人よりも刺激に敏感なHSP(注)の私が赤ちゃんを産んだら、刺激の嵐で疲れやすく想像以上にハードだったのは以前お話した通りです。

赤ちゃんを出産し無事に退院したものの、私は不安でいっぱいでした。

赤ちゃんが上手に母乳を吸えなかったのです。左のオッパイの乳腺は無事開通したものの、右のオッパイは固いまま、だんだん母乳が溜まっていきました。

夜寝ようとすると、悪寒がしてブルブル震えだしました。「こんなときに風邪をひいては大変!」寒いせいだと思って布団をかぶります。熱を測ったら38度。オッパイが石のように固く熱くなっていました。乳腺炎の始まりです。

それでも母親として休むことは許されず、出る方のオッパイから2時間おきに授乳し、オムツを変えます。熱は39度に上がっていました。

「子どもが欲しくて生んだんでしょ?母親として当たり前!」

勝手に世間様の言葉を背負い、泣き叫ぶ我が子を抱きながら、私も泣いていました。

HSPは「人の目を気にする」ところがあるそうです。私もそうで、子育てに強い責任感を感じて、極限まで我慢していました。それこそ倒れるまで耐えてしまう…。

さすがにつらくて子どもを生んだ産婦人科に連絡すると、大きな病院を紹介してもらえました。今思えば滑稽なのですが「収入のない私が贅沢してはいけない!」と思いつめていた私は、タクシーを使わず、バスと電車を乗り継いで紹介された病院へ向かいました。

医師は私のオッパイを見てひとこと

「切開しましょう」

ヨーグルト状の液体が溢れ出す

麻酔なしでオッパイに2カ所メスが入れられました。とたんに血の混じったピンク色のヨーグルト状の液体が切開した場所からブワッとあふれだしました。

漫画=おがたちえ

ピンクのヨーグルト状の液体を絞り出した後は、その傷に布切れを挿入します。この布切れを通じて残りの母乳をしたたり出すのです…。

その後は1週間毎日かかりつけの産婦人科へ通い、傷口に長いストローのようなものを挿入して生理食塩水で洗浄します。骨盤が安定していないのにバスで病院へ通っていました。体力的に本当につらかったです。

そして体力が回復していなかったのか、出産後の出血(悪露)が止まりませんでした。産褥ナプキンが底をついたので、生理用ナプキンを使っていたのですが、それも使い果たしてしまいました。

夫に買ってきてほしいと頼んだのですが「恥ずかしくて無理」と断られ「そ…そうだよね」と答えましたが、ちょっと悲しかったです。幸いそのときお見舞いに来てくれた母に頼むことができ、事なきを得ました。(今は、男性でも買いやすいデザインの生理用品が売られているそうでありがたい)

早めに病院に行っておけばよかった

ついでに私は産後、鼻からずーっと黄色い鼻水が出ていたのですが、それも放置していました。病院へ行く気持ちの余裕がなかったからです。鼻水くらい我慢できるし。

でも、なんかいつもと違う感じ…さすがに1カ月我慢したので耳鼻科へ行ってみると

「出血しています」

なんと1カ月鼻血を放置していました。体力が落ちていたために副鼻腔炎になり、こじらせていたようです。止血薬を飲んだら次の日にあっさり治りました。早めに病院へ行けばよかった…。

HSPは我慢強いと言われるけれど、お母さんが倒れては育児もままなりません。「我慢は美徳」だと完全に思い込んでしまっていた私。私のようになる前に、みなさんは早めに病院へ行ってくださいね。

そしてできれば、育児中のお母さんを褒めてあげてくれたらうれしいです。特に人のお役に立つことが好きなHSPさんは褒められるとうれしさ倍増です。どうぞよろしくお願いいたします。

*漫画は個人的な経験をもとに制作しています。同じHSPでも感じ方には個人差があることをご了承ください。また、日常生活に支障が出るほどつらい場合は心療内科やカウンセリングの受診をおすすめします。

*注:どんな人であっても、その人の身体に“体質”があるように、心にも“気質”があります。HSPは、うつなどの心の病ではなく、気質です。もし「自分もそうかも」と思う人がいれば、HSPという“心の気質”を知ることで、環境への適応力が上がり、より生きやすく、より自分らしく過ごせるようになるのではと思います。(精神科医:鹿目将至)

著者プロフィール

おがたちえ

台湾とクルーズ船を愛するHSP漫画家。刺激追求型HSPゆえに、怯えつつも汚部屋掃除や事故物件などのルポ漫画も手掛ける。『フォアミセス』(秋田書店)にて『HSPの歩き方~ハッピー・センシティブ・パーソン!~』を連載中。著書に『繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~』(ぶんか社)、『なつかしい日本をさがし台湾』(ぶんか社)、『汚部屋掃除人が語る命の危ない部屋』(竹書房)などがある。

監修者プロフィール

鹿目将至

精神科医。1989年、福島県郡山市生まれ。日本医科大学卒業。現在、愛知県内の病院に勤務。「気軽に生きる」をモットーに活動中。

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