前の生理から1カ月以上経つけど生理がこない、生理周期が不規則、など生理不順が続くと身体のことが心配になります。どのくらいの期間生理がこないと危険信号なのか。気になる生理不順の症状や原因をお伝えします。
通常の生理周期や月経量、生理期間
生理不順かどうか知るために、まずは通常の生理のサイクルや状態を確認しておきましょう。
・生理周期
個人差はありますが、生理周期は25日から38日以内が一般的です。25~38日の周期で生理がきていれば、生理の時期が1週間前後ずれるのは問題はありません。
・生理期間
生理の持続期間は3~7日が一般的です。初潮がきたばかりの思春期は、ホルモンバランスがしっかりできあがっていないため、生理の周期がバラバラになることがあります。また、閉経が近くなる更年期になると女性ホルモンの分泌が減少するため、月経不順になることもあります。
さまざまな生理異常。こんな生理不順の症状に注意
・生理と生理の間が40日以上空く
生理の周期が39日以上空く場合、稀発月経とよばれます。月経が始まった日から排卵するまでの期間は通常2週間ほどですが、その期間が長い「遅延排卵」や「排卵障害」、女性ホルモンの異常の可能性があります。
・3ヵ月以上、生理がこない
90日以上月経がこない場合、「無月経」とよばれます。生理不順のなかでも、とくに注意が必要です。女性ホルモンの機能が低下、停止していることが原因で起きていることが多いです。
・月経量が多い「過多月経」、月経量が少なすぎる「過少月経」
レバーのような血の塊が混ざったり、月経量が多かったりする場合は「過多月経」の可能性があり、 貧血などを引き起こしやすくなります。逆に2日目で生理用品を取り替えなくてもいいくらい月経量が少ない場合は「過少月経」といわれます。
・生理が8日以上続く「過長月経」
生理が8日以上続くことを「過長月経」といいます。ホルモンバランスの崩れや子宮筋腫、子宮腺筋症などが原因の可能性があります。
・生理の期間が2日以下の「過短月経」
出血して3日以内で月経が終わったり、2日目でナプキンの交換が必要ないほど少量だったりする場合、「過短月経」といわれます。
このような、通常の生理と違う状態が続いている場合は、早めに婦人科を受診してください。
また、40歳後半になってからの生理不順は、更年期による卵巣機能低下の可能性があります。女性ホルモンの分泌が少なくなることで生理がバラバラになったり、出血の量が増えたり減ったりします。
更年期の生理の変化や症状への対応については、「更年期障害」の記事でくわしく紹介していますので、ご確認ください。
生理不順の原因
生理不順は病気などが潜んでいる場合もありますが、以下のような身体への負担が原因となっていることも多いです。
・無理なダイエットによる体重の減少
・ストレス
・運動のしすぎ
・太りすぎ
どんな理由であれ、生理不順は身体からの危険信号。生理不順をそのままにしていると排卵が起きにくくなり、不妊症になってしまう恐れもあります。生理不順が気になる方は、早めに婦人科を受診しましょう。
監修者プロフィール
淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田綾子
2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。