Photo by Yohei Ono / Laundry Box

初潮以来重い生理痛に悩まされていた私は、10代のころからピルを服用してきました。

ピルは万能薬のように語られることもありますが、副作用などを理由に断念した人も多いのではないでしょうか。私も自分に合うピルを探すためにさまざまな種類を試してきました。

以前お話しした通り、2016年にミレーナを入れて生理を減らす選択をしたので最新のピルにはうといです。ただ、自分に合うピルを探して何種類も試した私の経験が、誰かの参考になればと思って共有します。

(私は子宮内膜症もあるため、ミレーナを入れたあとは、ピルではなく「ジェノゲスト」という黄体ホルモン剤を服用することで子宮内膜症・月経困難症と付き合っています。)

最初に試したピルは効かなかった。よし、次!

私が初めてピルと出会ったのは高校1年生のとき。当時通っていた思春期外来で、婦人科医に「ピルを試してみましょう」と言われたことがきっかけでした。

ピルには月経痛を抑え、生理周期を整える作用があることを丁寧に説明してくれましたが、当時15歳だった私は「ピルって避妊薬では…?」と懐疑的でした。

当時、私の周りの友達にピルを服用している人は1人もいなかったので、あまりにも馴染みがなく、頭の中には「?」がたくさん浮かびました。

身体への負担はないのか?毎日飲まなければならないのか?今までどんな痛み止めでも効かなかったのに痛みに効くのか?いつまで飲み続けるのか?…など。

ピルを長期的に服用することで妊娠への影響を気にする人も多いそうですが、当時の私は年齢的にもそこまでは思い至りませんでした。

すべての懸念点を医師にぶつけたところ、はっきりとした物言いで「全部心配ない!でも、いろいろ試さないと自分に合うピルを見つけられないから、気長にやっていこう」と話してくれました。

私の生理痛に対しては半ば諦めつつも、心の中では「何か手立てがあるなら試してみたい」と思っていたので、医師の提案通りにピルを服用してみることにしました。

最初にピルを試した際、医師は「すぐに判断しないで2、3週間は様子を見てほしい。合うかどうかはそれから判断しよう」と言っていました。

私はせっかちな性格で、診療や薬に対してすぐに効果が出ることを期待してしまうのですが、医師の言う通り気長に取り組んでみることにしたんです。

1つ目の低用量ピルは結局、私の月経痛の改善には効果がありませんでした。言われた通りの期間様子をみたものの、痛みに変わりはありませんでした。

「あんなに丁寧に説明してくれた先生に効かなかったと報告するのはちょっと気が引ける…」と感じましたが、医師は「正直に言っていいんだよ。ダメなら次のピルを試せばいいんだから!」と私の気持ちに寄り添ってくれて、話しやすい空気を作ってくれたのです。

自分に合うピル探しに奔走した数カ月

写真=本人提供

次に試したピルはのときには「効いてくれるといいな、ダメなら次にいこう」と 前向きになっていました。

2つ目の低用量ピルを試す間にどんな痛みが襲ってきても大丈夫なよう、ほかの病院でもらったボルタレンの座薬の痛み止めを常備していました。

医師の言う通りに長い目で「自分に合うピル」を本気で見つけようとしていたのです。生理は逃げればそこで試合終了。痛みに耐えて生活するしかない、なんとも難しい相手です。

結果、2つ目の低用量ピルは痛みが緩和されたものの、不正出血が止まらず、これまた合いません。「よし!次にいこう!」とテンションを下げることもなくハツラツとしていた頼もしい医師のおかげで、不安になることは一切ありませんでした。

この時点で「自分に合うピル探し」を始めて2、3か月くらがすでに経過していました。ということは、2、3回は激痛に耐える生理期間を過ごしたことになりますが、私は医師とともに「自分に合うピル探し」をやめませんでした。

何が私をそこまで強く突き動かしたのかと問われれば、「希望」でした。私は、自分の生理をひどく憎んで呪いたくなるほどに苦しんでいたので、少しでも改善の余地があるならば何でも試していました。

医師が最初に言った「気長にやっていこうよ」という言葉を信じる以外の選択肢がありませんでした。

いろいろな痛み止めを試しても効き目がなく、絶望していたときに出会ったピルという新たな選択肢が救世主のように思えたのです。

ピルは「気長に」「数種類試す」ことがおすすめ

写真=本人提供

それから1年弱かけた自分に合うピル探しの旅で最後に行きついた3つ目のピル。私には副作用もなく、痛みが緩和されました。

挫折しそうな時期もありましたが、希望を捨てずに探し続けて良かったと思っています。

私はその後、もっともっと緩和できる方法を探して、冒頭に書いたようにミレーナという選択に落ち着いたのですが、生理痛への対処法として当時のベストをここで見つけたのは間違いありません。

今では周りに痛み止めを飲んでも生理痛がつらい子がいると「ピルは試してみた?」と聞いたりしています。「ピルもダメだった」という子には「何種類か試してみた?」とお節介までしてしまいます。

これを読んでいる、かつての私と同じように悩んでいる人がいたら、医師の指示のもと「気長に」「数種類試すこと」をおすすめします。

1年弱探し続けて、やっと自分に合うピルを見つけた私の経験が、少しでも誰かの希望になれたら嬉しいです。

写真=本人提供

(※本記事にて紹介したピルは、筆者が医師に相談のうえ処方してもらったものです。相性や効能は個人差があります)

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