「エリス」ブランドを展開する大王製紙は、生理用品の入手に困っている学生にナプキンを1年間無償で提供する「奨学ナプキン」の取り組みについて、2023年度の受付を開始すると発表した。
「奨学ナプキン」は、多様性のある社会でひとりひとりの生理に寄り添うプロジェクト「meet my elis」の一環として、同社が2022年4月より実施している。
「奨学ナプキン」によって学生生活の質が向上
大王製紙は「奨学ナプキン」の効果や生理に関する議題を明らかにし、適切なサポートを行うことを目的に、奨学生に選ばれた学生を対象としたアンケート調査を実施した。
その結果、1年間の「奨学ナプキン」によって9割以上の学生が「生活の変化を感じたと」回答。また、「集中力」や「睡眠」 など、学生生活の質の向上も明らかになった。
一方で、「生理痛を理由に学校を休めるようになってほしい」などの社会に変化を求める声も顕在化した。
「奨学ナプキン」によって「生活の変化を実感した」学生は9割以上
1年間の奨学生期間を経た奨学生の9割以上が生理期間中の生活に前向きな変化を実感したことがわかった。
「気軽に交換でき るので部活や勉強に集中できた」、「夜安心して眠れるようになり睡眠不足が減った」などの前向きな声が多くみられ、「奨学ナプキン」によって「集中力」や「睡眠」 など、学生生活の質の向上にも寄与していることが明らかになった。
社会の生理に関する理解にも変化が
調査では、プロジェクト期間の1年間を経て、奨学生の 2人に1人が生理に関する社会の理解に「変化を感じる」と回答した。
SNSや口コミサイトを通した生理にまつわる発話が増えたことからも、生理に対する社会の理解は徐々に変化を感じていることがわかった。また、「奨学ナプキンをきっかけに友人と生理について話せるようになった」など前向きな声も多数寄せられたという。
生理について今後の社会に変化を求める声も
「生理について今後社会に変わってほしいこと」についての設問では、「”月経は甘え”のような風潮はなくなってほしい」や、「人により違う痛みなどの感覚、苦痛を理解してもらえる世の中になってほしい」といった生理に関するさらなる理解を求める声が寄せられた。
また「生理痛を理由に学校を休めるようになってほしい」といった、学生の生理休暇が可能になる環境作りを求める声も。
金銭的な面では、「生理は毎月あるため、補助金制度を手厚くしてほしい」「無償で学校のトイレにナプキンを常備してほしい」などのナプキン提供や補助金について言及する声もあがった。
「奨学ナプキン」の調査概要
対象者: 「奨学ナプキン」に当選した奨学生(小学生〜大学生)1,076名
調査期間:2022 年 12 月 1 日(木)~12 月 14 日(水)
調査手法:アンケート調査
(2023年3月1日株式会社大王製紙のプレスリリースより)
「継続的なアクションを」2023年度の奨学生を募集
今回の調査結果を踏まえ、大王製紙は「生理の有無を問わず社会が生理について理解し、オープンに話し合える環境を実現するために継続的なアクションを起こし続ける」としており、昨年に引き続き、2023年度の奨学生を募集する。
「奨学ナプキン」概要
応募期間:2023 年4月11日(火)〜5月19日(金)
応募方法:「奨学ナプキン」特設サイト内の応募フォームから生理にまつわる質問に回答
対象者:生理用品の入手に困っているすべての学生本人(小学校/中学校/高校/高専/専門学校/大学/その他)
対象人数:2,000名
選考方法:応募フォームに回答いただいたアンケートの内容をもとに、奨学生を決定。
スケジュール:6月下旬頃に奨学生の決定および奨学生2,000名への初回商品発送。
提供頻度:4カ月に1度(6、10、2月)