前回のコラムを公開したところ「気持ちがわかります」といった声をもらえて嬉しいです。この連載で生理痛で悩んでいる人のうち誰か1人でも、「こんな選択肢があったのか」と、思ってもらえれば…と思いながら書いています。

とにかく生理痛をなんとかしたい、とミレーナ装着に踏み切る

長年の重い生理痛に悩まされていた私。医師から「ミレーナ装着」という選択肢について説明を受け、装着を決心するまでに時間はかかりませんでした。私は、「すぐにでもお願いします」という勢いで予約を取ることに。

ミレーナとは、過多月経や月経困難症の症状軽減に効果があるとされている、子宮内避妊具です。ミレーナはT字型の柔らかいプラスティック製で、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)がゆっくり持続的に放出されます。一度装着すると最長5年間、効果が持続。子宮に器具を入れて生理の量を減らすことで、過多月経や月経困難症の症状を緩和させる効果が期待でき、長期的な避妊にも効果的だと言われています。

ミレーナについての説明の中で「初めての場合少し痛いかもしれないけど、難しい施術ではないので心配しなくていいですよ」と医師から言われました。「とにかく生理をなんとかしたい」という思いの私は躊躇せずミレーナ挿入に踏み切ったものの、「子宮に器具を装着する」ということが日に日に怖くなっていました。想像力が豊かなもので、当日を迎えるまで何度も施術を想像してはグッタリ…。

現在ミレーナ歴6年目(1度交換しているので手術は2回目)。もうだいぶ前の話なので記憶があいまいですが、私は極度の痛がりなので、このときは割としっかりとした局所麻酔をお願いしたと思います。

Photo by Yohei Ono

極度の緊張で手術中は気絶…。術後は生理痛とは違う痛みとの戦い

当日は極度の緊張状態で処置室に入りました。先生が「力を抜いてくださいね。そんなに時間はかかりませんから」といって施術を始めたその瞬間…

「…!?」全身に力が入りました。

そこからの記憶はさらにあやふやに…。どうやら私は緊張と装着時の痛みによって気絶してしまったらしいのです。医師や看護師さんたちの私を呼ぶ声が聞こえていたのは覚えています。でも反応はできませんでした。付き添ってくれた家族に後で聞いたところ、手術自体はあっという間に終わったとのこと。

意識がはっきりと戻った瞬間、下腹部に激痛が走りました。私は思わず「うおー!!!」と雄たけびに近い声を発していました。恥ずかしいなどと思っている余裕もなく、体感したことのない腹痛に襲われたのです。生理痛で腹痛には慣れていたはずなのに、また違う種類の鋭い痛みがお腹の中を駆け巡っていました。のたうち回る私を見た医師は「これじゃあ帰れないかな…」とひと言。看護師さんが痛み止めの座薬を入れてくれたのですがそれも効かず…2時間半くらいのたうち回っていました。

閉院時間が迫る中、帰宅するのか、そのまま1日病院で寝るのかの瀬戸際で医師や看護師さんたちが話し合っていたそのとき「今ならいけそうです…」と、私は言いました。痛みが一瞬和らいだような気がしたのです。さらにこれ以上病院でできることもないと言われていたので、私は帰ることに。

医師からも「家のほうが休めるから帰って休んでほしい」と言われていたので、このチャンスを逃すまいと、家族とタクシーに乗り、急いで家に帰りました。帰りのタクシーの中でも私はうなったり、呼吸が荒くなったり…。家についてもなかなか歩ける状況ではなかったので、おんぶをしてもらって部屋まで運んでもらいました。それから3日間くらいは寝たきり状態に…。

その痛みを表すなら、矛盾しているけれど「鋭い鈍痛」と言いたい。痛みはギザギザだし、ぎゅうっとしているし、生理痛とは違ってとにかく鋭く痛いのです。痛み止めも効かない特殊な痛みでした。

経験する痛み以上に、得られた幸福も大きい

痛みに耐えながら、「なんでまたこんな思いしなきゃいけないんだよ…」「腹痛から逃れたくてミレーナ装着の選択をしたのに…超痛え…」という気持ちでいっぱいでした。一瞬「後悔」という言葉も頭に浮かびましたが、この痛みは最初だけだと聞いていたし、「これから生理のストレスから逃れる人生が待っているんだ」と自分に言い聞かせて耐え抜きました。

ひどい腰痛は3日ほどでなくなったものの、しばらくは鈍痛が続き、つらい日々でした。身体的にも精神的にも落ち着いてきたのは手術から1週間ほどが過ぎた頃でした。

と…、ここまで書いたことだけを読めば「ミレーナなんて絶対にヤダ!」と思う人が多いかもしれませんが…ちょっと待ってください!

こんなに痛い思いをしましたが結局5年間継続したのちに、2回目のおかわりもしてますからね。あの痛さを2回経験したとしても、それ以上に得られる幸福が大きいということを次回は必ずお伝えしたいと思います。ビバ!ミレーナ!

ちなみに、私は極度の痛がりさんなのでこんなふうに言っています。悪しからず。

<MV>

HONEBONE / 生きるの疲れた

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