【お悩み】

40代です。最近生理が終わったあともしんどいです。

生理前、生理中は以前から調子が悪いですが、40代になってからは生理のあとも体のだるさが抜けません。

そうすると1カ月の間半分以上は生理関連でしんどいことになるので、おすすめの養生方法を知りたいです。

一生のうちに約450回もの生理がくる

ご相談者のように生理のトラブルを抱え、1カ月のうち調子がいい日はほんの1週間程度、という人も多くいます。

1回の月経期間の経血の正常量は20~140mlと言われます。

多い人で140mlもの経血を毎月、生理のたびに消耗しています。

仮に12歳で初潮を迎え、50歳で閉経し、毎月生理があるとすると女性は一生のうち約450回も生理があることになります。

そのたびに毎月約100ml経血が出ているとすると、一生で約50ℓもの経血を出血していることになります。

そう考えるとすごい量の出血量でなので、それはしんどくもなりますよね。

生理は「血」に加えて「気」も消耗している

では、中医学的に生理をみていきましょう。

中医学では生理によって消耗するのは「血」だけでなく、身体の元気「気」も一緒に消耗すると考えます。

中医学では「血(けつ)」には血液と似た臓腑や組織などを栄養し、潤す働きがあります。そのほかにも精神、意識、思考などに必要な物質と考えられています。

そのため生理の出血で血を消耗すると全身に栄養を届けられなくなるだけでなく、頭がぼんやりしたり、思考力が低下したり、落ち込みやすい、不安感、不眠などの症状が見られやすくなります。

もう一つ消耗する「気」。

気は「元気がある!」のエネルギー源の働きだけでなく、身体を温める働き、外からのウイルスなどと闘う免疫力としての働き、身体から汗や血が漏れ出ないようにしてくれる働きなどがあります。

そのため気を消耗すると疲労、倦怠感、冷え性、風邪をひきやすい、汗をかきやすい、不正出血、打った覚えのない青あざなどが見られやすくなります。

「血」と「気」、どちらか一方が少し足りなくなっただけでもしんどくなりそうですよね?

生理では「気」と「血」どちらも消耗してしまうので、生理が終わった後もなかなかしんどさから回復できなくなります。

特に加齢と共にこの気血の絶対量も不足しがちになるので、若い頃よりも疲れやすく、回復しにくくなります。

気血不足チェック

□物忘れが増えた

□くよくよと不安感を感じやすい

□眠りが浅い

□めまいや立ちくらみがある

□貧血

□疲れやすい、疲れが抜けにくい

□汗をかきやすい

□食欲が落ちている

□青あざができやすい

□生理の量が多い

上記の中から3つ以上当てはまると、体の気血が不足しています。

それでは「気」「血」を補う養生法をご紹介していきます。

「血」を補うおすすめ養生法

血を補う補血食養生

・赤身肉、卵、ナツメ、いちご・ブルーベリーなどベリー類など赤い色の食物

・黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、海藻など黒い色の食物

・ほうれん草や小松菜など緑黄色野菜やレバー

これらを意識して摂りましょう。

写真=本人提供

血を補う補血養生法

・血を作る習慣である睡眠を大切に

・パソコンやスマホ、テレビなどで目を使い過ぎない

・考えても仕方ないことは考え過ぎない

・激しい運動や岩盤浴など汗をかきすぎない

・予定は詰めすぎず、余裕をもって生活する

血を補うツボ押し養生

血海(けっかい)

画像=本人提供

膝のお皿の上、内側の角から指3本分上がったところにあります。

ここを深呼吸で息を吐きながら気持ち良い強さで押して、息を吸うときに力を抜く。これを5~10回程度、1日に思い出したら押すようにしてください。お灸もおすすめです。

以上の食材や養生法を意識して、日々コツコツ補血していきましょう。

気を補うおすすめ養生法

気を補う補気食養生

写真=本人提供

うるち米、もち米、玄米などの雑穀類、じゃがいも、さつまいも、やまいもなどのイモ類やカボチャ、枝豆、えんどう豆、グリーンピース、インゲン豆、そら豆などの豆類やトウモロコシ、椎茸や舞茸など自然の甘味がある食材や、黄色い色の食材を意識して摂りましょう。

気を補う補気養生法

・胃腸にやさしい温かくて、あっさりした味の物をよく噛んで食べる

・激しい運動や岩盤浴などで汗をかきすぎない

・朝起きたら3回深呼吸

・しっかり睡眠、休息を取る

・散歩やストレッチなどゆっくり気持ちよく体を動かす

気を補うツボ押し養生

気海(きかい)

おへそに人差し指を置いて中指の下(おへそから指2本分下)にあります。

深呼吸で息を吐きながら気持ち良い強さで押し、息を吸うときに力を抜く。これを1日に5~10回程度、思い出したら押すようにしてください。

手を合わせて置いておくだけでも気持ち良いです。お灸もおすすめです。

以上の食材や養生法を意識して、日々コツコツ補気していきましょう。

身体の元気も血も一朝一夕で補えるものではありません。

特に生理前後はこれらの食材や養生法を意識して、身体の元気や血を補い、生理期間も元気に過ごしましょう。

<参考記事>

生理後にやってくる倦怠感、眠気、体調不調は「月経後症候群」かも(医師監修)

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