閉経ーー。
もう生理がこなくなる。あの煩わしかったものから解放されるのはどんな気分なのだろうか。
寂しさを感じる人もいるし、第二の人生としてこれからが楽しみという人もいる。同時に更年期障害の辛さもあると聞く。
この連載では、閉経について、経験者に語ってもらった。
今回は49歳で閉経した50代前半の方です。
イライラ、慢性的な疲れ、ホットフラッシュ…更年期の症状に悩み
更年期の影響か、45歳頃から気持ちの浮き沈みが激しくなっていました。
些細なことでイライラしてしまったり、それを言葉にすると周囲に迷惑がかかると思ってしまい気持ちに蓋をしながら仕事をしていました。気持ちが常に高ぶっていて、夜はぐっすり眠れず、慢性的な疲れを抱いたまま過ごしていました。
50代前半を迎えた最近では、ホットフラッシュ(更年期に見られる発汗などの症状)を少しずつ自覚してきています。周囲は涼しげな顔をしている環境でも、私だけ汗をタラタラかいていることがあります。
ひとりで過ごしている分には勝手に窓を開けたり、冷房の温度を好きなように調整できますが、職場ではそうもいきません。
特段緊張しているわけでもない場面で、顔じゅう汗だらけとなってしまうときがあります。ファンデーションをただ厚塗りして隠しても、結局汗で流れてしまいます。油断していると、汗でアイメイクが落ち、目も当てられない顔になることが続きました。
商談先に出向くときは、相手先の会社にたどり着く前にどこかの駅やビルの化粧室に立ち寄り、自分の顔を確認してからの訪問です。
ホットフラッシュが出るようになってからは、今まで以上に時間に余裕をもって出なくてはいけません。
商談中も汗が止まらず、具合が悪いのかと心配されたり、何か緊張しているのかと勘違いされたりすることが続いています。
混雑しているバスや電車の中で、それも夏じゃないこれからの時期に、ひとりだけ顔を赤くして汗をかくのが落ち着きません。
夏に流行した「ハンディファン」が更年期の症状に便利だった
ホットフラッシュが始まってまだ日が浅く、これからしばらくお付き合いすることになると思われるので、どこかのタイミングで更年期外来の受診を検討中です。
根本的な症状改善にはなりませんが、この夏流行したハンディファン(小型扇風機)はとても有効でした。
カバンの中に入るコンパクトサイズですし、夏が終わったいまでも携帯しています。このまま冬にも使うと思います。
さっと汗が引いていくので、顔のベタつきが和らぎます。できればもう少し静音できるようになると嬉しいです。
更年期のホットフラッシュ改善が期待できると言われているサプリメントも飲み始めて2カ月目経ちますが、効果はとくに実感できていません。現状維持、もしくはホットフラッシュは少し強くなってきています。
サプリは最低でも3カ月は続けるようにと広告に書いてあったので、もう少し続けてみようと思っています。
安堵感もある一方、心のどこかで寂しさも…
若い頃は生理痛がひどかったり、経血量が多かったりで辛い思いをしたことも多々ありました。這うようにして仕事に行ったことも何度もありますし、生理周期とマッチして毎月気分の浮き沈みが自分でもはっきりとわかるような日々でした。
月経が近づくたびに、心がざわつくときもありました。
仕事では、男性社員と同じ業務を日々こなしていたので、生理日にパフォーマンスが低下すると、評価が下がるような気がしていました。周囲に認めてもらいたく、月経の辛さを外に見せることなく働いてきました。
ただ実際に閉経を迎えると、そうした生理の煩わしさから解放されるという安堵感とともに、女性としての役目がひとつ終了したような寂しさを感じます。
私は妊娠と出産を経験することなく年を重ねてきました。妊娠と出産が女性のすべてとは思いませんが、女性にしかできないことがもうできなくなったのだという寂しさがあったのです。
閉経は女性の第二の人生のはじまり
更年期を迎えた今、いろいろな症状に悩まされていますが、閉経は女性として次のステージに立つ大事な出来事となった気がします。
女性ならば誰もが必ず通る時期ですし、受け入れなくてはいけません。今はまだ心に余裕がなく、完全に受け止めるには抵抗感がありますが、これからが第二の人生と言ってもいいのではないでしょうか。
ある雑誌の記事で「閉経後の女性はよりアクティブになれる」と書いてあった記憶があります。いつか自分の気持ちに整理がついたら、そのときは新たな自分と出会えるような気がしています。
ランドリーボックスでは特集『#閉経エトセトラ』を始めました。
約40年、向き合ってきた生理。
そういえば、初潮はお祝いされるけど、なぜ閉経は祝わったり、お疲れ様と伝える機会がないんだろう。
欧米では、閉経や更年期を「change of life」と言うらしい。
人生の転機。
閉経を迎え、生理の煩わしさから解放されたと喜ぶ人もいれば、女性が終わるようで寂しいと感じる人もいる。
でも、ただ一言「お疲れさま」と自分と向き合うきっかけがあってもいい。
ありがとう、私のカラダ。これからもよろしくね。
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