周りの人たちは、どのタイミングでタンポンデビューしたんだろうか。

私は月経カップを使用したことがあるが、タンポンは怖くて今まで使えなかった。

「いや、月経カップの方が怖いでしょ!」

と何人にも言われてきたのだが、私はタンポンの方がずっと怖かった。

その理由として、おそらく過去にある強烈な体験が影響しているのではないかと思う。思い当たる節は2つある。

1.駅のトイレで目撃した「赤黒いなにか」

何歳の頃だったか、自分が初潮を迎えていたのかどうかも覚えてない。地元の駅のトイレを使用したある日、床にあるものがボンっと落ちているのが目に飛び込んできた。

それは、赤黒い液体を吸ったなにか。乾いている部分と、まだ湿っている部分がくっきり残っている。

「最悪だ…」

使用したことはないが、それがタンポンだと認識はできた。その光景は子どもだった自分にとって強烈な絵だった。

そもそも血を見るのが苦手な私。しかも知らない誰かの使用済みのタンポンを目撃してしまうなんて。

なぜゴミ箱に捨てないのか、なぜトイレットペーパーにくるまず、床に放置したのか、何もかもわからない。

いろいろな事情があったのかもしれないが、やはり見たいものではなかった。

そんなふうに迎えた予想外のタンポン初対面はグロテスクな印象を幼い私にくっきりと与えた。この先の人生、もし自分がタンポンを使用したとしても「あんなものが自分の中から出てくるなんて絶対に嫌だ!!」と強く思ったのだった。

2.カニ歩き?

もう一つの思い出は、9歳上の姉がはじめてタンポンを使用したとき。

タンポンを練習するといってトイレに入った姉が、

「きゃー!」

と言いながらトイレから出てきたと思ったら、カニ歩きになっていたのだ。

「なんかこの歩き方になっちゃう〜!!!」

そう言いながら、カニ歩きして家中を歩き回っている姉の姿。よくわからなかったが、姉のテンションが高くてめちゃくちゃ面白かったのを覚えている。

「タンポンを使うとこうなるんだ…」

今思えば挿れる位置を間違えていたんだろうな、と察することができるが、当時の私は「タンポンを使うとカニ歩きになる」という間違った学びを得たのだった。

やってみるしかない

そんなむちゃくちゃなトラウマを抱えていたので、28年間タンポンを使わずに生きてきた。このまま一生使わないんだろうなと思っていたら、ランドリーボックスで「#マイファーストタンポン」企画をやっているではないか。

そして普段は吸水ショーツシンクロフィットで生理を乗り切っている私だが、ふと思い出したのだ。以前イベントに参加して、もらったタンポンの存在を。

「これを機に、タンポンデビューしてみるか…!」

そうして、トライすることに決めた。

タンポンとご対面

Photo by Ayako Tanigaito

今回マイファーストタンポンとして使用するのがユニ・チャームの『ソフィ ソフトタンポン オーガニックコットン100%』。体内に挿れるものなのでオーガニックなのは嬉しいポイントだ。

量が少ないと痛そうだなと思ったので、2日目に開封。箱の中には説明書と、個包装に入ったタンポンが7本入っていた。

個包装をあけて、いざご対面。

Photo by Ayako Tanigaito

うわあ…これがうわさのタンポン。アプリケーターつき…

しかしここで私は少しびびってしまった。アプリケーターは月経カップよりも直径が長い気がするし、最初に挿入する白い部分はなんだか硬く思えて、「うまくいくのか?」とドキドキ……。

いざ、挿入

しかし月経カップを初めて使用したときも、意外と平気だった私。タンポンも、きっと大丈夫とたかをくくって、説明書を見ずに自己流で挿れてみた。

……!!!

?????

なんと失敗……(泣)

無感覚ゾーンどころか、違和感ありあり。

おそるおそる下をのぞくと、行き場のないタンポンが半分くらい股から「こんにちは」していた。

なんで君まだそこにいるの?

何をどうしたらそうなったのか全然わからない。狭いトイレでひとり立ち尽くす。

このまま指で押し込む…?

と考えたが無理だと判断し、諦めた。

アプリケーターは既に外してあったため、押し込むとしたら力技だ。

でも、そのときはあまり経血量が多くなかったため、うまく入っていかない。

だからすぐ出すことにしたのだ。痛かった(泣)

2回目のトライ「説明書ってすごい」

翌日は経血量が多くなっていたため生理3日目に再トライすることにした。

慣れていないうちに自己流はダメだ、と昨日の反省を活かして、説明書をちゃんと読むことにした。なんなら説明書に載っていたQRコードからサイトに飛んで動画もじっくりみた。

Photo by Ayako Tanigaito

そして説明書通りに試してみたところ……。

ぬ〜〜〜〜〜〜〜〜〜(タンポンをいれているときの脳内で鳴っていた効果音)

んっ!

は、入った!!

個人的に感動したのは、1つめの「筒を持った指が膣口につくまで入れる」と、「筒を持つ指と、透明な筒を押す指が重なるまで押し切る」という説明書き。

1回目は「どこまで入れればいいの!?」とプチパニックになり途中で抜いてしまったから失敗したんだとわかった。

2回目もこれでいいのかな?と不安だったが、説明書通りに行うと、ちゃんと「無感覚ゾーン」にタンポン本体が辿りつき、挿入されている違和感がなくなった。

説明書ってすごい…(最初から読まない自分が悪い)。

これからタンポンをはじめて試す人には声を大にして言いたい。

「説明書は読みましょう」

抜くときは、とにかく落ち着いて

装着している間は違和感はなく、カニ歩きになることもなく、いつも通り生活できた。

ただ、はじめての体験にソワソワしてしまったため、装着して1時間くらいで抜いてみることに。

ヒモをひっぱり、一瞬つっかかるときの「これ本当に出るの?」という不安感はすごい。

初心者だと、このまま引っ張っていいのかな?と不安になり、私のようにパニックになる人も少なくないと思う。

しかしそこは月経カップでも経験があったので、落ち着いて息を吐くことを心がけた。力任せに抜くと痛いので、とにかく力を抜いてリラックス。そしてゆっくり引っ張ったら出てきてくれた。

意味不明かもしれないが、感動してちょっと泣きそうになった。

でも量が多い日用にしてはあまり量を吸っていなかったからなのか、やはり少し痛かった。

不意打ちの出血がないのがうれしい

タンポンを使用したことで、生理中にお風呂に入れるのはすごく嬉しかった。自宅の湯船だと、生理中に入浴すること自体は問題ないとされているものの、湯船から上がったときに起こりがちな不意打ちの出血が多かった私は、シャワーで済ませることがほとんど。

私にとって日々のリラックスタイムの9割はお風呂時間なので、身体が疲れがちな生理中に、出血の心配なく入浴できるのはありがたい。

タンポンを使ってみて思うことはやっぱり

でも、今後挿入タイプのアイテムを使うなら月経カップをメインに使用したいと思った。

普段は吸水ショーツとシンクロフィットを使用していて、サニタリーボックスもほぼ使用しない。タンポンを使用することでゴミが増えてしまうのはやはり気になる。

ただ、外出時は月経カップの使用に慣れていないので、どうしても外出先で漏れたくないときのタンポンはいいかなと思った。

ちなみに今は月経カップを使用していない。理由は、数年前に私が洗って干していた月経カップを、父がゴミだと思って捨ててしまったからである(涙)。月経カップをもう1個買う代わりに、吸水ショーツに課金したので、月経カップの再購入には至っていない。

挿入タイプのアイテムの使用頻度は少ないことを考えるとタンポンでもいいかな…?と一瞬思ったが、タンポンを今後使うのを躊躇してしまう理由があった。それは、

やっぱり

どうしても

血を吸ったタンポンを見たくない。

やはりトラウマになっていて、自分の「それ」をみたとき、ちょっとクラっとした。毎月血を見ているのだけれど、血を吸ったタンポンだけはどうしても慣れない。

リピするかはまだわからないが、自分の中で使える生理用品の選択肢が増えたことが嬉しい。

不安もあったけど、生理時に新しいアイテムを試せるというワクワクも体験できた。

しかし、2日かけて格闘するとは思っていなかったので、成功したときにひと仕事終えた達成感があった。自分、今月も生理おつかれさま。タンポンデビューおめでとう。カニ歩きにならなくてよかったね。

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