性への好奇心が強く、性についてよく話すというIさん(30代、女性)。一方的な気持ちよさではなく、相手とコミュニケーションを図りながらセックスをすることで、体の相性の良さを実感したと言います。同じように性に対して勉強熱心だったパートナーとは、四十八手も試したのだとか。

メディアやSNSなどで性について語られる場面が増えてきました。一方で、セックスやセルフプレジャーに関心があっても、実際に身近な人とシェアしにくいと感じたことがある人もいるでしょう。

会話から相手の性に対する考えを引き出すIさんに、体の相性にまつわる経験を聞きました。

相手のことは好きなのに、単調に感じてしまった一方的なセックス

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ー 「相性が良くなかった」と感じた経験を教えてください。

経営者のパートナーと付き合っていたときです。ある日のセックスがすごく単調に感じたんです。その日のわたしの気持ちや体調、その場の雰囲気も含めて好調ではなかったことも理由だと思いますが、相手のことが好きなのに、こんなに気持ちの良くないセックスは初めてで。その1回のセックスで「わたし、大事にされていないな」と感じてしまい、気持ちも冷めてしまいました。

ー そのときのパートナーは、どんな方でしたか?

悪く言えば自己中。相手の意見を聞かない、自分本位なところをセックスにも感じていました。好きだったのですが、その1回のセックスでもう愛を感じられなくなってしまい、単純にさみしかったですね。結局そのパートナーとは、2、3カ月ほどでお別れすることになりました。

ー 反対に、相性の良さを実感したときのことを教えてください。

「相性がいいな」と感じたのは、性について勉強熱心なパートナーとのセックスでした。わたし自身も性について勉強をするのが好きなので、セックス中も「こういうのどう?」とコミュニケーションを交えながらいろいろと試していました。

そこで膣の上付き・下付きがあることを教えてもらい、「何それ?」と興味を惹かれて自分の体に合う体位を試してみました。パートナーもパートナーなりに熱心に勉強をしていて、膣を傷つけないように爪も綺麗にやすりまでかけていました。

そんななかで「形状記憶」というものを知ったんです。挿入してすぐに動かずに、膣に挿れたまましばらくキープすることで、ペニスの形に膣がなじんでいくというもの。それまではペニスを挿入したらすぐに動かすものという認識でしたが、お互いの形がフィットした上でセックスするとすごく気持ち良くて。

まだ中イキの経験はありませんが、「この人ならイクかも」と思ったんです。一方的かもしれませんが、そのパートナーとのセックスは「相性がいいな」と思いました。

ー そのパートナーはどんな方でしたか?

学生時代の部活の後輩です。当時は仲の良い先輩・後輩で、大人になってからも、たまにご飯を食べに行ったりする仲。ある日ご飯を食べながら「アダルトグッズを扱うショップに行こう」という話になって。ショップを回りながら「久しぶりにTENGAでも買ってみたら?」なんて選びながら、そのまま流れでベッドインしました。彼も私が性について興味があることは学生時代から知っていたので、そういった関係性も踏まえてお付き合いするまではスムーズでした。

ー お付き合いされている間は、どのくらいの頻度でセックスをしていましたか?

多いときは週に3回くらいだったと思います。お互いセックスをしたいのですが、スケジュールが合わない日もあったので。もしタイミングが合っていたら、週に4〜5回くらいしていたと思います。

気持ちが離れると気持ち良くなくなる、ということも聞いたことがありますが、彼と別れるまでずっと行為自体は気持ちよかったです。

性の関心が高いパートナーに好奇心を刺激されて。満たされるセックスでポジティブな毎日に

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ー お互い性への探究心が強かったんですね!ちなみに、Iさんはいつ頃から性に関心を持つようになったのでしょうか?

今思うと、幼い頃からちょっとエッチなことに対する興味が周りの人よりも強かったかもしれません。初めてオーガズムを感じたのは、小学校1、2年生のとき。当時は何かもわからずに友人とじゃれあっているうちに、「何だこれ」という感覚が走り、気持ちの良いものかもどうかわかりませんでした。

その後、自分で今で言うセルフプレジャーをしていましたが、あるとき母に気づかれ、「体に良くないからやめなさい」というようなことを言われたと思うんです。それから一時的にやめていましたが、やっぱり気持ちが良いから再開していました。

高学年になって学校で性について教わっても、当時の性教育では知識が不十分。インターネットで調べて徐々にセルフプレジャーが心身の健康に良いと知るようになり、さまざまな情報を知っていくうちに、性教育の大切さや日本の性教育の遅れを感じるようになりました。

ー 相性が良くなかったパートナーと相性が良かったパートナー。振り返ってみたときに、2人の違いはどういったところにあると思いますか?

やっぱり性格も反映されていると感じます。相性が良いと感じた相手とは、表情を見ながら「これどう?」「あれどう?」とセックス中のコミュニケーションも多かったですね。基本的には優しい性格の方でした。相手は教育関係の仕事で子どもと接する機会も多く、ヒアリングする力が長けているのかな、と思います。

一方で相性が悪いと感じた相手は、「自分がイったら終わり」と亭主関白のようなセックスで、わたしが感じているかどうかも気にしていないように思えました。その彼にはわたしが性に関心があることも話してはいたものの、あまり真剣に話を聞いてもらえませんでした。

ー 相性の良い方は女性や性についてかなり勉強されているとのことでしたが、女性の体の理解が高いことでどのような “良いこと” がありましたか?

膣の上付き・下付きからはじまって、Gポットだけではないさまざまな「○○スポット」と呼ばれるような性感帯について聞いたり、四十八手も試したりしていました。人によって感じ方も異なり、気持ちよさも違う。そういった知識や経験が得られたのはすごく良かったです。

気持ちの良いセックスをすると心も満たされ、ぐっすり眠れるようになり、体調も良くなったように思います。そのパートナーといるときは毎日同じルーティンだとしても、ワクワクするようなポジティブな気持ちで1日1日を過ごしていました。

オープンに語ることで、女性が性に興味を持つことに対するマイナスな印象を変えたい

photo by rebekah baines on Unsplash

ー 早い段階で体の相性を確かめる方法はありますか?

たとえば、深い話ができる相手なら会話の中で「こういう体位が好きなんだよね」と価値観がわかったりする。相手の好きな体位やプレイを聞くことができれば、「この人はちょっと違うな」と早い段階でわかるので、ヒアリングが大事だと思います。

わたしはけっこう性について話したり聞いたりするタイプなので、「どういう体位が好き?」って聞いちゃうんですよ。実際は違う方もいるかも知れませんが、ある程度「自分本位なのかな?」と察することができると思うので。

ー コミュニケーションをするときに大切にしていることはありますか?

相手の性格も踏まえてですが、何に興味を持っているのかヒアリングすることだと思います。「どういう料理が好き?」「デートするならどこ行く?」といろいろと聞いて、相手の価値観を探る。

たとえば外出が嫌いな人に「カフェに行こうよ」と誘いにくいですよね。相手の性格や趣味趣向を聞いて深掘りしていって、「この人とはもっと深く話せそうだな」と見極めています。

ー 出会っていきなり性について話すことが難しい人もいますよね。Iさんはどのようなタイミングで性の話題を持ちかけていますか?

お酒の席なら相手のガードも少しゆるんで聞きやすいかもしれません。初対面ではそれほど踏み込んだ話はしませんが、「今付き合っている人いる?」から聞いてみたりしています。

ー 普段からオープンに話されているんですね!

男性のマスターベーションは一般的に話されているのにも関わらず、女性が「1人ですることあるの?」って聞かれると「したことない」と答える人が多い。やっぱりまだ言いにくい、恥ずかしい、という認識なんだと思います。

「オナニー」「マスターベーション」「セルフプレジャー」と言葉は変わってきていますが、女性が性に関心を持つことに対して、まだあまりポジティブに受け入れられにくい現状があります。そんな風潮も、性について話しにくい状況をつくり出しているんだと思います。

自分がオープンに話したり、発信したりすることで、この風潮を少しでも変えていきたいと考えています。

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ランドリーボックスでは、定期的なアンケートを実施しています。

現在は、「性事情」をテーマにアンケートを実施中。みなさんのご意見をお聞かせください。

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