初めまして。高校3年生の小林怜莉と申します。

私は現在、自分の経験を元に 「東京都の公共施設のトイレに生理用品を設置して下さい!」というキャンペーン を立ち上げ、署名活動しています。

この署名は東京都の公共施設の女子トイレ・多目的トイレに生理用品を設置してもらうことを要求し、賛同を集めています。

生理の貧困は経済的な理由だけではない

Photo by Jasmin Sessler on Unsplash

私は小学校高学年から高校2年生まで、生理用品を節約するためにナプキンの上にトイレットペーパーを、ナプキンは1日1回しか替えない生活を送っていました。

しかし、その生活はとても辛いものでした。

元々肌が弱いため、ガサガサしたトイレットペーパーのせいで肌がかぶれて痛み、生理中は授業や勉強に集中することが出来ませんでした。当時は生理が来ることが今よりもとても憂鬱でした。

このような体験を話すと、家庭が経済的に困窮していたり、ネグレクトを受けていた と想像する方が多いかもしれませんが、私の場合は少し違います。

※編集部注:「ネグレクト」とは、育児放棄や育児怠慢などのことを指し、児童虐待のひとつとされている。具体的には、食事を与えない、入浴させない、病院に連れて行かないなどの行為がネグレクトに該当する。

生理用品を節約しようと思ったのは2つの出来事に起因しています。

1.友人が生理用品のポーチを男子にからかわれていた

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小学生のとき、友人が生理用品を入れたポーチを持っていたところ、クラスの男子にからかわれている場面を見ました。その光景を見ていた私まで恥ずかしくなり、この日を境に学校に生理用品を持って行かなくなりました。

2.生理に関する教育を受けていなかった

小学校や家庭で教わったことといえば、ナプキンの着け方くらいでした。初潮が来てからの私は、生理周期のことを知らず、いつ次の生理がきても良いように経血が出ていなくても毎日ナプキンを使っていました。

それを見かねた母が「ナプキンは高いから無駄遣いしないで」と言ったことから「生理用品は高いから節約しなきゃ」と思うようになり、生理用品をあまり使わずにトイレットペーパーで代用する生活が始まりました。

自分も「生理の貧困」当事者だったと気づいた

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このように「生理の貧困」には経済的な理由だけではなく、さまざまなことが組み合わさって発生している多角的な問題です。しかし、私は生理の貧困という言葉を知るまで、この生活を変だと思っていませんでした。

今年になって、生理の貧困という言葉がテレビやSNS、ネットニュースで多く取り上げられて話題になり、私も初めてその言葉を知りました。

#みんなの生理が行った調査について触れたニュースでは、27.1%もの人が「過去1年以内に金銭的な理由で生理用品ではないものを使った」と回答したと報道していました。

関連記事:若者の5人に1人が「生理用品の購入に苦労」日本における「#生理の貧困」実態調査

この結果に衝撃を受けて#みんなの生理のホームページにアクセスしたところ、生理の貧困のことを「十分に生理用品や生理に関する教育にアクセスできない状態にあること」と表していました。

この言葉を見て、ナプキンの代わりにトイレットペーパーを使っていたのは私だけ ではない、自分も生理の貧困に苦しめられていたひとりだったということに気づき、もう誰にも同じような経験をしてほしくないと思い、署名を立ち上げました。

公共施設のトイレに生理用品を設置することで社会を変えたい

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私はこの署名キャンペーンを通して2つの社会を実現したいと考えています。

まず、1つ目に「生理があることが経済的な負担にならない社会」です。

例えば毎月生理用品代が1000円かかる人が、12歳から50歳まで生理があるとすると、生涯で約46万円も生理にお金を使うことになります。もちろん、低用量ピルを服用していたり、サニタリーショーツや鎮痛剤を買うとなるとその何倍もかかる計算になります 。

私は初めてこの数字をみたとき、「生理があるというだけでこんなにお金がかかるのはおかしい」と不公平感を覚えました。また、生理に約46万円もかかるため、金銭的余裕がなくやりたいことを我慢するなどの機会損失につながることもあるかもしれません。

そのため公共施設のトイレに生理用品を設置することで、経済的な負担を減らすことを目指しています。

2つ目は「生理に対するタブー視がない社会」です。

みなさんは家族と恥ずかしがらずに生理の話ができるでしょうか?私はできません。私と同じくできない人がきっと多いと思います。

私は、小学生のころに 男女に分けられてあたかも「生理は隠すものである」かのように教わりました。そのため特に私は、生理に対するタブー視が強く、生理痛が酷かったり、 悩みを抱えていても誰にも助けを求められませんでした。

ですが、多くの人が使う公共施設に必需品として生理用品を置くことにより、「生理に対するタブー視」もなくなるのではないかと考えています。

声を上げれば、社会は変えられる

数年前まではあまりなかった生理に関する支援ですが、たくさんの人が署名を行ったり、SNSなどで声をあげている影響もあり、現在ではさまざまな自治体で生理用品の配布や学校での設置が始まっています。

関連記事:全ての都立学校の女子トイレで9月から生理用品配備。「生理の貧困」への取り組み

関連記事:神奈川県のすべての県立学校で生理用品の常備を決定「生徒が安心できる環境づくりのため」

このように、ひとりひとりが声を上げることで社会は少しずつ変わっていきます。

キャンペーンを実現させるには、みなさんのお力が必要です。ぜひ、ご賛同やSNSでシェアをしてくださったら幸いです。

署名:「東京都の公共施設のトイレに生理用品を設置してください!

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