昨今ではドラッグストアなどで、生理痛を緩和する市販薬も多く見かけます。もちろんそれはそれで良いもの。多くの女性を毎月来る厄介な痛みから救っているのですから。
でもですね。声を大にして言いたい。
生理痛が重いのに1度も検査をしたことない人、今すぐ病院に行ってください!
これは婦人科の先生にも言われたことですが。そもそも薬を飲まないと辛い生理痛は異常のサイン。ましてや薬飲んでも動けなかったり寝込む人は本当にヤバイ。
「健康診断で内診とか子宮頸癌検診とかしてるよー」って方もいるとは思いますが、生理痛の元となっているかもしれない原因の細かい検査はまた別の場合もあるのです(CTとかMRIとか)。子宮や卵巣をターゲットにした検査をしっかり受けることをお勧めします。
当然、すべての人がこれに当てはまる訳ではありませんが…重い生理痛を耐え続けた結果「子宮腺筋症」にたどり着いた私のお話、ぜひご一読頂きたいです。
※排泄の話も出てくるため自己責任でお願いします(画像などはありません)
もともと私は、生理痛というより経血量がとても多いタイプでした。生理のピーク2日目には、多い日用のタンポン+多い日の夜用ナプキンで3時間保てば御の字くらいに。
とはいえ周期もかなり安定しており、痛みはあまりなく。血の量が多くてめんどくせーなくらいにしか支障はなかったために放置していました。
特に経血量に関しては、20代前半に深部静脈血栓症を患い、ワーファリンという血をサラサラにする薬を飲み始めていたため、その影響もあるのかな?と思っていました。(実際に先生にも、可能性はあるかもとは言われていた為)
しかし20代も半ばになった頃にはだんだん痛みが出るようになり、生理の時は必ず市販の鎮痛剤を使うようになりました。
さらに経血が塊で出ることもあったので、ここで念のために一度婦人科を受診。しかしながら特に大きな異常が見つからずに様子を見ましょうということに。
診てもらっても異常がないんだから、生理が多少重いのは私の体質かー!とよめこさんあるあるな思い込みを発動。
一応「年に一度くらいは検査した方がいいかもしれません」と言われてはいたのですが、婦人科は平日しか受診出来ず。仕事休みたくないしな…ちょっと面倒だしな…と、ついサボり続けてしまいました。
それから年月は過ぎて30代。
かつては胃に優しいと言われている市販鎮痛剤を飲んでいたはずが、いつの間にかロキソニンに変わり、しかも生理2日目には指定用量を超えた飲み方をするまでになっていました。
ひどい時は仕事も休みを貰って1日中寝っぱなし。家事も出来なければご飯も食べたくない。
下腹部の痛みが酷いのですが、もう痛すぎて腰も胃も頭も全部が痛く感じる…その苦しみ様は見てるこっちも痛くなるだったそうな(旦那談)
特に生理中はお腹がとても弱くなり下痢をしてしまうんですが、排便をした後が特にお腹が痛い。お腹といっても腸じゃない感じもする…子宮付近?肛門の奥…?とにかく本当に満身創痍でした。
でも本当に2日目が終わればケロッと回復しちゃうんですよね。
喉元過ぎれば熱さを忘れるとでも言いますか、月に1回ならしょうがないか…と諦めていました。
この時にちゃんと婦人科に行けば良いのに、生理痛は体質みたいなものだから…と、勝手に思い込んでいた私。本当にバカ。
そしてやってきたのが運命の3年前。
その日は前日に用事があって実家に1人で帰省。終わって家に戻る日が生理2日目に被ってしまい、痛いお腹をさすりながらもなんとか電車で帰路につきました。
帰ったらすぐにでもロキソニンを飲みたかったので、何か胃に入れなければと、ひとまずコンビニでレンチンできるスープを買って帰宅。
スープを飲んでロキソニンを飲んで…そしたらやっぱり痛くなるんです、お腹が。いつものようにトイレに行ってしばらく便器とお友達をしていたのですが…。
この日は痛みがなんかおかしい。
下腹部がねじ切られそうに痛い。
お腹?いや…胃?もうどこが痛いのかわからないけどとにかく痛い。何これ完全に生理痛の域を超えている。
過去に重い胃腸炎を体験してる私は、もしかしたらそれかも!と思いながら、とりあえず身体も起こしておけないので横になるために動こうと。でも血まみれになるのだけは嫌なので気力で下着とスウェットだけは履く。
トイレからなんとか出たんですが、あまりの痛みでよろけて体を壁に強打。ぶつけた音で旦那が飛んでくる。
ここからはあまりよく覚えていないのですが…。
旦那曰く、冷や汗が凄く体も震えていて話もまともに出来ない。という訳で救急車を呼ばれてそのまま搬送(救急車呼ぶよ!?って叫ばれたのはかすかに覚えてる)
痛みが治まらない中、なんとか救急隊員さんに自分の持病のことなどを一通り伝え(携帯のメディカル機能に基本情報を入れていたので、それ見せれたのも良かった。これ便利。)
いつものかかりつけではないですが(かかりつけは家から遠い…)、幸いにも持病に関わる科もある近場の病院で受け入れて貰えることになりました。
病院到着後は痛み止めの点滴を入れてもらいなんとか落ち着き。持病のSLEの関係から腸炎なども疑われるために、そのまま入院することに(この日は日曜日だったので検査が出来なかった)
この時点では、スープ飲んだ→お腹下した→痛くてぶっ倒れた…だったので婦人系の病気は疑われず、胃か腸が原因かもしれないとのことで点滴を繋いで絶食開始。
もう食欲も一切なかったので逆に有難かったですが…
翌日、採血や造影剤を入れてのCT撮影。腸に炎症があるかもといえばあるかも?的な影はうっすら見られるものの、明らかに腸炎を起こしている形跡は無し。採血の結果もCRPが少し上がっていたけど他にこれといった異常はなし。
念のためこの日も絶食をして次の日から、重湯とスープ、煮込んだ野菜の軽食開始。
やっぱり絶食してて体がビックリしたのか、食べたらまたお腹を下しちゃったんですよね。そしたらまた来たんですあの痛みが。
ナースコールで最大量のカロナール(鎮痛剤)を頂き落ち着いたけど、お腹下しただけでこの痛み様はおかしいってことで再度緊急CT。しかしながらやっぱり内臓には明らかな異変なし。
もう生理2日目は終わって血の量も少なくなってきているのにこの痛み。やっぱり内臓なのかとも疑われましたが、これ以上はもとのかかりつけの病院で診てもらったほうが良いのではないかという判断。
もう2、3日様子を見た結果、食事も段々取れるようになってきて痛みも落ち着いてきたので一旦退院。
すぐにかかりつけに行き、主治医ではないですがたまたま予約外にいた顔見知りの先生の診察を受け、経緯を説明。
生理痛が重く、排便後に痛みMAXという点と、肛門の奥が痛いという点が気になったらしく。
婦人科でも一度診てもらったら?
婦人科?いやいや生理落ち着いてからも痛かったんだから、絶対ウイルス性とかの腸炎かSLEのせいだってー!とは思いましたが。
痛くなったきっかけが生理2日目だったってことも気になったので、受診することに。
子宮のエコーをした後にMRIを取り、初めましての先生にいきなり言われたこと。
「あぁ~!これは凄い痛かったでしょう!」
!?
「原因、完全に子宮腺筋症だよ」
!!!???
なんと…こんなにあっさり原因が判明するとは。疑ってごめん、リウマチ内科の先生ありがと~~!!
画像を見ながら説明を受けたところ、子宮全体に筋のような白い影が映っていました。これだけ広がっていれば相当痛いらしく、先生にも画像見てるだけで痛み伝わってくるねと言われました…。
ずっと経血量が多かったこと。毎月痛みが半端なかったこと。過去に受診したけど異変なしと言われて、その後放置していたことなどを説明。
子宮の異変は、その時一度ではわからないことも当然あるしどんどん進行するもの。痛みが酷くなるなどは何かが進行している典型的な症状だから、すぐに診察してしっかり経過観察しないとダメ。
ごもっともなお言葉を頂きました。反省。なお、卵巣にも小さいけど嚢胞があったとのことで、これももし大きくなると厄介だから併せて診ていこうということに。
治療方法としては、
- 服薬(ディナゲスト)
- ミレーナ(避妊リング)挿入
以上が主なものとして挙げられました。私はなんとなく、体に入れておいてもし元の持病に何かあった時とか大変にならん?と思って(実際は大丈夫だそうです)服薬を希望。
あとは完治させるとしたら、広がり具合を見る限りもう子宮の全摘出しかないと言われました。
この時、すでに子供を産まない選択があったので全摘のことを詳しく聞こうとしたのですが「子宮は一度取ったら二度と元に戻らないから、よめこさんにはまだ早すぎる」と言って頂き、この選択はもっと先まで取っておくことに。
その後今でも妊娠の希望はないものの、すぐ手術を勧めるような先生じゃなったことになんとなく安心感。今でも定期検査では、気になる症状などあれば細かく見てくれる良い先生です。
で。ディナゲストでの治療開始です。
確か公式(?)では「飲み始めるのは生理2日目から5日目の間」とかになっていたかと思いましたが、そこまで待つの面倒と思って即日開始。
※私はそれでもいいよと先生に言われましたが、実際の服用時期は必ず医師もしくは薬剤師の指示に従って下さい。
主な副作用に、不正出血、ほてり、頭痛、吐き気、発疹、貧血、倦怠感などがあるようですが、飲み始めは特に目立った症状は無く。そして驚くべきはその効果の速さ。
飲み始め次月の生理から痛みが全くない…!
経血量もかなり落ち着いてるし、何より本当に痛くない…!
え、生理2日目に私普通に動けてる!とめちゃくちゃ感動しました。
ちなみにこれを書いている現在。飲み始めて3年が経過しています。
今飲んでいて体に起きている変化と言えば。
・生理が来る月とこない月がある
→とはいえ、来ても経血量はかなり少なめ。ナプキンは普通の日用で全然こと足りる。痛みはたまに鈍痛があるけど鎮痛剤を飲むほどではなし。
・不正出血がある
→1か月ほど薄い血、もしくは茶色いおりものが続くこともあり。少量のため、経過観察で良しとされている。
それ以外は特に目立った症状は無く。通院は3か月に1度(薬が3か月分しか出せないため)。そして半年に1度くらいのペースで、内診と子宮エコー。
今のところ症状は進行していないので、服薬と定期検査を続行しています。
とても効果的で私にとっては神の薬であるディナゲストですが…難があるとすればそのお値段です。
最初に婦人科にかかった時にはビックリでした。薬代だけで2万近くになっていて、うわこれ続けていけんのか…と本気で悩みましたからね…。
とはいえ3か月で2万。それであの痛みが無くなるなら「たった2万!(ヤケクソ)」ってことでここまで来たのですが、半年ほど前からジェネリックに切り替えることが出来たので、かなり楽になりました!
私はジェネリックに対して疎い(効果さえあればいいと思って深く調べない)ので、気になる方はしっかり先生や薬剤師さんと相談しつつ、最適なお薬を選択していって下さいね。
…という訳で、私の子宮腺筋症までの道のりでした。
長々と書きましたが、本当に伝えたいのは最初に書いたこれひとつ。
生理痛が重いのに1度も検査をしたことない人、今すぐ病院に行ってください!
生理痛は軽い人もいるから、自分が重いのは体質なんだとか。薬飲めばなんとか動けるからいいやとか。ダメ絶対。
将来妊娠を考えている方は特に、子宮や卵巣に大きなダメージが行ってからでは遅い場合もありますからね。まず一度は検査をしてもらう事がとっても大事。
子宮腺筋症や子宮内膜症は女性の誰にでも起きる可能性がある疾患です。
この記事を通して、一人でも多くの人が痛みを軽減出来るきっかけになればと思います。
(本記事は2021年8月1日はてなブログ掲載記事を編集し、転載したものです。)