パートナーがいる人や、性交渉の経験のある人ならば誰でも感染のリスクがある性感染症

生理日管理アプリ「ルナルナ」を展開するエムティーアイが、10代~50代の女性ユーザー9,282名を対象に「性感染症についての意識調査」を行った。

約半数の人が性感染症を疑った経験あり。10代でも一定数の人が不安を抱えたことがあると回答

同調査によると、「性感染症にかかったのではないかと不安に思った/疑ったことがある」という質問に対して、全体では「はい」が50.4%、「いいえ」が49.6%だった。

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

また、年代別に見てみると、20〜40代までは約半数の人が「性感染症を疑った経験がある」と回答したが、とりわけ15〜19歳のルナルナユーザーでも約3割、14歳以下では1割以上が性感染症の罹患を疑った経験があることが明らかになった。

では、性感染症の症状を疑ったことがある人は、実際にはどのような対応をとったのか。

2割以上の人は、気になる症状があっても「何もしなかった」

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

調査結果では、性感染症の罹患を疑った人の57.1%が「産婦人科で治療した」、3.8%が「産婦人科以外の医療機関で治療した」、8.6%が「市販薬で対応した」と回答。しかし、「我慢した/放っておいた」が24.6%と、「何もしなかった」人が2割以上いたことが明らかになった。

ルナルナによると、「性感染症にかかった場合はカラダに異常が出ることがあるが、初期では無症状の場合もあったり、なかには治療しなくても自然によくなったように見えることもあるため、初期症状を見逃してしまう恐れがある」という。

パートナーやほかの人へ感染を広げてしまう危険性を防ぐためにも、適切な医療機関にかかる必要がある。

性感染症の原因は、知識として認識されていない

次に、「性感染症の感染経路を知っていますか?」という質問に対して、「はい」と回答した人の割合は86.0%にのぼった一方、“正しい感染経路”についての認知度は低い実態が明らかになった。

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

感染経路を「知っている」と回答した人に、複数の感染経路を選択させたところ、もっとも多かったのは「膣性交(セックス)」の90.3%だった。

しかし、膣性交(セックス)以外の選択肢、「口腔性交(オーラルセックス)」「肛門性交(アナルセックス)」「唾液を介するディープキス」「唾液が肌に接触する行為」については回答にばらつきが見られたという

これらすべてが性感染症の感染経路にも関わらず、だ。

性交渉の前に、性感染症について相手と話したことがある人はたったの2割弱

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

続いて、妊娠・出産経験のない人に、「性交渉をする際に、性感染症について相手と話をすることができますか?」という質問をしたところ、51.6%と約半数の人が「話をすることはできる」と感じてはいるものの、実際に話をしたことがある人は2割弱と低い数字にとどまった。

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

また、「実際に話をしたことがある」と回答した人でも、そのうちの約3割が予防策に「何も取り組んでいない」ことが明らかになった。

その理由を聞いてみたところ(複数回答)、「自分たちは大丈夫だと思ったから」が48.6%ともっとも多く、次いで「相手が嫌がったから」が15.9%にのぼったという。

「相手が嫌がったから」に関する詳しい内容は不明だが、少なくとも、性感染症の予防は忌避されている状況にあると言える。

相手あっての性感染症。しかし、肝心の相手とは「どう話を切り出していいか分からない」と悩む人も多い

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

では、「性交渉する前に相手と性感染症の話ができないと思う」と回答した人は、なぜそう思ったのだろうか。

その理由について、もっとも多く寄せられた回答が「どのように話を切り出したらいいか分からなかったから」の84.9%。次いで「自分が嫌だと思ったから」が15.0%、「自分たちは大丈夫だと思ったから」が10.4%だった。

また、自由回答では、「雰囲気が壊れるのが嫌だったから」「相手を疑っているようで悪いから」といった声が目立ったという。

妊娠を望んだ場合でも、7割以上がパートナーと性感染症について話したことがない

性感染症は、早期発見・治療をしなければ不妊につながったり、妊娠中の場合は胎児に影響を及ぼしてしまう恐れも指摘されている。

しかし、調査では、妊娠・出産経験のある人(現在、妊娠中も含む)に、妊娠を望んだ際に、性感染症についてパートナーと話をしたことがあるかと質問したところ、「ある」と回答したのが27.1%、「ない」と回答したのは72.9%にのぼった

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

また、「パートナーと話をしたことがある」と回答した人がその後実際に行った予防策に挙げたのは、「自身の検査実施(産婦人科などの医療機関にて)」が67.0%で最も多い結果に。

しかし、「パートナー側の検査実施(産婦人科などの医療機関にて)」は27.7%にとどまり、検査をした当事者の検査に比べて、半数以下だったという。

画像=株式会社エムティーアイ プレスリリースより

一方、「パートナーと話をしたことがない」と回答した人に、自分だけの予防策を行っているのか聞いてみると、「取り組みをした」のは18.9%、「特に何も取り組んでいない」のは81.1%となり、予防策を取っていない人が圧倒的に多い結果となった。

対策をしていない理由を聞いてみると(複数回答)、「自分は大丈夫だと思ったから」が51.2%でもっとも多く、次いで「相手が嫌がりそうだと思ったから」も21.7%となった。

性感染症の感染を防ぐために。調査で寄せられた意見

調査において、性感染症について学ぶための方法や支援について聞いてみると、1500件以上の意見が寄せられた。その一部を紹介したい。

隠しがちでオープンにしにくい話題ではあるが、当たり前な情報として普及する機会が欲しい。

学校教育内での性教育をもっと早い段階で行ったり、医師や看護師といった専門の人から説明された方が、聞く方の意識もより上がると思う。

自分が昔学校で習った性教育では不十分だと思った。小さいうちから性教育は必要だと思うし、小さい子向けの本もあるので家族でも教えていけたらと思う。

他の病気のようにもっと気軽に性病のことを教えてくれるところや学生のときにもっと勉強をしたかった。名前はわかるけど、症状まではわからない病気が多い。

対面だと難しいと感じる方が多いと思うので、SNSでいつでもどこでも気軽に学べる環境があればいいなと思います。

学校教育の場、特に中学・高校で、性教育も含めしっかり行うべきだと思う。また親もきちんと学習して家庭でも伝えるべきことだと思う。親の学び場としては、学校の保護者会や地域のセンターでそういう機会を作るべきだと感じる。

成城松村クリニック院長・松村圭子先生の見解

性感染症は、性交渉の経験が一度でもあれば、誰しもがかかる可能性があるもの。また、早期発見・治療しなければ不妊につながったり、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼしてしまうこともあります。

気になる症状があったら放置しないで婦人科を受診するようにしましょう。性感染症について正しい知識を持つことは、自分とパートナーを守ることにもつながります。

しっかり向き合って、性感染症についても話し合えるパートナーシップを築けるとよいですね。

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