みなさんは、「性的同意」についてどんな考えを持っていますか?

セックスに限らず、キスやハグ、体に触れるなどの性的行為は、お互いがその行為を望んでいるかを確認する必要があり、同意を得る必要があります。

これを「性的同意」といいますが、「結婚しているからセックスするのは当然」、「毎回同意をとるのはムードが壊れるのでは?」という声も見聞きします。

また、「同意はどうやってとればいいの?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。

ランドリーボックスでは、3月8日の国際女性デーより特集「わたしのカラダは誰のもの?」をはじめました。

本特集に際して「性的同意」にまつわる実態を把握するためのアンケートを実施中です。

性的同意をとってほしいですか?

2024年4月時点で、「性的同意をとってほしいですか?」という質問に対し、「はい」と回答した人は7割以上。「場合による」と回答した人も約2割いましたが、多くの人が性的同意をとってほしいと考えていることがわかりました。

性的同意をとってほしい理由は?

性的同意を「とってほしい」と回答した人の理由を、いくつかご紹介します。

心の準備がしたいし、はっきり言葉にして同意をとること自体がセクシーでロマンチックだから

(性自認:女性)

性的同意をとることが「雰囲気を壊すのではないか」と思っている人もいますが、同意をとることが2人をさらに盛り上げるきっかけになる、という考え方もあります。

気分じゃないタイミングもあるから

(性自認:女性)

親しい間柄でも、雰囲気だけではわからないことがあるから。言葉にして伝えることも必要だと思うから。

(性自認:女性)

気分以外にも、そのときの体調や予定によってセックスをしたくないときがありますよね。聞かなければわからないことだからこそ、しっかり確認する必要があります。

性被害・性暴力被害に遭った経験があるから

(性自認:その他)

性的同意のない性加害にあったことが何度かあるため。自分はノンバイナリーのafabですが、シス男性もシス女性も性的同意をとらない相手による性被害を受けています。特にシス女性からの性加害が多かったので、全人類に性的同意をとってもらう方向性になってもらいたい。性的同意のない接触/言動は、どんなに「それくらいで」と加害者が言おうと、性加害です

(性自認:その他)

過去に性被害や性暴力を受けた人の中には、そのときの情景がフラッシュバックしてしまうなど、深刻な悩みを抱えている場合も少なくありません。

<関連記事はこちら>

【状況・目的別】性被害に遭ったときに利用できる相談窓口一覧

同意をとることで相手はセックスを断りやすくなったり、心の準備ができることも。

大切な人の心と体を守るためにも、性的同意は相手の意志を尊重できるアクションの一つであることを心に留めておきたいです。

同意をとってほしいかは「場合による」と答えた理由

したい人としか、2人きりにならないから基本的には要らない

(性自認:その他)

流れというものがあるので

(性自認:男性)

性的同意自体が意味あるのか?その場ではOKしていても後から「あの時、実はNGだった」と言われたら意味ないし…

(性自認:男性)

お互いが言葉を交わさずとも同意が本当にとれているならいいのですが、「流れ的に断れなかった」「本当は嫌だった」という場合もあります。

親しい間柄でも、「したくない」場合もあるので、その意識は忘れたくないですね。

性的同意、どうやってとった?

性的同意が大切だとわかっていても、どうやってとればいいかわからない人もいると思います。

そこで、「自分が性的同意をとった際のエピソードを教えてください」とたずねてみました。寄せられた回答をご紹介します。

接触の最中も、確認することで互いに安心して進めることができ、言葉にすることでかえって良いドキドキが生まれた

(性自認:女性)

「相手から同意を得ることもセックスの一部」と捉えて楽しめたら素敵ですね。

夫の局部が盛り上がっていたので、今日はエッチする?と甘えた表情で言ったら、したい。と返ってきて、二人で大変甘い時間を過ごした

(性自認:女性)

男性側が取らなければいけないと思われがちな性的同意ですが、性別は関係ありません。

双方が同意をとるようにすると、片方だけがプレッシャーや義務感を背負うこともなくなりそうです。

自分からしたいと思ったとき、仕草や表情でムードを作り(色っぽく作れるように頑張っている!つもり!笑)ながら相手を誘うことがあります。性的同意というのは、本来はパートナーと気分を盛り上げながら確認しあえるはずの、ポジティブなものだと思う

(性自認:女性)

本来ポジティブなことであるはずの性的同意を、ネガティブに捉えている方も多いのではないでしょうか。

大切な相手だからこそ、性的同意をとる。

性的同意の本来の目的が、正しく広まるといいですね。

性的同意について思うことは?

最後に、性的同意について思うことがあるかを聞いてみました。

同意するのが義務のように感じて息苦しい

(性自認:女性)

相手にとっても自分にとっても性的同意は大切とわかっていても義務感を感じてしまうこともあるかもしれません。

ストレートに言葉にすることを楽しんでみたり、同意のとり方を工夫してみたり。

性的同意をポジティブに転換できるよう、パートナーと話してみるのもいいかもしれません。

こちらが1回拒否したからと言って諦めて拗ねるのが嫌すぎます。一緒に住んでるから触り放題ではないので同意は必要だと思います

(性自認:女性)

「一度断られると、次が誘いにくくなる」という気持ちもわかります。

ですが、結婚していることや付き合っていることがセックスの「同意」にはなりません。

また「断られたら拗ねる」というのは今後のコミュニケーションが心配になります。自分の「したい」ばかり優先せず、相手に寄り添って考えてほしいですね。

断るときに「なぜ」「今」セックスをしたくないのかをきちんと相手に伝えたり、「それでも好きだと思っている」ことを相手に伝えられたらいいのかもしれません。

その概念よ広まれ。の一言に尽きます。性暴力被害↔加害の文脈で語られることが多い言葉ですが、他者と健全な(性的)コミュニケーション・パートナーシップを結ぶ上で誰にとっても大切なことであるはず。誰もが知るべき概念であり、無関係な人はいないはずです

(性自認:女性)

対等に、性的同意を取れる関係である事は、性的同意を取る前提として当たり前だし、一線を既に越えた恋人や夫婦であっても、エッチしても良いか確認を取って相手の意思を汲むのは、人間関係を良好に保ちたいという意思表示であり、相手への愛情を示す為の義務だと思う。

間違えても、目が合った人間、たまたま同じ空間に居ただけの人間、大人と子供の関係や、権力差が生じている関係では性的同意を取れる関係にはなり得ない定義の間柄だと思うし、その間柄で性的同意があったと主張があるならば性暴力を真っ先に疑うべきだと思う。

またその事について、力関係が強い側が弱い側に『性的な誘惑された』と主張しても、その誘惑に乗って性的な関係になろうと、実際に行動した側に、かなり高い割合の落ち度があると思う

(性自認:女性)

性的同意が取れてさえいればどんな相手との性行為も許容される、というわけではありません。

年齢や力関係・権力関係など、不平等なパワーバランスがある場合には、性暴力や性被害を疑うことが必要です。

性的同意が不本意な目的で利用されないよう、物事の本質を見る力を蓄えることが大切ですね。

UnsplashSoroush Karimiが撮影した写真

性的同意を、より親密な関係を築くきっかけに

ネガティブな文脈で伝えられることが多い性的同意ですが、今回の意識調査では、良好な関係性を築くためのポジティブなコミュニケーションとして捉えている方が多いことがわかりました。

「雰囲気だけでは、相手の気持ちがわからないこともある」「親しい間柄だからこそ、はっきりと自分の意志を伝えることが重要」というコメントが寄せられました。

また、自分が確認をとる際に、断りにくい雰囲気をつくっていないか、断られたときに嫌な態度をとっていないか?なども気に留めておきたいポイントです。

性的同意を交わすことで、より相手と親密になったり、行為自体をもっと楽しめるきっかけになるかもしれません。

性的同意は、相手を尊重したいという意志の表れです。

自分の気持ちを優先するがあまり、大切な人を傷つけることがないように。

ぜひ今回の結果を参考に、自分なりに取り入れたり、パートナーと話しあってみてください。

アンケートにお答えくださったみなさん、ありがとうございました。

「わたしのカラダは誰のもの?」

私のカラダは私のものに違いないのに、自分を大切する気持ちが、パートナーや誰が決めたかもわからない社会の声にかき消されてしまうことがあります。

ランドリーボックスでは、「〜らしさ」といった、世の中の当たり前に囚われずに、自分の人生とカラダの自己決定ができる社会を目指し、本特集をお届けします。

自らのカラダとココロをしっかりと自分の手で抱きしめられるように。
そして、私たちと、私たちを取り巻く愛すべき人たちが健やかに過ごせるように。

本特集に際して、「性的同意」にまつわる実態を把握するためのアンケートを実施しています。

みなさんのご意見や体験談をお寄せいただけますと幸いです。アンケートへの回答はコチラから。

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