学校や職場で突然生理が来て、「ナプキンがない…」と困った経験をした人は少なくないのではないだろうか。

シャープは、そんな「生理」に関する困りごとを軽減するために、サニタリープロダクトディスペンサー「todokuto(トドクト)」を開発。

「todokuto」は、生理用ナプキンを必要なときにすぐに取り出して使える機械で、2025年7月25日より法人向けに発売する。

「todokuto」の特徴は?

「todokuto」は、トイレの手洗い場や個室内に設置する生理ナプキンのディスペンサー。多様なサイズのナプキンが収納できるほか、手をかざすことでナプキン1枚を取り出せる。また、ネットワーク接続により、管理者がナプキン残数などを確認できる。

1. 非接触で衛生的。手をかざすだけで、1枚ずつナプキンの取り出しが可能

サニタリープロダクトディスペンサーの利用方法

衛生面に配慮した設計とのことで、非接触で、本体前面のOPENマークに手をかざすだけでシャッターが開き、1枚づつナプキンを取り出せる。

様々な生理用品のディスペンサーが登場しているが、専用アプリを利用し生理用品を受けとるものもある。「todokuto」は利用者側は会員登録やアプリインストール不要で利用できる。

2. 様々なナプキンに対応+持ち去り防止機能

ナプキンの補充は本製品を設置する企業や団体が行う必要がある。昼用/夜用など、さまざまな厚さやサイズのナプキンに対応しており、設置環境や利用者のニーズに応じたナプキンが選択可能だ。

また、ナプキン配布の懸念となるのが、ナプキンの大量持ち出しである。本製品は1枚取り出したあと、次の取り出しが可能になるまでの時間を、5秒から300秒の間で設定できるため大量の持ち出しを抑制できるという。

3. IoT機能による運用サポート

機器をネットワークにつなぐことで、収納したナプキンの残数が少なくなった場合や機器ごとの毎月の利用枚数が管理者にメールで通知される。エラー検知時にも通知機能があり、スムーズな運用をサポートするという。

2023年からの実証実験を経て製品化へ

本商品の発売にあたり、シャープでは2023年より、地方自治体や教育機関、企業などと共同で本製品の試作機を用いた実証実験を実施してきた。その一環として、静岡県浜松市でも実証実験を実施。

浜松市との実証実験では、浜松市立高等学校など4箇所の公共施設内女子トイレに「生理用ナプキンloTディスペンサー」を設置した。浜松市が貯蓄している防災備蓄品のうち、使用期限(推奨3年)までに使用される見込みのない生理用ナプキンをディスペンサーを通して無料配布した。

これらの実証実験の利用者アンケートでは「利用登録の必要がなく、すぐに使えてよかった」、「実験期間後も継続してほしい」などの好意的な意見が多く、満足度が高いことが確認されたという。

また、共同実証者から寄せられた「防災備蓄品として保管していたナプキンを活用したい」、「1回の利用で複数枚取り出せないようにしたい」といったさまざまな要望に基づき改良を重ね、今回の製品化に至っている。

参考記事:シャープと浜松市が「生理用ナプキンIoTディスペンサー」を使った無料配布の実証実験を開始

シャープでは、「急な生理にともなう焦りや不安が、必要な一枚が手元に届くと、ひと安心に変わる」との思いから、本製品を「todokuto(トドクト)」と命名したという。今後も、多くの場所に設置を広げることで、「生理」に関する困りごとの軽減に努めるとしている。

突然の生理だけでなく、経済面や環境面などから、生理用品の入手が困難な人への支援の必要性も議論されるようになった今、自治体や各種団体による無償配布などの支援活動が行われている。

さまざまカタチで支援活動が拡充、継続されることで、ひとりでも多くの人たちが健やかに過ごせる社会の後押しになることを期待したい。

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