減少していきます。

加齢はだれしも実感があると思いますが、口の中や肌、目などあらゆるところが乾燥してきます。

これを東洋医学では身体の潤い不足の「陰虚(いんきょ)」と呼び、乾燥感やほてりなどを感じやすくなる、といった更年期らしい症状が目立つようになってきます。

「陰虚」のチェックリスト

口臭とともに「口内のねばつきや乾燥が気になる」という症状がよく見られます。

口臭以外によく一緒にみられる「陰虚」の症状としては

□ドライマウス、ドライアイ、口の渇き、乾燥肌などの乾燥症状
□頬の辺りの赤み  
□ほてりやのぼせ
□寝汗、多汗 
□手足のほてり 
□便秘
□イライラしやすい 
□口内炎を繰り返す
□耳鳴り、難聴 
□足腰に力が入りにくい

※この中で3つ以上当てはまると陰虚が進んでいると考えられます。

舌の状態も要チェック 

陰虚は舌の症状にも見られます。

イラスト=本人提供

➀舌は乾燥していてひび割れが入っている
②舌の色は赤味が強い

特にこの2つの症状があると、陰虚が進んでいる可能性が高いです。

おすすめの養生方法

では、陰虚を改善していく養生法をご紹介いたします。

食養生

食事では、黒豆、黒ゴマ、ひじき、牡蠣、イカ、ホタテ、山芋、オクラ、ブルーベリーや桑の実などのベリー類、豚肉などを積極的に摂りましょう。

写真=本人提供

生活養生

➀潤いを生む睡眠を大切に
②疲れやストレスは溜め過ぎない
③サウナやホットヨガ、半身浴、岩盤浴などで汗をかきすぎない
④香辛料や脂っこい物、味付けの濃い物は控えめに
⑤イライラも身体の余分な熱を生む原因に。伸び伸び日々楽しく過ごす

最後にツボ押し養生をご紹介します。

①太渓(たいけい)

イラスト=本人提供

身体の陰(潤い)を補うのにおすすめのツボで、内くるぶしとアキレス腱の間のへこみにあります。

へこみを押して、指先に動脈の拍動を感じるところです。優しく押したり、お灸をしたりするのがおすすめです。

②金津(きんしん)、玉液(ぎょくえき)

イラスト=本人提供

舌の裏の両側にある静脈の右側が玉液、左側が金津。

舌をぐるぐる口の中で回すと唾液が分泌されます。

口臭は命にはかかわらないにしても周りにも迷惑がかからないかと、気になる症状ですよね。

日々の生活にこれらの養生を取り入れて、口臭対策だけでなく、身体の内側から潤いを補って、更年期でも口臭知らずで、楽に過ごしましょう。

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