【お悩み】
最近ひざや指などの関節痛が気になり始めました。更年期対策として運動したいのですが痛くてなかなか運動ができないジレンマです。
気と血の流れがつまり、関節痛として現れる
更年期に限らず、中・高年になってくると増える「関節痛」。
東洋医学では関節痛のような、体の痛みを総称して「痺証(ひしょう)」と呼んでいます。
痺には、「つまって通じない」という意味があります。
では何がつまるのでしょうか?
…それは「気(き)」や「血(けつ)」です。
気や血を東洋医学では、生命活動を支えるエネルギー源や栄養物質であると考えています。何らかの原因や体質で気や血の流れがつまって通じなくなると、「痛み」となって現れてきます。
特に更年期以降になると徐々に気や血の不足や滞りも起こりやすくなり、必要な所に気や血が届けられないので、さまざまな部位で痛みが起こりやすくなります。
特に関節部分は曲がっているところなので、気や血の滞りやつまりが起きやすく、痛みに繋がります。
湿気と冷えが代表的な原因
また、関節痛を引き起こす代表的な原因は、湿気(湿邪)と冷え(寒邪)です。
「体の内側からの冷え」や「体の外側からの湿気や冷え」が関節痛・神経痛の原因になります。最も多いのは湿気の影響を受ける湿邪タイプで、寒暖にかかわらず1年中痛むことが大きな特徴です。
特に雨の日や天気が悪くなると痛みが強くなったり、激痛よりも重だるい痛みが長く続いたり、ひざや足首がむくんだり、体内の湿度の高さを窺わせるような症状がよく見られます。
加えて、冬の寒い時期や冷房などの寒邪にさらされることで、痛みがさらに強くなります。
健康な人でも、冷えを感じると血管が収縮しますが、寒さや冷えに弱い人や更年期以降の人は気・血の流れが阻害され、関節や神経に痛みが現れます。
関節痛は寒暖など季節的な要因に左右されることが少なくありません。
特に更年期以降の人の関節痛は慢性化しやすい傾向にあるので、できるだけ早く対策に取り組みましょう。
関節痛におすすめの食養生
痛みの原因になる湿気の邪気(湿邪)と冷えの邪気(寒邪)をとる食養生をご紹介します。
湿邪をとる食材
紫蘇、もやし、春雨、冬瓜、小豆、はと麦、緑茶、コーヒーなど利水作用のある食材をできるだけ温かいスープやお粥などに入れて、意識して摂りましょう。
寒邪をとる食材
身体を温めてくれるラム肉。唐辛子、シナモンなどの香辛料。ニラ、エビ、なまこ、くるみ、ニンニク、ししとう、ピーマンなどの食材を活用しましょう。
関節痛におすすめの生活養生法
次に湿邪と寒邪を取り除く生活養生法をご紹介します。
冷たい飲食物や脂っこい、甘い、濃い味付けの食事は控えめに
これらは水はけをよくする胃腸の機能を弱らせる原因になります。また、更年期世代になると気になる体重が増える原因になるのもこれらの食事です。
腹八分目にして、できるだけ温かい、あっさりした味の和食を心掛けましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかる
時間がなくて、ついシャワーばっかりにしていると体は冷えて、代謝も落ちます。少し汗をかく程度にお風呂につかると、のぼせることもなく、体が芯から温まり、汗と一緒に湿邪も寒邪も追い出すことができます。
無理のない範囲で体を動かす
適度に体を動かすことで体の気血がしっかりと巡り、汗をかくと湿邪と寒邪を追い出すこともできます。関節が痛くならない範囲で構いませんので、体を動かして汗をかきましょう。
どうしてもしんどい場合はヨガやストレッチでも構いません。動くことで気血は巡るので、体を動かすようにしましょうね。
体を冷やさない
最近では体を見せるような服装も流行っていますが、体を冷やすのはNG。
特に首、手首、足首の3首は冷えやすく、ここを冷やすと全身の冷えに繋がります。クーラーの効いた部屋では靴下を履いたり、カーディガンを着たりして冷やさないようにしましょう。
秋口はついつい薄着で体を冷やすこともあるので、そんな日はお風呂に入って体を芯から温めてあげましょう。
以上のことを日々の養生として取り入れてみましょう。
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